働く広場2025年3月号
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で梱包作業などをしているが、写真が趣味であることから周囲にすすめられ2回目の出場。「昨年よりもできたと思うのですが、参加選手が増えてレベルが高いですね。次は編集ソフトを使えるようになりたいです」と抱負を語ってくれた。●技能デモンストレーション RPA/ドローン操作 今回初めて実施された「RPA」は、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」のことで、パソコンで行う事務作業の自動化をさす。競技は①プログラムの新規作成、②プログラムの修正と機能追加の2課題で、成果物の結果の正しさや処理動作の安定性・速さ、可読性(わかりやすさ)が求められる。競技形式で実演した、不動産企業の特例子会社で働く4人は、日ごろは入金記録やインボイスの入力自動化などを手がけている。関係者は「RPAは障害者雇用の新しい領域として広まりつつあるので、関心が高いですね」と手応えを語っていた。 一方、前回に続き実施された、岡山県の国立吉備高原職業リハビリテーションて励みになりました」と語っていた兵頭さんは、努力賞を受賞した。 「ネイル施術」は、ネイルケアとカラーリング(75分)、ネイルチップアート(70分)の2課題。健康的で美しい爪と指を保つためのマニキュアサービス技術と、小さな爪の上に表現するアートの芸術性などを競う。初出場の櫻さくら田だ史ふみ武たけさん(広島県)は歯科技工士だ。妻のネイルを歯科材料で修復できたことから興味を持ち、専門学校に通ってネイルの資格を取得。いまは週末にネイルサロンや教室を開いている。聴覚障害のある櫻田さんは競技後「アビリンピック出場を機にネイル技術への向上心が深まり、よい経験になりました。また参加して金メダルを目ざしたい」と話し、今回努力賞を受賞した。 「写真撮影」の課題は、愛知県国際展示場で開催されるアビリンピックをパンフレットなどで紹介することを想定した、「行ってみたい」と思える魅力的な写真の撮影(4時間)。展示ブースで撮影許可を得たポートレートも含め、基本的な技術や構成力などを競う。森もり崎さき久く美み子こさん(香川県)は、就労継続支援B型事業所センターによる「ドローン操作」は、車いすユーザーや聴覚障害のある人なども職場で活躍できるという。特設会場では、建築物の点検業務を想定し、高い場所に設置された模擬障害物に貼りつけた数字や破損個所などをドローンで見つけて撮影し、位置を把握するまでが披露されていた。 また競技会場では、愛知県の協力により、見学者のために競技解説ガイドを配置。特別支援学校高等部2校の生徒10人とアビリンピック出場企業からの専門家10人が、8種目の競技をわかりやすく解説していた。●障害者ワークフェア2024 競技エリアの隣接フロアで開催された「障害者ワークフェア2024~働く障害者を応援する仲間の集い~」は、全国アビリンピックの一環として、障害者の職業能力や雇用に関する展示・実演などを通して来場者に理解と認識を深めてもらうことが目的。今年は100団体・事業所等が「能力開発エリア」、「就労支援エリア」、「職場紹介エリア」、「特設コーナー」にそれぞれ出展し、多くの来場者でにぎ「縫製」松髙美咲さん(佐賀県)「洋裁」銀賞、梅本遙香さん(大分県)「フラワーアレンジメント」努力賞、兵頭麻耶さん(愛媛県)技能デモンストレーション「ドローン操作」「ネイル施術」努力賞櫻田史武さん(広島県)「写真撮影」森㟢久美子さん(香川県)技能デモンストレーション「RPA」「木工」銀賞、坂尾麻奈さん(茨城県)働く広場 2025.39

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