働く広場2025年2月号
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障害種別や状態にとらわれず、可能なかぎりすべての生徒が参加することを念頭において取り組んできた。 協力企業などの方々もこの点を大切にしており、評価規準の開発や大会の運営にあたって、たくさんの指導・助言を得てきている。 なお、「特別支援学校就職サポート隊あおもり」(図2)として、県内約350事業所が登録し、次のサポートを行っている。①職場見学への協力②就業体験への協力③産業現場等における実習への協力④作業学習等、学校の授業における指導・助言⑤作業学習等、学校の授業における物品等の貸出⑥技能検定への協力(審査員、物品の貸出、技術指導等)⑦就労促進(雇用)など2 各部門・分野の検定の実際 今年度の大会は、284名の生徒が技能検定にチャレンジし、会場には応援する生徒や教員、保護者、審査員やボランティア、企業や就労支援事業所の職員など、約800名が来場し、盛大に開催された。 主会場となったメインアリーナロビーには、すべての特別支援学校ののぼり旗が掲げられ、開会および閉会セレモニーに取り組むのかについて生徒本人や指導にあたる教員の意識化につながっている。 このようなすべての障害種別を対象とした取組みにより、かぎられた生徒を対象に技能のみを追求してしまう危険性や、単なる発表会となることを避けることを意図している。 これらのことをふまえ、青森県ではキャリア発達をうながす手段として技能検定をとらえ、生徒の「思い」を大切にし、の進行なども生徒が行い、生徒主体の運営を意図して進められた。(1)職業技能部門 職業技能部門では、いわゆる知的障害の状態が軽度である生徒だけではなく、多様な障害の状態にある生徒のエントリーがみられるようになってきている。また、前述したように、生徒の実態に合わせた基礎的内容に焦点化したカテゴリーも開設されている。①清掃分野 清掃分野では、外部専門家として一般社団法人青森県ビルメンテナンス協会の協力を得ることや、日々の職業教育において地道な取組みを積み重ねている。 生徒の多様な実態をふまえ、テーブル拭きと、自在ぼうきで構成する「基礎コース」と、ダスタークロス、モップ、テーブル拭きで構成する「応用コース」を設定している。 応用コースでの技能検定の場面では、企業が求める高いレベルの力を発揮する生徒もみられる。また、自身が検定を受けているときだけではなく、他校の生徒が取り組んでいる姿をみて学ぼうという生徒たちの姿勢と、生徒に「させる」のではなく「自ら学び取り組む」ことを大切にしようとする教師の姿勢をみることができた。 基礎コースにエントリーした生徒のなかにはイヤーマフを着用した、ふだんは図1清掃分野「応用コース」。ダスタークロスで床掃除を行う様子清掃分野「基礎コース」。テーブル拭きの様子図22部門6分野の種目を実施職業技能部門コミュニケーション部門・清掃分野基礎コース:テーブル拭き、自在ぼうき応用コース:フルエントリー(ダスタークロス、モップ、テーブル拭き)・接客サービス分野・PC入力分野文字入力、文書作成・農業分野ミニトマト、じゃがいもの選果調整10〜1級・ プレゼンテーション発表分野・パフォーマンス発表分野初級、中級、上級*合理的配慮により、すべての障害種を対象*評価基準に基づき「級」を認定※主催者資料を基に筆者作成特別支援学校就職サポート隊あおもりのリーフレット働く広場 2025.223

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