生産性向上にも貢献しつつも、納期に追われず、自分のペースで取り組める分野を確保しています。 加えて、コミュニケーションは原則としてテキストベースで行っています。これは「聞き逃しが不安」、「1回で理解できない」、「発言のタイミングがむずかしい」という声への配慮から生まれました。テキストに残ることでふり返りが可能になり、相互理解の精度が高まると同時に、情報の透明性や自律的な働き方にもつながっています(図3)。“実践型”の採用で特例子会社が挑戦のフィールドに 採用では1カ月間のインターンシップが行われます。AI系とWeb系の2コースに分かれ、抽象度が高く、かつ100時間では完成できない難易度の課題に取り組みます。 これは「技術力」だけでなく、「かぎられた時間のなかでどのように課題を整理し、どこまで仕上げるか」といった業務推進力や思考の柔軟性などをみるためです。 最終面接では、障害理解やJPTで働く意義に対する考え方、志望動機などのヒアリングを通して、組織としてともに歩んでいけるかという視点から採用を判断します。このように時間をかけて迎え入れることは、入社後の定着率やエンゲージメントの高さにつながっています。 JPTの設立当初、社内からの業務依頼は少なかったそうです。しかし、グループ内のだれも手をつけられなかった課題を社員が技術と創意工夫をもって解決することで、いまではJPTに業務を依頼する部門が増え、案件はつねに20~30件の待ち状態となっています。これまで取り組んできたプロジェクトは150件以上にのぼります。これらの活動が生み出したのは、「JPTに依頼すれば質の高い仕事をしてくれる」という信頼です。働き方が変わるいま、障害者雇用の未来をどう描くか 「こんなに自由に、自分の得意を活かしながら働ける会社があるとは思わなかった」これは入社した社員の方の言葉です。前職では障害特性への理解が得られず、居場所を感じられなかった人が、JPTで「初めて社会とつながっている実感を持てた」そうです。JPTが大切にしてきたのは「働くハードルを下げること」。必要以上に守るのではなく、本人の力を信じ、裁量を渡す。制度や常識に縛られない柔軟な環境づくりが、結果として多くの人の力を引き出しています。 社会や労働環境の急速な変化により働き方が大きく変わるなかで、障害者雇用においても新たな視点から取り組んでいくことが求められています。それは「雇用」をゴールにするのではなく、人材として「活かす」という発想の転換やITを軸にした新しい業務の創出、リモートワークやフレックスタイム勤務といった働きやすさの選択肢を広げることです。このような考え方や実践を知ることは、障害者雇用に取り組むあらゆる企業にとって参考となるでしょう。図2 在宅勤務地図3 社員の能力発揮を支えるための体制・制度福岡2名岡山1名宮城1名石川1名富山1名岐阜1名愛知1名静岡1名東京11名神奈川8名千葉1名埼玉1名大阪9名京都1名奈良1名兵庫1名和歌山3名社員46名1人1業務体制□原則、納期なし□やりたいことを仕事にする□途中でギブアップしてもいい□技術支援 □書籍購入費補助 □Udemy無料学習重要だけど緊急でない□いつ働いてもいい (深夜勤務×)□どこで働いてもいい (出社義務なし)□中抜けあり□短時間勤務も可 (最短契約20時間/週)フルリモート・フルフレックス□テキストベース (teams/Discord)□個人面談(1on1)□社内外研修□人間関係を固定化しない□業務外での つながり有りコミュニケーション!(資料提供:日揮パラレルテクノロジーズ株式会社)(資料提供:日揮パラレルテクノロジーズ株式会社)働く広場 2025.811
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