嶋崎さんは「箱入れ」も担当。バキュームをかけた部品をコンテナに移し替える。製造エリア内にほこりなどを持ち込まないために欠かせない工程だ洗浄した部品にエアガンで空気を吹きかけ、水滴を落とす。その後カゴに移し替え、乾燥させるシンクに水を貯め、空気を送り込むブロワー装置を作動させる。部品をざるに入れ水洗いし、ゴミや不良品などを取り除く朝礼から業務がスタート。一日の作業計画などの情報共有が行われる工場内の一角に設けられたシンクで、部品の洗浄作業にあたる嶋崎加代さん タイム技研高知株式会社は、愛知県に本社を置くタイム技研株式会社の子会社であり、高知県宿すく毛も市において、給湯器などに搭載されるバルブやセンサーなどを製造している。同社では、障害のある従業員が製造の現場において欠かすことのできない人材となっている。 入社20年目の嶋しま崎さき加か代よさん(38歳)も、その一人。知的障害のある嶋崎さんは、外部で製造された部品の洗浄や、配送用の段ボール箱から工場内で使用するコンテナに移し替える「箱入れ」という工程を担当している。これらの工程は、工場の製造エリア内にゴミやほこりを持ち込まないために、欠かすことのできない工程であり、製品の高い品質につながっている。 朝礼後、まず取りかかったのはプラスチック製部品の洗浄作業だ。水を貯めたシンクで部品を水洗いし、ゴミやほこりなどを取り除く。エアガンで大まかな水滴を落とし、カゴに移し替え、乾燥させる。 続いては「箱入れ」の作業。段ボール箱を開梱し、部品に付着したゴミやほこりをバキューム装置で吸い取り、部品をコンテナに移し替える。嶋崎さんに仕事のやりがいについてたずねると「ものづくりにたずさわれてうれしいです」と教えてくれた。 入社4年目で知的障害のある富とみ田た李ももさん(21歳)も「箱入れ」を担当。富田さんの作業エリアには、ホワイトボードが設置されており、次に行う作業が一目でわかるようになっている。これは、富田さんからの提案を部内で検討し、設置されたものだ。 同社は、障害特性に配慮した職場環境づくり、雇用管理や体制づくりへの取組みが評価され、2023(令和5)年度に「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度」(もにす認定制度)の認定を受けた。今後も、障害者雇用への取組みに積極的に臨む予定だという。働く広場 2025.816
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