そこで誕生したのが「ジョブサポートセンター」です。障がいのあるメンバーと指導員、アルバイトスタッフの三者で協力しながら仕事をする体制です。 ここでは、まずアルバイトスタッフが業務の対応をします。その間に指導員が業務を設計し直して、メンバーが対応できる業務に「楽ジョブ」化を進めます。これによって業務の「種類」が増え、どのような特性のメンバーでもマッチングしやすい環境ができました。 最近多いのはパソコンのMacによるデザイン業務で、デザインやデータ修正、画像加工を行います。それまで部署ごとに外注していた案件を早く安く仕上げてもらえると好評です。もともとゲーム会社に勤めていた経験者1人を採用してスタートしましたが、同僚メンバーが「やってみたい」と独学したり研修を受けたりして4人が担当できるようになりました。村上 ビジネスメイトでは以前からDⅩチームも組織化されており、精神障がいのあるメンバー4人が難度の高い開発案件を担当しています。グループ会社の事務業務の自動化を図るRPていたのが1カ月後には立派にできるようになり、いまはメニュー開発まで手がけています。昼時には200人以上が押し寄せるのでメール室から応援で2~3人が来ます。地域の就労継続支援B型事業所とも連携し、お菓子やシフォンケーキ、野菜を直売したり、野菜入りメニューを出したりしています。村上 野菜は早く行かないと売り切れてしまうほど人気です。それから、15時ごろに各フロアをまわる新サービスも好評ですよね。茶谷 メール室のメンバーが、売れ残ったサンドイッチやお菓子、コーヒー・紅茶のドリンクケースをワゴンに載せて回るのですが、とても売れます。食品ロスにも多大な貢献ですね。最近は朝の通用口前で行っている朝食販売も順調です。就労継続支援A型事業も―2016年には就労継続支援A型事業所を運営する「株式会社ベネッセソシアス」(以下、「ソシアス」)も設立されていますね。村上 ビジネスメイトの業務内容では障がいの重い人をなかなか採用できず、「なんとか働く場所をつくりたい」というのが原点です。それには①難度の低い職域の開発、②指導支援しやすい集約型の職場、③継続的に安定的に業務が確保できる環境、が必A(ロボティック・プロセス・オートメーション)や、VBA(ビジュアル・ベーシック・フォー・アプリケーション)によるシステムの開発も手がけています。 ビジネスメイトでは、グループ社員にどうしたら喜んでもらえるかを起点に事業開発を重ねていますが、より新しい領域へのチャレンジや持続可能性という面で、生産性もしっかり上げていかなければいけません。「他社に頼むのと同じか、それ以上の貢献をしなければいけない」というのをメンバーはつねに意識してくれています。今後はDⅩ化のさらなる推進のために活躍の場を広げてもらいたいと期待しています。カフェやワゴン販売が人気―コロナ禍の2021年にはカフェ事業にもふみ出しました。村上 本社の社員食堂の委託業者がコロナ禍で運営困難との話が出て、ビジネスメイトが手をあげました。最初は健康をテーマに、ベーグルサンドとコーヒー・紅茶からスタートし、社員のリクエストに応えながらメニューを増やしてきました。知的障がいのあるメンバー5人と精神障がいのあるメンバー1人が、接客やメニュー開発も含めて活躍してくれています。茶谷 飲食業のプロの指導と訓練を受け、最初は手を震わせながらハンドドリップし働く広場 2025.14
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