※1 障害者雇用率の算定方法:JEED『はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~』2024、P129※2 障害者雇用について相談できる支援機関一覧:https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/q2k4vk000003mbkm.html※3 職務内容の整理表:JEED『はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~』2024、P301 情報収集から始めよう 2024(令和6)年4月から民間企業の障害者の法定雇用率が2・5%になり、2026年7月には2・7%に上がります。雇用障害者数は、週の所定労働時間と障害の程度などによって算定します(※1)。障害者雇用は法的義務にとどまらず、企業の社会的責任やダイバーシティ&インクルージョンの一環としても重要な取組みです。 マンガでは、働田社長は経営者の集いで自社に障害者の雇用義務があることをはじめて知りました。その後の情報収集にはハローワークや地域障害者職業センターなどの支援機関(※2)の活用が役立ちます。また、人事担当者の広田さんと一緒に行動していますが、このように経営トップだけでなく、チームを組んだり、企業全体で障害者雇用に取り組むことで、障害者雇用を円滑に進めることが可能となります。2 職務を選定しよう はじめて障害者雇用を考える企業では、「どんな仕事を任せたらよいのか」と悩むケースが見られますが、障害のある人が「活躍できる」職務を選定することが大切です。そのためには業務全体を見直して、適した職務を探して創出する「業務の切り出し」が有効です。また、職務を選定しても、採用後に障害特性や本人の希望をふまえたり、就労支援機器の導入や教育・訓練を通じて職場環境を整えたりして、職務の幅を広げていきましょう。 導入初期の職務の内容は、①判断要素が少ない、②納期に縛られない、③作業内容に変化がなく恒常的な作業量である、とよいでしょう。マンガでは地域障害者職業センターへ相談後、各部署の声を聞きました。それらを反映させた整理表(※3)を作成し、活用することで、自社に合った職務を創出することができます。3 職場実習で相互理解を深めよう 求人票を出すなど本格的な採用活動を始める前に、職場実習を行うことは、企業と障害のある人双方が相互理解を深めるよい機会です。 実習を設定するには、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所、特別支援学校などに相談し、自社に適した実習希望者を紹介してもらう方法があります。 実習前には、作業内容や時間、必要な配慮事項などを十分打ち合わせしておくことが重要です。企業側は「障害のある人の特性を理解し、職場環境を見直し、どう改善すればよいのかを確認する場」、実習者側や支援機関も「実際の職場環境でどの程度本人が実務にたずさわれるのかを知る機会」となります。そのため、実習中には、支援機関等のチェックリスト(第3回で紹介)を活用することで実習者の様子を確認し、相互理解を進めるとよいでしょう。 マンガでは実習後に働田社長と人事担当者の広田さん、現場社員、実習者本人、支援機関が集まり、「ふり返り面談」で感想や課題などを述べています。このふり返りによって、必要な気人事担当者広田さん働どう田だ社長クローズクローズアップアップ 名刺や冊子などのデザインを手がける「有限会社まるみ」の取締役社長。精神保健福祉士。 障害のある社員の雇用をきっかけに「中小企業の障害者雇用推進」に関する活動を精力的に行っている。監修:三み鴨かも岐みち子こ(『働く広場』編集委員) 第1回のマンガで、障害者雇用について何も知らないところから取り組み始めたジード工業株式会社。社長と人事担当者の2人が奮闘する姿を通して、障害者雇用で検討すべき内容や相談先、募集から採用、定着までの道のりを5回にわたり紹介してきました。最終回はこれまでの内容をふり返りながら、ポイントなどを再確認します。ぜひ実際に障害者雇用に取り組んでみましょう。わが社のわが社の障害者雇用物語障害者雇用物語マンガで わかる!障害者雇用を始めてみませんか障害者雇用を始めてみませんか最終回最終回★これまでの連載(2024年9月号~2025年1月号)はこちらからご覧ください。https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html10
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