編集委員のひとことミニコラム第49回※今号の「編集委員が行く」(20~25ページ)は増田委員が執筆しています。ご一読ください。え、自分の考えを楽しみながら表現できるようにした、としている。公益財団法人キリン福祉財団の助成を受けて小辞典の発行を実現した。創思苑のホームページから無料でダウンロードできる。https://www.soshien.com/senkyo/index.html本紹介『障害のある人の暮らす権利 ともに歩む支援者たちへ』 全国でグループホームの運営にかかわる「障害者の暮らしを支えるゼミナール」と佛教大学社会福祉学部教授の田た中なか智とも子こさん、立命館大学産業社会学部教授の三み木き裕ひろ和かずさんの編著による『障害のある人の暮らす権利 ともに歩む支援者たちへ』(クリエイツかもがわ刊)が出版された。 入所施設・グループホームなどで暮らす人が30万人を超えるなか、「暮らしの場における専門性」を理論化。パート1では、家族関係に課題を持つ事例から、知的障害のあるシングルマザーを支える場、強度行動障害のある人の支援、老いとの向き合い方などをテーマにした8ケースをコメントとともに読み解く。パート2では、障害のある人の暮らす権利と支援の専門性について、歴史的変遷や実践課題、職員の労働や専門性などについて解説している。A5判286ページ、2640円(税込)。 「障害者雇用」という言葉は、雇用を「障害者のための雇用」と「それ以外の者の雇用」に構造的に分化させてしまう危うさがある。制度としての障害者雇用は必要不可欠である一方で、その枠組みを強調しすぎると、かえって企業側が柔軟に対応しづらくなるようにも感じる。「障害者のための仕事を用意しなければならない」、「特別な配慮が求められる」といった意識が先に立ち、結果として本来のその人らしい働き方を模索する余白が狭まってしまうこともあるだろう。 今回取材した植村牧場でみられたのは、そうした枠組みを超えた実践だった。「障害者を雇用する」という枠組みではなく、「仕事をともにする仲間を雇用する」という姿勢に基づき、顔の見える関係のなかで、「この人にはこれが合う」、「こうすればできそうだ」と自然に役割が形づくられていた。初めから「だれもが働きやすい場をつくろう」という方針があったわけではないが、日々のやり取りのなかで、それぞれの個性に応じた仕事の切り出しやサポートが積み重ねられていった結果、気がつけば多様な人びとがともに働く職場ができあがっていた。そうした現場の蓄積から生まれる雇用のかたちは、制度設計だけでは到達できない豊かさをもっていた。「自分の力が発揮でき、楽しい」と思える仕事のあり方を、障害の有無にかかわらず、職場全体で模索していくことが、結果として「自分の力が発揮できる楽しい仕事」につながるのではないかと思う。 今後は、さまざまな背景をもつ人びとが職場でともに働く時代がやってくる。そうした時代において、特定の属性に対応するのではなく、多様な個人の個性や可能性を起点にした職場づくりを模索していくことが、社会全体として必要とされる視点ではないかと感じた。「障害者雇用」という言葉の危うさ武庫川女子大学 准教授 増田和高北海道、青森県、新潟県、石川県、山梨県、山口県、大分県*開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります* は開催終了9月~10月2025年度地方アビリンピック開催予定地方アビリンピック検索※第45回全国アビリンピックは10月17日(金)〜10月19日(日)に、愛知県で開催されます。※日程や会場については、変更となる場合があります。新潟アビリンピックマスコットキャラクター北海道青森山梨大分山口石川働く広場 2025.931
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