働く広場2025年7月号
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・対人コミュニケーション・思考力、集中力、持続力・ディスカッション・認知、行動面・自己理解、自己分析 毎年、約80名の新規利用者があり、8割が休職中、2割が離職をした方です。小石川メンタルクリニックの患者さんのほか、他のクリニックにかかりながら、小石川デイケアに通う人もいます。 休職者の場合、平均利用期間は6~7カ月です。これは企業が復帰を「待ってくれる期間」であり、おおむねこの期間内に体調と心を整え職場復帰をします。主治医面談→小石川デイケア見学→体験参加→受け入れ会議→正式登録・利用開始という流れです。  初めて利用する人は、まず十分に静養したのち、生活リズムを取り戻すために小石川デイケアに通い始めます。最初の利用開始~復職までの流れでのリワークプログラムを取材しました。  医療法人社団心緑会小石川メンタルクリニック院長の山やま田だ浩ひろ樹きさん、精神保健福祉士の瀬せ戸と口ぐち和かず久ひささん、作業療法士の高たか田だ勝しょう太たさんにお話をうかがいました。同クリニックのリワークデイケア(以下、「小石川デイケア」)は2008(平成20)年開設で、現在17年目。スタッフは医師・看護師・精神保健福祉士・作業療法士・臨床心理士・公認心理師の総勢9名です。医師と医療スタッフが試行錯誤しながら以下のプログラムを構築してきました。・病状と体力の回復精神科デイケア※での リワークプログラム  リワーク(return to work)プ ログラムとは、「職場復帰支援プログラム」のことであり、休職した方が、円滑かつ安定的に元の職場に復帰することを目ざして設計された、医療と就労支援の中間的なステップです。元の職場に戻るだけではなく、場合によっては転職も視野に入れます。治療とリハビリの両面をになうリワークは、単なる通院治療では得られない「社会復帰のウォーミングアップ」を提供するもので、おもに四つの場所で提供されています。1.行政機関(費用:無料) a. 都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センター b.地域障害者職業センター c.市町村の保健センター・保健所2. 医療機関 精神科病院、神経科クリニック(各種健康保険・自立支援医療)3.就労移行支援事業所(利用者負担)4.民間企業(有料) 本記事では、医療機関「医療法人社団心緑会小石川メンタルクリニック リワークデイケア」(東京都)と、就労移行支援事業所「NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワークJSN東京」(東京都)職場でのメンタルヘルスと リワークプログラム職場でのメンタル疾患の発生が増えている1回復・復職のための充実したリワーク プログラムを構築2再発防止のためにも職場環境の整備が必要3POINT※精神科デイケア:精神障害者の社会生活機能の回復を目的として、個々の患者に応じたプログラムにしたがってグループごとに治療するもの。実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者一人あたり一日につき6時間を標準としている(精神科医師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理技術者、看護師などが在籍する)医療法人社団心緑会の理事長で小石川メンタルクリニック院長の山田浩樹さん小石川メンタルクリニックリワークデイケア精神保健福祉士の瀬戸口和久さん小石川メンタルクリニックリワークデイケア作業療法士の高田勝太さん医療法人社団心緑会小石川メンタルクリニック働く広場 2025.721

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