働く広場2025年7月号
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編集委員のひとことミニコラム第47回※今号の「編集委員が行く」(20~25ページ)は三鴨委員が執筆しています。ご一読ください。ツコンテンツの開発といったソフトインフラの整備、また、学校や公園のグラウンド・スポーツ施設の整備、スポーツ用品の提供といったハードインフラの整備をおもに行っていく。元パラリンピック水泳選手の一ノ瀬メイさんも理事を務めている。JAXA展示館がアクセシビリティ向上 茨城 JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)筑波宇宙センター(つくば市)の展示館「スペースドーム」が約10カ月間にわたる老朽化対策工事を終え、聴覚障害や視覚障害のある人向けのアクセシビリティを向上させて開館を再開した。 「スペースドーム」は、実物大の人工衛星や本物のロケットエンジン、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の実物大模型などを展示している。今回、新型ロケット「H3」や気候変動を予測する人工衛星「しきさい」などの小型模型について手に取って触れられるようにした。また模型の名前などを紹介する点字を設置し、宇宙活動の紹介映像に字幕がついた。 リニューアルにあたっては聴覚障害や視覚障害のある学生が学ぶ国立大学法人筑波技術大学(つくば市)も協力し、展示物に触れる模型があるとよいことや、展示パネルの視認性などについて教職員がアドバイスをしたほか、学生らも実際に訪れて改善点などを伝えた。開館時間は10時~17時(見学受付は9時30分~16時30分)、入場無料、不定休。本紹介『発達障がいの子の進学と就労サポートブック』  児童青年精神科医で、日本発達障害ネットワーク理事長や日本自閉症協会会長を務める市いち川かわ宏ひろ伸のぶさんが、『発達障がいの子の進学と就労サポートブック』(成美堂出版刊)を出版した。 本書では、発達障害のある子どもが自立して就労し、充実した人生を送るために「親にできること」、「知っておくべきこと」を中心に解説。まず発達障害について、よく見られるサインや専門医につながるルート、中学・高校・大学での支援体制、専門的な職業教育を行う高等特別支援学校とその職業教育について紹介している。さらに「働くこと」と就労支援をテーマに、進路事例や相談窓口、若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラムについて紹介し、障害者トライアル雇用、中小企業による障害者雇用などをテーマにしたコラムも掲載している。A5判160ページ、1540円(税込み)。 「職場」と「精神疾患」の関係を考えるとき、精神疾患のある人が就労するケースと、働く人が職場で精神疾患になるケースがあります。職場にはストレスがつきものですが、それが精神疾患の原因になるほどであれば、看過することはできません。私の少ない経験のなかでも、職場でつらい経験をして、精神障害と認定されるまでになってしまった人に、いままで何人も会ってきました。 職場全体がさまざまなことに追われていて、従業員の心身に気を配ることができなくなっているのか、働く人のストレス耐性が低くなっているのか、はたまた両方なのか。 今号の二カ所のリワークの取材で、共通して出てきたのは、「多くの人が、集団でのかかわり合いによって回復していく」というお話でした。 さまざまな情報共有ツールの発展やテレワークの普及で、リアルに顔をあわせて仕事をする機会が減っています。昨今では、わからないことは何でも生成AIに聞くことが増え、ますますコミュニケーションの機会が減っています。コミュニケーションが苦手と感じる人が増えても仕方がない状況です。 それでも、人が元気を取り戻すのは、人との関係からという事実。だからこそ、「相手のことを思いやる気持ち」を大切にしてみる。そんなことを考える機会となりました。働く場所が幸せな場所になるために有限会社まるみ 取締役社長 三鴨岐子働く広場 2025.731

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