働く広場2024年8月号
26/36

王将ハートフルのメンバーたちの活躍領域はまだまだ広げられると考えています。できない仕事はないとさえ思っています」と、八田さんは力を込めて断言する。親会社の王将フードサービスハートフル事業部部長の木き田だ裕ひ之ゆさんのコメントが興味深い。 「障害のある社員がキャベツの一次加工を担当するようになりクレームが激減したんです。労災事故も一切起こしていません。そしてなにより、障害のある社員たちが日々成長しています。一緒に働く指導員たちも成長しています。王将ハートフルの設立の目的は法定雇用率の達成だったのですが、早い段階でその目的は変わりました。数字を追いかけるのではない。われわれは『社員のやりがいや成長』を追求するんだと」これらをふまえて、王将ハートフルは、設立3年目より、「社員のやりがいや成長」を支えるための制度づくりに取り組んだ。リーダー職、サブリーダー職などの役職(図)。制度、等級制度(3回にわたって改定)、基本給、手当と勤続給などから構成される賃金制度、永年勤続などの表彰制度、従業員満足度調査(王将ハートフル版)、出向制度などが着々と整えられていった教育面では、障害のある社員には各種研修やOFF-JT(職場や業務から離れて実施される研修や学習全般のこと)も継続的に実施、指導員にも同様に定期的に研修を続けている。 「やりがいや成長」を促進するための制度構築・導入・運用にあたっては、王将フードサービスハートフル事業部課長の大お滝た容よ子こさんと、同部の古ふ川か歩あ美みさんも一緒に取り組んでいることも忘れずに紹介したい。そして「やりがいや成長」を感じているのは障害のある社員だけではない。王将ハートフルの指導員で障害者職業生活相談員の中な千ち加か子こさんは次のように話してくれた。 おきわうるゆか   ろき 早い段階で、特例子会社の〝目的〟が変わった株式会社王将フードサービスハートフル事業部部長の木田裕之さん株式会社王将ハートフルの指導員で障害者職業生活相談員の中千加子さん(資料提供:株式会社王将ハートフル)図 キャリアパス働く広場 2024.824

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る