働く広場2025年7月号
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★本誌では通常「障害」と表記しますが、株式会社日本エー・エム・シー様のご意向により「障がい」としています※もにす認定:正式名称は「障害者雇用に関する優良な中小企業主に対する認定制度」で、厚生労働大臣が認定するもの 1963(昭和38)年創業の「株式会社日本エー・エム・シー」(以下、「日本AMC」)は、高圧配管用の金属製継つぎ手ての専門メーカーとして建設機械、農業用機械、工作機械など多くの製品を提供している。福井県内をはじめタイ、フィリピン、中国など5拠点で毎月約1万種類、300万個を生産し、建設機械向け高圧配管用継手の市場では国内トップシェアを誇る。 日本AMCは2015(平成27)年ごろから障がい者雇用に力を入れ始め、いまでは従業員180人のうち障がいのある従業員が9人(身体障がい2人、知的障がい3人、精神障がい4人)で、「障害者雇用率」は4・77%(2025〈令和7〉年4月15日現在)にのぼるという。日本AMCは2022年3月に「もにす認定」(※)を受けたほか、2024年には「障害者雇用優良事業所」当機構理事長表彰を受賞した。 障がいのある従業員の担当作業は、組立をはじめ梱包、開梱、検査、出荷、清掃など幅広く、必要な配慮やサポートを受けながら戦力として育っている。 総務部を中心とする職場でのサポート高圧配管用継手の製造や支援機関との連携など、これまでの取組みとともに、現場で活躍する従業員のみなさんを紹介する。 日本AMCは2014年、身体障がいのある従業員2人のうちの1人が定年退職したことから翌年の雇用率が0・6%となり、当時の法定雇用率2・0%を下回った。 当時から総務部の部長を務め、現在は取締役専務執行役員も兼任する高たか橋はし永ひさしさんは、「ちょうどそのころ会社全体としてダイバーシティ経営の推進に動き出していたこともあり、総務部として障がい者雇用にも取り組んでいこうということになりました」と話す。同じく当時から総務部に所属し、いまは総務課長を務める平ひら瀬せ布ふ美み代よさんとともに障がい者雇用に取り組むことになった。 高橋さんたちはさっそく2014年10合同就職面接会を機に月、ハローワーク主催の障がい者向け企業就職面接会に初めて参加した。「予想以上に多くの求職者が参加していて驚きました。17人の方と面接もして、大きな手ごたえも感じました」(高橋さん) その後、日本AMCが開催した「会社見学会」には就労移行支援事業所や特別支援学校から12人が参加、11月に7人が3日間の就業体験会に参加し、精神障がいのある男性1人が高校新卒として2015年4月に入社した。 このとき日本AMCは、3月から6月にかけ計3回の「支援会議」を開催した。本人と保護者をはじめハローワーク担当者、当機構(JEED)の福井障害者職業センターの障害者職業カウンセラーと職場適応援助者(ジョブコーチ)が一堂に会し、本人の不安を軽減できるよう、現場の支援体制づくりについて意見交換や情報共有を行ったそうだ。 一方、総務部や入社した男性の配属部署の17人を対象に「障がい者雇用学習会」雇用前から支援会議や学習会などを実施し 受け入れ体制を準備12カ月ごとの面談を継続し、ていねいな定着支援とキャリアアップを図る2「だれもが働きやすい職場づくり」を軸に職場全体の社風を醸成3POINT株式会社日本エー・エム・シーは、高圧配管用の金属製継手の製造を手がける株式会社日本エー・エム・シー取締役専務執行役員で総務部部長の高橋永さん総務部総務課長の平瀬布美代さん働く広場 2025.75

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