も配慮事項として理解してもらうことにつながると森下さんはおっしゃっていた。 自己紹介シートは、笑い太鼓の取材の後に訪問した西濃運輸株式会社のほか、さまざまな就職先でも活用しているそうである。 その後、地域活動支援センター内を見学させていただいた。 まずコーヒースタンドおよび焙煎したコーヒー豆の販売を行う店舗部分を見学させていただいた。ここで作業を行う方たちも高次脳機能障害のある利用者さんたちとのことであったが、手順通りていねいに作業をされていた。なお、地域のコー施設内の見学た。 そして、職業準備性の整った人については職員がハローワークに同行し、また、地域障害者職業センターなどとも連携しながらジョブコーチをつけて支援をするなど、個別の支援を重視しているそうである。森下さんによれば、高次脳機能障害のある人の就労支援にはジョブコーチは必須と考えているそうである。つまり外見的にはわかりにくい高次脳機能障害という障害を、企業の方に伝え、理解していただくための「通訳」としてのジョブコーチは重要とのことであった。 また、ハローワークの窓口へ利用者と一緒に相談に行き、窓口の方が就職希望の会社に電話をしたところ、その会社から、事前にその方の障害の状況を教えてほしい、その状況によっては受け入れを考えられるといわれた。それをきっかけに、「自己紹介シート」作成支援に取り組むようになったそうである。 「自己紹介シート」は自分の障害特性などを知ってもらうためのものであり、発達障害のある人の「ナビゲーションブック」(※2)と同様の機能を持つが、笑い太鼓オリジナルで作成したものとのことである。現在では就職を目ざす人には必ずつくってもらっているとのことであった。また、このシートで、例えば記憶障害を補完するために、メモを取ることの必要性を書いておくことで、本人たちも徹底するようにもなるし、採用する企業側にヒー豆卸店店主からドリップの方法などご指導いただいたとのことであった。 続いて2階の作業所部分をみせていただいた。この日は箸を袋に詰める作業に取り組まれていた。時期によってはパソコンで同法人の季刊誌の編集作業などに取り組むこともあるとのことであった。現在は、これからすぐに一般企業への就職を考えている方はいらっしゃらないとのことであったが、それでも、利用者さん※2障害者職業総合センター職業センター 支援マニュアルNo.13「発達障害者のワークシステム・サポートプログラム ナビゲーションブックの作成と活用」地域活動支援センター内のコーヒースタンド。利用者が店頭に立ち、作業にあたるこだわりの抽出方法でコーヒーをドリップする地域活動支援センター2階の作業所。利用者がそれぞれのペースで作業に取り組んでいる割り箸を箸袋に詰める作業。さらに100膳ごとにまとめ、ビニール袋に詰める企画から取材、原稿依頼まで利用者が制作する「季刊誌笑い太鼓」働く広場 2025.623
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