働く広場2025年1月号
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チェックリストに投入物や作業者名を書き入れる取り残しの有無を入念にチェック洗濯機に洗濯物を投入する笠井翼さん。洗浄前の洗濯物は、エプロンやフェイスシールドを装着のうえ扱う乾燥を終えた洗濯物を袋詰めし、かご台車に積み込み、仕上げの工程へ送る 北海道札幌市で、病院や福祉施設などで利用されるタオル類のリネンサプライなどを手がける株式会社特殊衣料では、障害のある従業員が欠かせない戦力となっている。障害者雇用のきっかけは、34年前に地域の養護学校(当時)の職場実習を受け入れたこと。現在では、リネンサプライや清掃、縫製といった各分野で、知的障害などのある30人が働いており、リネンサプライの工場で働く従業員のうち半数近くが障害のある従業員だ。 洗濯と乾燥の工程で働く笠かさ井い翼つばささん(29歳)は入社5年目。洗濯物の投入前や取り出した後には、取り残しがないか機械の中をしっかりと確認しながら作業を進めていた。また、その工程ごとに記録簿に記入し、万が一の混入に備える。笠井さんは乾燥の不十分な洗濯物を出さないように心がけているという。 入社7年目の平ひら佐さ優ゆう希きさん(29歳)は、仕上げの工程においてタオルの畳みや仕分けを担当している。畳んだタオルの袋詰め作業が好きだという平佐さんは、リズミカルな動きでタオルを梱包機に送り込んでいた。 同社では、職場定着に向けた取組みとして、企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)や障害者職業生活相談員、社会福祉士などを配置し、外部の支援機関とも連携し、働きやすい職場づくりに努めている。また、社会人としての常識や働くために守らなければならないことをまとめたマナー本「ともにはたらく」を制作し、障害のある従業員の入社時や生活面の支援が必要なときに研修資料として活用している。 これらの取組みが評価され、2022(令和4)年には、「もにす認定制度」(障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度)の認定を受けた。同社では、今後も積極的な障害者雇用を続けていくという。働く広場 2025.116

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