働く広場2025年3月号
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今後の仕事にもつなげていきたいです」と話してくれた。 「製品パッキング」は、①2種類の緩衝材の組立・結束25セットを5束(30分)、②小箱・中箱・化粧箱・外箱の組立・セットアップ4梱包を4箱分(60分)の2課題。より速く正確にパッキングを完成させるための改善が必要とされる。2回目の挑戦で全国アビリンピック出場を決めた安あ食じき香か菜な美みさん(島根県)は、母親によると、特別支援学校時代にアビリンピックを見学して興味を持ち、就労移行支援事業所で箱づくりなどをしながら自宅でも熱心に練習していたそうだ。競技後、安食さんは「お母さんにも手伝ってもらって一生懸命練習してきました。点数としては50点ぐらいですが、楽しくできました」と笑顔をみせていた。●ワード・プロセッサ/パソコンデータ入力/パソコン操作/表計算 「ワード・プロセッサ」は、ワープロソフトの各種機能(ページ設定、文字入力、書式設定、図表等の利用、ファイルの操作・印刷)を使いこなしながら、作成見本と作業指示書に沿って、和文文書の作成(80分)と英文文書の作成(60分)を行う。 鈴すず木き誉ほまれさん(三重県)は、過去の全国アビリンピックで努力賞、銀賞を受賞。電子部品関連メーカーの特例子会社でデータ入力などを担当して9年目。「前回は機能設定に少し手間取ってタイムロスをしたので、今競技紹介選手・関係者の声●ビルクリーニング/喫茶サービス/オフィスアシスタント/製品パッキング 「ビルクリーニング」は、カーペット床清掃(7分)(※)、弾だん性せい床ゆか清掃と机上清掃(10分)の2課題。資機材の使い方や無駄のない動線、作業態度などが評価ポイントとなる。古ふる川かわ拓たく夢むさん(福岡県)は、衛生管理会社に勤めて12年のベテランで、いまは公共施設内の清掃などを任されているそうだ。姿勢と正確な作業順序に気をつけ、社内の研修室で何十回も特訓を重ねてきたという古川さんは「大きな目標は世界一ですが、まずは日本一を目ざしてがんばりたい」と意欲をみせていた。 「喫茶サービス」は、会場につくられた模擬喫茶店で3~4人程度のグループごとに連携・協力しながら、お客さまがくつろげるよう正確かつスムーズな接客サービスを目ざす(1グループ約60分)。全国アビリンピック初出場の福ふく田だ弥み空くさん11月23日(土)(宮崎県)は、大手化学メーカーの特例子会社で働いている。カフェの仕事に興味があった福田さんにアビリンピック挑戦をすすめたという同社社員は、「将来的には社内でもカフェ事業を検討したい」と話す。1回目の競技後に福田さんは「緊張して練習と全然違っていました。次はもっと周りをよく見て、チームで声がけをして、笑顔で接客したいです」と話していた。 「オフィスアシスタント」は、①配布物の準備(15分)、②発送書類の封入(30分)、③社内便の仕分け(10分)の3課題。スピーディーかつ過不足のない封入、ピンポイントに宛名シールを貼るための集中力や注意力が求められる。 何度か挑戦して念願の全国アビリンピック初出場となった中なか村むら楓かえでさん(福島県)は、特別支援学校卒業後に地元の銀行の特例子会社で封入作業や振込関係のデータ入力などを担当。同行した上司によると「昨年この種目で銅賞を受賞した先輩社員からアドバイスをもらい、特訓しました」とのこと。競技後、中村さんは「少し緊張しましたが、練習した通りにできました。※  課題内容後の( )内の時間は、競技時間をさします「ビルクリーニング」古川拓夢さん(福岡県)「喫茶サービス」福田弥空さん(宮崎県)「製品パッキング」安食香菜美さん(島根県)「オフィスアシスタント」中村楓さん(福島県)井出依芭さんはアビリンピック大会旗の旗手を務めた波多野千夏さんは技能五輪の選手とともに選手宣誓を行った「ワード・プロセッサ」銀賞、鈴木誉さん(三重県)働く広場 2025.35

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