院耳鼻咽喉科学分野教授の中■川■尚■志■さんらが『よりよいコミュニケーションのための聞こえのワークブック【普及版】』(梓書院刊)を出版した。近年、障害に対する個人の技量の向上を目ざして提唱されている考え方「セルフアドボカシー」の視点から、当事者が、必要なサポートを獲得するために自分で周囲と交渉、同意に至る技術を身につけ、自尊心を持って対応できることが、その人の生き方を変えることにつながるとしている。「聞こえにくさは補聴器や人工内耳などで聞こえやすくすることで解決されると一般的に考えられています。しかし、実際はそうではありません。聞こえにくさは一人ひとり異なっており、その方に適した方法を探していかないといけません。しかし、本人の努力だけで解決しないことの方がむしろ多いのではないかと思います」(前書きより)。また、本書は、本人および近くの人がどのように聞こえにくいか、それにはどのような対応が適しているかを書き込んで一緒に学べるワークブック形式となっている。A4判132ページ、1760円(税込)。今回の「編集委員が行く」の取材で訪ねた京都府の株式会社王将ハートフルは、親会社の株式会社王将フードサービスの工場内で、「餃子の王将」の西日本エリアの店舗で提供される餃子の材料であるキャベツやニンニクなどの一次加工を一手に引き受けている。取材では、株式会社王将フードサービス久御山工場工場長の八田さんにもお話をうかがえた。「品質、スピードとも申し分ない。障害のある社員たちにできない仕事はないとさえ思う」といった発言が聞かれ、障害のある社員たちの仕事に全幅の信頼を寄せていることがうかがえた。じつは、それより感動的なできごとに遭遇した(きわめて個人的意見)。それは、昼食休憩の前の時間で撮影した集合写真で「はいチーズ!」とポーズを決めていただき、「OK!」と解散となった直後のこと。八田さんが王将ハートフルの社員たちに「めし かけた。社員たちは元気よく「はい!」と答え、一緒に食堂に向かっていった。それだけのことではある。それだけのことなのだが、私は泣けた。目頭が熱くなってしまった。一緒に働く喜びとはこういうものだと私は信じている。いくで」と声を「めしいくで」※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は大塚委員が執筆しています。ご一読ください。大塚由紀子第37回株式会社FVP代表取締役 編集委員のひとこと※ 全国アビリンピックは11月22日(金)〜11月24日(日)に、愛知県で開催されます。岩手県、新潟県、広島県、徳島県* 開催地によっては、開催日や種目ごとに 会場が異なります* は開催終了地方アビリンピック検索※日程や会場については、変更となる場合があります。岩手新潟 ■■■ ミニコラム働く広場 2024.8マスコットキャラクターアビリンピック広島(体験会として実施)徳島2024年度地方アビリンピック開催予定7月末〜9月31
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