は、戦略的なインクルージョン(包含)であり、会社組織全体で障がいのある人もない人も混じりあい、相乗効果が最大化されている状態だと定義づけた。 その実現のために、今回のキャリアプラスプログラムが有効であり、キャリアプラスプログラムで働く基礎や実践スキルを身につけた障がいのある社員が各社へ入り込んでいく。そのなかで障がいのある人への配慮により、グレーゾーンの方々も救われ、だれもが働きやすい職場へと進化していく。 10年後、確実にドコモグループの社風は変わっている。そのための種まきだと岡本さんはいう。「短期間で成果や変化が現れるものではないからこそ、粘り強く、周囲を巻き込み大きな流れにしていくことが必要です。実現したい世界まで時間はかかっても、やり続けること、絶対にやるんだと思い続けることが大事です」 障がいのある人とともに働くことの意味について、岡本さんの原点を教えてもらった。その一つは、横浜市立大学の影かげ山やま摩ま子こ弥や先生のお話だという。 先生のお話のなかで、健常者5名(戦力度1×5名)のチームに障がいのある人1名(戦力度0・5×1名)がチームに加わった。当初は、チーム成果が個の障がいのある人とともに働くことで起きる変化 このキャリアプラスプログラムはじつは何年も構想を温めてきたもので、実現の機会を探っていたという。親会社との対話を重ねるなかで、親会社の抱える課題にマッチしたタイミングで提案することで実現できたと岡本さんはいう。 今回「障がい者雇用をきっかけにだれもが働きやすい職場づくりをする」といった方針を出し、報道発表もした。そこには法定雇用率の話は出てこない。 岡本さんはまず親会社と「障がい者雇用のゴール」を共有した。それはノーマライゼーションであり、実現に向けて図2のような段階を示し表現した。これからドコモグループが目ざす障がい者雇用障がい者雇用で社風までも 変えていく員教育には、社外機関を巻き込んでいる。これが岡本さんの真骨頂なのだ。岡本さんは目ざす姿を掲げながら、いろいろな人を巻き込み、実現に向けてみんなを引き連れていく。なんだか、岡本さんと一緒に仕事をしているとよいことがありそうな気がしてくる。自分がすべてやるのではなく、どんどん人を巻き込んで任せる。それが岡本さん。 「IT系の職場は、業界の特徴としても、メンタル系の休職や退職は少なくない。そういうこともずっと気になっていた」と岡本さん。株式会社ドコモ・プラスハーティ キャリアプラスセンター株式会社ドコモ・プラスハーティ事業運営部グループ支援部門担当部長の岡本孝伸さん出典:株式会社NTTドコモ報道発表資料(2024年5月14日)資料提供:株式会社ドコモ・プラスハーティ図1 キャリアプラスプログラムにおける育成スケジュール2024年10月2025年度2026年度2027年度2028年度2029年度~1期生1年め1期生2年めドコモグループの職場への配置※キャリアプラスプログラム※ドコモグループ内にて障がいの特性やスキルに応じて配置先を調整2期生1年め2期生2年めドコモグループの職場への配置※3期生1年め3期生2年めドコモグループの職場への配置※図2 障がい者雇用のゴールをどこに設定するか義務的過渡期戦略的セグリゲーション(分離)インテグレーション(統合)インクルージョン(包含)特例子会社や農園等代行特例子会社や一般雇用部門の一部で集約的に雇用全体で達成されており、相乗効果が最大化されているゴールは?>>>>ノーマライゼーション●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●=健常者、●=障がい者働く広場 2025.424
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