国の動き「つなぐ窓口」相談、1年半で約4600件内閣府 内閣府は、不当な差別的取扱いや合理的配慮、障害者差別解消法に関する質問や相談に対応する「つなぐ窓口」について、2023(令和5)年10月の設置から2025年3月までの1年半で、計4602件の相談があったと発表した。 電話相談は3855件、メール相談が747件だった。月別の推移は、改正障害者差別解消法の施行時の2024年4月までは増加傾向で、その後は減少しつつも施行前より高水準で推移。各月とも障害者等からの相談が8割程度、事業者からの相談は1割程度だった。1カ月あたりの平均は274件だった。 障害者等からの相談3717件のうち、相手方事業者の業種については、不明を除き最も多かったのが「行政」で808件、ついで「医療・福祉」の558件だった。相談内容は「事業者に合理的配慮として〇〇をしてほしいが、どうすればよいか」、「合理的配慮の提供を求めたが対応してもらえなかった」、「合理的配慮の提供が義務化されると聞いたが、具体的に何をすればよいのか」といった事例があった。 相談に対応して関係自治体や府省庁に取り次ぐなどのフォローアップ事案のうち、未完了の35件を除いた完了事案は164件で、内訳は「解決」105件、「傾聴」26件、「未解決」33件となっている。「つなぐ窓口」相談は左記まで。メール相談:info@mail.sabekai-tsunagu.go.jp電話相談:0120-262-701(毎日10時~17時〈祝日・年末年始を除く〉)報告書:https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/tyosa/r06jirei/index-w.htmlスポーツ指導の入門ハンドブックスポーツ庁 スポーツ庁は、障害のある人がスポーツに親害者本人を対象とした学びのプログラムと、障害者の家族を対象にした学びのプログラムを開発した。〝じりつ〟は自立と自律という二つの表記があるが、むずかしく考えすぎないよう、ひらがな表記にしたという。 「親子みらいワーク」では、本人を対象とした学習要素として重視した「相互理解」、「相談」、「聴く・伝える」のほか、「くらし」、「お金&買い物」、「余暇&楽しみ」などを楽しみながら学べる10のプログラムを、職員と数人の障害者で行う実践例とともに紹介。また、親が対象のプログラムは、成人した子どものグループホームでの生活や成年後見制度、障害基礎年金の仕組みなどを学び、実際の経験談を聞いたりグループワークで意見交換をしたりして、理解を深めていく。約90ページにプログラムの実践風景など写真やイラスト、活用シートなどを盛り込んだ内容となっている。https://s-izumino.jp/info/2025/06/pdf.html知的障害の人が学べる「選挙学習小辞典」大阪 「社会福祉法人創そう思し苑えん」(東大阪市)が、知的障害のある人を対象に、選挙についてやさしく学べる電子書籍『せんきょのことば 選挙学習小辞典』(PDF、236ページ)を発行した。 創思苑を中心に結成された「知的な障がいのある人たちとやさしく選挙を学ぶ集い」プロジェクトが、2023(令和5)年から月1回ほど勉強会を続けるなかで、当事者と一緒に小辞典を編さんした。辞典のおもな特徴として、①原則としてすべての文をひらがなで表記、②選挙用語の辞書的説明に加えて投票の仕組みや手順などを解説、③当事者に過度の負荷がかからないように、また短時間で1回の学習が終えられるよう細かく章を立て学習項目を分散、④文字情報を補足するため挿し絵や写真などのビジュアルな資料を多く挿入、⑤習字や作画のコーナーを設け、当事者が自分で選挙や政治について考しめる環境づくりに向けて『障害のある方へのスポーツ指導・関わり方 入門ハンドブック』を作成し、ホームページ上で公開している。 ハンドブックでは、スポーツをいかに楽しんでもらえるか、指導を受ける人の特徴に応じたコミュニケーション方法を意識することなど、指導者が持つべき心構えについて紹介。さらに肢体不自由や視覚障害、聴覚障害など各種障害の特性や、その特性をふまえた指導のポイントやコミュニケーションの取り方、けがや事故防止への配慮など具体的な指導のコツやポイントがまとめられている。 ハンドブックは「パラスポーツの基本」、「障害のある方へのスポーツ指導の入口」、「障害のある方へのスポーツ指導の実践(障害の特徴や指導方法、安全管理)」の3章構成。コラムとして、パリ2024パラリンピック競技大会の水泳(視覚障害)金メダリストの木き村むら敬けい一いち選手、東京2025デフリンピック卓球代表内定の亀かめ澤ざわ理り穂ほ選手にインタビューをし、選手にとってわかりやすかった指導方法やアドバイス、練習の工夫といった体験談も掲載している。https://www.mext.go.jp/sports/content/20250327-spt_kensport02-40978_1.pdf生活情報親と子が「じりつ」学ぶプログラム大阪 「社会福祉法人いずみ野福祉会」(岸和田市)が、障害者本人にとっての〝じりつ〟と障害者の親自身にとっての〝じりつ〟について学ぶプログラムを開発し、PDF版の「親子みらいワーク ライフワイドの視点で取り組むみんなのじりつの道しるべ」を公開した。 同会では2023(令和5)年度から2年間にわたり公益財団法人日本財団の助成金を受けて「重度障害者の自立支援学習プログラムの構築」事業に取り組み、〝じりつ〟をテーマに障働く広場 2025.930
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