プ会社が販売する新築戸建て住宅の引渡し前の清掃、西鉄本社が入るONE FU-KUOKA BLDG.内の給茶機・給水タンクの清掃など、じつに多彩だ。 このほか、沿線地域の生活情報誌のポスティング業務や、集団作業の苦手な従業員向けとして、電車・バスの定期券発売所の売上伝票回収作業もある。 最初は苦労もあったそうだ。「現場で何かが紛失したとき『ウィルさんでしょう?』といういわれ方をしたことがありました。みんなで悔しさを共有し、客観的な確認作業を強化しました。いまでは、『ウィルさんはダブルチェック、トリプルチェックまでしてくれるから安心』といわれています」(片岡さん) ウィルアクトでは毎年のように、地方アビリンピックに参加者を送り出している。種目は業務に関係の深いオフィスアシスタントから始めたが、今年度はほかに製品パッキング、喫茶サービス、ワード・プロセッサ、パソコンデータ入力、表計算、ビルクリーニングと最多7種目に出場。さらに全国アビリンピックには2021年から毎年、オフィスアシスタントやワード・プロセッサの種目で出場している。 片岡さんは、「アビリンピック出場のアビリンピックで成長 ウィルアクトの片岡さんたちが参加した「就労支援機器地方説明会」は、毎年3~4回程度行われている(日程等はJEEDホームページで案内)。 説明会では、就労支援機器アドバイザーの正田さんたちが、障害種別ごとに職場での支援機器の活用事例、機器類の最新情報のほか、一般のパソコンソフトのアクセシビリティ機能などを紹介。無料貸出制度の申請方法なども説明している。会場では、JEEDが無料で貸し出している就労支援機器を展示し、参加者は実際に手に取って使用体験もできる。 こうした就労支援機器を常設展示しているのが、東京都内のJR錦きん糸し町ちょう駅から徒歩3分の「ハローワーク墨田」5階にある「就労支援機器貸出・相談窓口」だ。展示コーナーには、拡大読書器や点字ディスプレイ、デジタル補聴支援機器、パーテーション、イヤーマフなどが並んでいる。 正田さんは、訪れる企業担当者に対し、おもに二つのアドバイスをしているという。一つは、無料貸出期間に、可能なかぎり多くの機器を試すことだ。「拡大読書器でもいろいろなタイプがあるので、本人の障害の程度や業務での使い方などを考慮しながら選ぶことが大事です」と、正田さんは話す。 もう一つが、就労支援機器が必要かどうかを本人任せにしないことだ。正田さんは、「当事者だけに考えさせてしまうと、やっぱり『余計な迷惑をかけてはいけない』と遠慮しますよね。会社側から積極的に声がけをして、何がよいのか一緒に検討して、一緒になって職場で使ってみることです。周囲も就労支援機器の使い方のコツやよさがわかれば、職域拡大にもつながります」と教えてくれた。大きな目的は、自身の成長のきっかけにしてもらうことです」と断言する。どんな結果でも、大会に向けて努力したことが糧になり、出場の経験が自信になるからだ。アビリンピック以外にも、JEED主催の絵画コンテスト(※5)への応募や全国障害者スポーツ大会にも積極的に出場をうながし、奨励賞を受賞したり強化選手に選ばれたりしている。 そして年末には、従業員が自身の母校や就労移行支援事業所に、営業としてカレンダーを持って挨拶に行き、成長ぶりをみてもらうのだそうだ。「いろいろな人に応援してもらっていることを忘れないでいてほしい。そういう人とのつながりは、できるだけ多くあってほしいと思っています」(片岡さん) ウィルアクトでは、就労支援機器の活用を機に、一人ひとりが能力を十分に発揮できるようになり、自信をつけたことで、さらに成長し、職場全体のボトムアップや業務拡大につながっている。さまざまな工夫と挑戦が奏功し、予想以上の効果を出していることが、従業員のみなさんの姿からうかがえた。片岡さんは「いまやウィルアクトは、西鉄グループにとって、なくてはならない会社になってきたと感じています。今後もいろいろな業務を開拓し、みんなで一緒に実績を伸ばしていくつもりです」と意欲をみせてくれた。★「就労支援機器貸出・相談窓口」については、JEEDホームページをご覧ください。https://www.jeed.go.jp/disability/employer/employer05.html※5今号の裏表紙でご紹介しています。ぜひご覧ください。JEED「就労支援機器貸出・相談窓口」生活情報誌のポスティング業務を行うウィルアクトの従業員(写真提供:西鉄ウィルアクト株式会社)過去に行われた就労支援機器地方説明会の様子(写真提供:JEED就労支援機器貸出・相談窓口)JEED就労支援機器貸出・相談窓口では、さまざまな就労支援機器の展示や貸出しが行われている9
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