「卓越した技能者の表彰」制度、障害者部門の紹介厚生労働省 人材開発統括官付 能力評価担当参事官室省 庁卓越した技能者「障害者部門」の概要 「卓越した技能者の表彰」においては、きわめて優れた技能を持ち、活躍する国内の最高水準にある技能者を表彰しており、「障害者部門」では、国内で第一人者と目されるきわめて優れた技能を持ち、活躍する障害者を表彰している。 優秀な技能を持つ障害者が卓越した技能者として表彰されることで、ほかの障害を持つ技能者の模範となるよう、技能の研鑽をうながすとともに、活き活きと働ける就労環境づくりに資することで、障害者雇用の質をより一層高めることを目標としている。卓越した技能者の要件 被表彰者は、次の①~④の全ての要件を充たす者であって、都道府県知事、全国的な事業主団体等、全国的な障害者団体、個人のいずれかの推薦を受けた者のうちから、厚生労働大臣が技能者表彰審査委員の意見に基づき決定する。① きわめて優れた技能を有する者② 現に表彰に係る技能を要する職業に従事している者③ 技能を通じて労働者の福祉の増進及び産業の発展に寄与した者④ 他の技能者の模範と認められる者卓越した技能者「障害者部門」の表彰対象者・障害区分 表彰対象者 障害者手帳の取得者 障害区分 ①身体障害者 ②知的障害者 ③精神障害者障害者部門被表彰者一覧1被表彰者名瀧たきこと代よ年齢81歳(表彰当時)職種名紳士服仕立職所属名コトヨ洋服店就業地静岡県 技能功績の概要 紳士服製造について独学で技能を磨き、顧客の体型や好みなどに合わせて精せい緻ちな製図を行い、後工程の仮縫いで手直しを発生させないことを心がけて日々技能の研鑚に努めた結果、県外からも依頼が来るようになった。自身が左上肢の機能障害となった後、技能向上を目的として出場した第7回国際アビリンピックでは、洋服・洋裁の二種目に出場し、洋服種目では銅賞を受賞した。 また、障害のある方や子育てによる離職者などに対して技能指導を行い、就職や開業へと導いた。令和5年度 「卓越した技能者(現代の名工)の表彰」制度は、技能の世界で活躍する職人や技能の世界を志す若者に目標を示し、技能者の地位と技能水準の向上、優れた技能の継承などを目的としている。 表彰は、厚生労働大臣が毎年1回実施しており、昭和42年に第1回の表彰が行われて以来、令和6年度の第58回の表彰までに7234名が表彰されている。 令和5年度より、「障害者部門」が新設され、これまでに5名が表彰されているが、その制度の趣旨と障害者部門の概要についてあらためてご紹介する。卓越技能章(徽章)働く広場 2025.826★本誌では通常西暦で表記していますが、この記事では元号で表記しています
元のページ ../index.html#28