リティ強化の関係から休憩室や会議室など執務場所以外で相談支援を実施するなど、支援方法も多様化してきました。このような変化に対応して「可視化できる」、「コンパクトな相談に対応できる」教材やツールの開発が求められていました。●相談支援ツール集の構成・内容 地域センターに個別の相談支援などにおいて活用したい支援プログラムのテーマについてたずねたところ、「生活習慣に関するもの(生活習慣や習慣化のコツ)」、「ストレス対処に関するもの(怒りの対処策、ストレス対処)」などへのニーズが高かったことをふまえ、表1のような相談支援ツール集を作成しました。 相談支援ツール集は、おもに知識付与に活用することができる「資料」と、状況や考え方などを可視化できるワークシートやチェック表などの「シート」から構成されています。 当機構(JEED)の障害者職業総合センター職業センター(以下「職業センター」)では、気分障害などの精神疾患のある休職者を対象としたジョブデザイン・サポートプログラム(以下「JDSP」)、発達障害者を対象としたワークシステム・サポートプログラム、高次脳機能障害者を対象とした支援プログラムを実施し、就職や復職に向けて必要となる各種スキルの付与などの支援を通じて、効果的な支援技法の開発に取り組んでいます。 本レポートでは、これまでにJDSPを通じて開発してきた、生活習慣やストレス対処などの職場適応を促進するための支援技法をもとに、さまざまな疾患、障害のある方に対するジョブコーチ支援等、個別の相談場面で活用しやすいように改良を加えたツールをとりまとめた冊子、支援マニュアル№26「職場適応を促進するための相談技法の開発」、別冊「相談支援ツール集」(2024(令和6)年3月発行)の概要をご紹介します。【相談支援ツール集の作成について】●相談支援ツール集作成の背景 「相談支援ツール集」作成の背景として、地域障害者職業センター(以下「地域センター」)のジョブコーチ支援の対象者や支援内容の変化があげられます。2022年度においては精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害者への支援が7割程度を占め、支援内容も作業支援(ミスの軽減、手順の安定、能率の向上など)だけでなく、ストレス対処、体調・疲労の管理、職場の人間関係などの職場適応を図るための支援へと支援内容の幅が広がっています。また、コロナ禍を契機に電話やオンラインを活用した非対面での相談支援や、職場における情報セキュ★支援マニュアル№26「職場適応を促進するための相談技法の開発」の詳細は以下をご覧ください。 https://www.nivr.jeed.go.jp/center/report/support26.html支援マニュアルNo.26支援マニュアルNo.26別冊相談支援ツール集「資料」の例(食事)職場適応を促進するための相談技法の開発~ジョブコーチ支援における活用に向けて~障害者職業総合センター職業センター働く広場 2025.128
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