達し、日ごろの業務にも活かされています」と話す。「全力を出し切りました。今後も好きなデザインを続けていきたいです」とふり返っていた政所さんは、銅賞に輝いた。 「データベース」の競技内容は、機器用具のレンタル会社における貸出品の「レンタル管理システム」を指定された7課題に沿って作成するというもの(3時間)。3回目の全国アビリンピックという手て島しま拓たく身みさん(東京都)は、大手電機機器メーカーの特例子会社に勤めて17年。同行した社員は「レベルの高い業務改善の仕事をやってくれています。アビリンピックは本人の希望で、就業時間外に練習していました」とのこと。これまでも全国アビリンピックの表計算とデータベースで銅賞を受賞している手島さんは「レベルの高い方たちと競え、人生の糧になりました。これまでは自分一人で練習することが多かったのですが、今回は周囲からのアドバイスもいただけてよかったです」と笑顔で語り、銀賞に輝いた。 「ホームページ」の課題は、「パラスポーツの魅力を紹介するホームページ」の作成(4時間30分)。作成スキルのほか情報設計や独創性、芸術性、ユーザビリティ、アクセシビリティに関する知識が求められる。上うえ間ま真ま弓ゆみさん(沖縄県)は、就労継続支援A型事業所でホームページ制作から保守管理、DTP業務なども手がける。競技後は「アクセシビリティへの対応など去年よりむずかしくなっていましたが、なん回はしっかり確認してきました」と話す鈴木さんに、同行した社員は「彼は知識もスピードもすばらしく、私たちが教えてもらうほど優秀です」と話していた。結果は銀賞だった。 知的障害のある選手が対象の「パソコンデータ入力」は、アンケート内容の入力、書類とパソコン画面上のデータを見比べたうえでの文書修正、表計算ソフトを使った指示通りの帳票等作成の3課題(各約30分)で、速さと正確さを競う。柳やなぎ綺あや佳かさん(山口県)は、4回目の全国アビリンピック出場。情報システム会社で事務補助をになっている。同行した社員は「アビリンピックでよい成績を出して職場にもアピールできますように」と神社にお参りしてきたという。過去の講評で「スピードは十分だから、あとは正確さ」と助言され、柳さんは自宅で練習してきたそうだ。「今回は練習の成果を発揮できたと思います。悔いはありません」とふり返っていた柳さんは見事、銀賞を受賞した。 視覚障害のある選手が対象の「パソコン操作」は4課題で、①適切な関数を用いた表計算ソフトのデータ修正・加工、②インターネットから情報を入手し、表計算ソフトの指定フォーマットへのデータ入力・作成、③プレゼンテーションソフトを使用した資料の作成、④表計算ソフトの関数を用いたデータ処理(計90分)。藤ふじ戸と雅まさ也やさん(岩手県)は、県庁に入職し6年目。いまは表計算ソフトでマクロ設定などの業務を担当している。「銀賞だった昨年は初めてで緊張していたので、今年は落ち着いて臨みたいです」と話していた藤戸さんは、今年は銅賞受賞と健闘した。 「表計算」の競技課題は、①表計算ソフトを使用した表の装飾・編集、②関数式による表の完成、③データ処理、④グラフ作成を行うなかで総合的なスキルを競う(計75分)。畠はたけ山やま直な雄おさん(秋田県)は、大学卒業後に東京都内の企業で働いたあと、地元の銀行に再就職した。アビリンピックへの初挑戦をうながした上司は「職場でも激励会を開催して盛りあがっています」といいながら、畠山さんの様子の動画をリアルタイムで職場に送信していた。競技後、畠山さんは「いままで使ったことがないような表計算ソフトの機能を求める問題も出てきて、いろいろ学べる機会になりました」と笑顔で語っていた。●DTP/データベース/ホームページ/コンピュータプログラミング 「DTP」の課題は、「働く大人のためのリスキリング講座」がテーマのオンライン講座を告知し受講意欲を喚起するリーフレット(両面カラー)の作成(3時間30分)。プランニング力のほかタイトルや色彩、レイアウト、フォントなどオールマイティな知識が求められる。大手農業機械メーカーの特例子会社に勤める政まん所どころ明あ日す香かさん(大阪府)は、データ入力などの補助業務を担当し、社内行事のチラシ作成なども任されている。同行した社員は「職場では多様なデザインを時間内にできるよう練習していました。自然と作業スキルも上「DTP」銅賞、政所明日香さん(大阪府)「表計算」畠山直雄さん(秋田県)「パソコン操作」銅賞、藤戸雅也さん(岩手県)「パソコンデータ入力」銀賞、柳綺佳さん(山口県)働く広場 2025.36
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