になってほしいと願いながらサポートしています。企業の方には、困っていることがあればいつでも気軽にご相談いただきたいと思います。 NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク(以下、「JSN」)は、精神科の医師が中心となって、精神障害のある方の就労を後押しするために設立された法人です。JSNの東京事業所であるJSN東京では、統括施設長の茂も木ぎ省しょう太たさん、所長の井い川かわ幸ゆき恵えさん、就労支援員の全じょん形ひょん文むんさんにお話をうかがいました。 大阪の事業所も含め、数カ所の就労移行支援事業所を運営するJSNでは、就労した元利用者が体調を崩し休職した場合、必要に応じてフォローアップを行っていました。JSNは地域の医療機関との連携があるので、休職している方の対応について、医師からの紹介も多くありました。 初期のプログラムは食事・睡眠・運動への意識づけがメインでした。リワークプログラム内容のバリエーションの充実、よりよいプログラム構築のため、医療機関のリワーク施設やほかの就労移行支援事業所への見学・意見交換も行いました。現在は、JSNの理事で医師の杉すぎ山やま博ひろ道みちさん就労移行支援事業所の リワークプログラムが改善すべき点をみつけていくことが大切です。企業側には産業医や産業保健スタッフがいますが、主治医との情報連携をしようと考える企業は、まだまだ少数です。要望があれば瀬戸口さんたちは企業へ訪問し、利用者と企業の橋渡しを行っています。 復職後も、平日や土曜日に担当スタッフとの個人面談ができます。土曜日の復職者テーマミーティングでは、体調管理、人間関係、仕事の取り組み方などについて、ほかの復職者やスタッフからアドバイスをもらうことができます。また、復職前の方が参加し、復職した方の経験談を聞くことができる場にもなっています。 山田浩樹さん 離職前よりしなやかな強さを得られるようなリハビリを提供したいです。瀬戸口和久さん 企業が気軽に医療とどう連携できるかを一緒に考えたいです。高田勝太さん 休職してきた方には、自分の強み弱みを知って職場に戻り、これが最後の休職復職後のフォローコメントをいただきましたに協力をいただき、利用者のニーズに寄り添ったプログラムを構成しています。プログラム例【トレーニング】・軽作業・事務作業などの訓練・心理教育プログラム、グループワーク・リハビリ出勤【面談】・時間をかけて面談を実施・ 課題を細かく整理し、ていねいにフィードバック、次の面談までの目標を設定・ 復職前面談(本人・職場担当者・JSNスタッフの三者面談)【個別プログラム】・ 復職後を想定した、実際の業務内容になるべく近い訓練・ なぜ休職にいたったのかを考え、再休職を防ぐ取組みを提供・ 日報システム(SエスピスPIS)を通して体調の波を把握し、自己管理スキルを会得 「医療機関では認知機能リハビリテーションがメインになると思いますが、われわれのような福祉事業所では生活面も含めた幅広い相談に乗れたり、企業担当者への定期的な報告ができ、ジョブコーチとしてフットワークが軽く動けたりする利点があります。企業の担当者や産業医との仲介役をになうことが増えてきました」と、茂木さんがお話しくださいました。大阪精神障害者就労支援ネットワーク統括施設長の茂木省太さんJSN東京の所長で精神保健福祉士の井川幸恵さんJSN東京の就労支援員で訪問型職場適応援助者の全形文さんNPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワークJSN東京働く広場 2025.723
元のページ ../index.html#25