ほかの店舗や事業所で働くスタッフたち、家族や支援者とも交流しコミュニケーションを深めている 事業拡大の取組みについて、代表取締役社長の江え浦うら聖せい治じさんに話をうかがった。 「障害のあるスタッフのなかには、加齢によって立ち仕事がつらくなったり、対応力の低下が認められる人もいる」、「やりがいをもって定年まで働いてもらうためにも、積極的に働き方の選択肢を広げる必要がありました」と話す。 シューズクリーニングやビルクリーニングの事業に取り組んだのは、そういった中高年齢の障害のあるスタッフへの配慮を考えてのことでもあったとも理解した。スワンがこれまで取り組んできたベーカリーやカフェの仕事と、シューズやビル「感謝される仕事」にこだわって「働く選択肢」を広げる。そしてこれからも・ 障害のあるスタッフ主導で行われる日々の朝礼 元気よく声を合わせて「今日も頑張ろう!」と業務がスタートする・ 非接触型のセルフレジの導入 お金の取り扱いが苦手な障害のあるスタッフも自信をもって接客ができるようになった・ 障害特性に配慮した年2回の研修 オリジナルのフラップ型の資料やヤマトグループのハラスメント防止小冊子を使用した研修、ブラックライトを使用した「手の洗い残しの見える化講習」など・ 業務内容別の目標シート「どこまでできるかなぁ表」をもとにした日々の指導、 個人ごとに目標設定と達成確認を通じたスキルアップ・ 年2回の「遠足」や「お楽しみ会」などの行事のクリーニングの仕事は、タイプの違う仕事にみえるがそうではない。スワンのすべての事業は「感謝される仕事」である。「感謝される仕事」で、障害のあるスタッフの特性や能力に対応した「働く選択肢」を広げ続けてきている。 「ベーカリーやカフェの仕事、ケーキの物販事業は、お客さまから直接『ありがとう』、『おいしかった』といってもらえます」、「シューズクリーニングもビルのクリーニングも、ヤマトの従業員から『きれいにしてくれてありがとう』と感謝され、成果を目に見える形で確認することができる仕事です」(江浦さん) 感謝されるからやりがいを感じる。やりがいを感じるから長く働き続けられるのだ。 「まだまだやることがある」と江浦さんは続ける。「より多くの障害のある人の自立と社会参加を応援できるよう、スワン、公益財団法人ヤマト福祉財団、社会福祉法人ヤマト自立センターの相互連携を、これまで以上に強化していきます。3団体の知見を結集すれば、本体であるヤマトグループ全体の障害者雇用にももっと貢献できると思います」 今後がますます楽しみなスワンである。セルフレジの導入により、お金の計算が苦手な社員も憧れの接客業務に就けるようになった株式会社スワン代表取締役社長の江浦聖治さん働く広場 2025.825
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