います。事例研究をメインに指導員同士が情報交換をし、仲間意識を育てながら現場で活路を見いだす機会にもなっています。 採用から定着まで一体化して取り組む「人事定着推進課」も、大きな役割を果たしています。現場の指導員や管理職による支援とは別に、定着推進担当が少し離れた立場からメンバーを見守り、コミュニケーションをとりながら支援機関と連携しています。コロナ禍で生まれた新業務―多くの従業員を抱える組織として、コロナ禍はどう乗り越えたのでしょうか。村上 本社ビルには多くのグループ会社も入っており、まず感染防止対策に力を入れました。新しく導入した「チャレンジドハウスキーピングシステムⓇ」★(CHKS)(※2)は、米国CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のガイドラインに沿った衛生管理力の高いサービスです。ここで採用されている清掃器具は、中重度の知的障がいがあったり、加齢などで足腰が弱ったりしているメンバーでも簡単に使いこなしながら安定して高い品質の業務を行うことができる利点がありました。除菌されたオフィスは検査機器で調べた数値を社内公表し、安全性とともにビジネスメイトのサービス品質の高さもアピールしています。 一方、コロナ禍での業務上の大きな変化現してもらいたい、という思いがありました。当初はメール便やクリーンサービスからスタートし、徐々に業務領域や採用の幅を広げてきました。東京と岡山を拠点に184人(身体障がい28人、知的障がい85人、精神障がい71人)が活躍しています(2024〈令和6〉年6月1日現在)。 運営全体を通して大事にしてきたのが、ビジネスメイトの行動指針=クレドです。「お客様への約束」、「社員への約束」、「パートナーへの約束」(取引先・支援機関・家族・地域社会)という三つのくくりで行動指針を確認しながら日々仕事を進めています。 そして肝となる業務内容については「働きがいを実感しながら、長く働き続けられる仕組み」にこだわってきました。茶谷 現場で成果を上げてきた取組みの一つが、10数年前に始めた「楽らくジョブ(仕事を楽にしよう、仕事を楽しくしていこうという意味)」です。障がいのあるメンバーが1人でこなすにはむずかしい業務を、指導員が作業を分解してユニバーサルな業務に設計し直し、各自の得意・強みを活かしながらチームで業務を成し遂げます。これにより採用できる層が広がり、メンバーの加齢への対応も可能になりました。 また、指導員側の支援にも力を入れてきました。楽ジョブをスムーズに進めるための業務設計の研修を実施しているほか、「ジョブアシスト会」を定期的に開催して※2 チャレンジドハウスキーピングシステム: チャレンジド(障がいのある人)がハウスキーピング(清掃)を通じ社会参加するためのシステム。「感染防止」を目的とし、清掃と消毒を同時に行うことができる。人的要因による失敗が少ない点が特徴★「チャレンジドハウスキーピングシステムⓇ」は、東栄部品株式会社の登録商標です。は、在宅勤務者が増え、メール室からの配送量や届け先が激減したことでした。そこで始めたのが、会社に荷物が届いたことをメールでお知らせし、希望があれば開封して中身をスキャンして送る「通知サービス」です。出社のタイミングに合わせて届ける「出社時配達サービス」もあります。予想以上に社員から喜ばれ、これまでメール室に荷物がたまりがちだった課題も解消されました。茶谷 コロナ禍以降は、コピーなど作業系の代わりにパソコン関連の事務系のオファーも増えたのですが、難度が高いからと断ってしまうと依頼が来なくなります。・メールサービス(郵便物や荷物の仕分けデリバリー)・クリーンサービス(オフィス清掃)・ジョブサポートセンター(各種業務サポート)・オフィスサービス(総務サービス)・マッサージサービス・カフェサービス・スタードーム(プラネタリウム運営)・カスタマーサポート(申請処理、サポート)・経理伝票BO(伝票処理)・知財事業(知的財産申請・管理)・スタッフ部門(研修・労務管理・グループの障がい者雇用推進など)ベネッセビジネスメイトのおもな業務内容働く広場 2025.13
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