働く広場2026年3月号
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の接点を創出することも重要です。お給料をもらうことは大事ですが、それだけでは長くは続きません。自分の仕事が社会の何に役立っているのかがわかると、人はぐっと前向きになります。障害があるかどうかに関係なく、『どこに行っても通用する人材』を輩出できるようなキャリア支援をしていきたいですね。~おわりに~(松爲委員) お二人のお話を通じて強く感じたのは、「持続可能な障害者雇用」とは、特別な制度や立派なスローガンだけで成り立つものではなく、日々の現場での対話と試行錯誤の積重ねによってつくられていくものである、ということです。 川田製作所では、聴覚障害のある社員とともに働いてきた長い歴史のうえに、発達障害のある佐々木さんの採用と育成が位置づけられていました。発達障害という目に見えにくい特性に対して、社内勉強会やNGワードの共有を通じて理解を深め、〝困りごと〟を言語化できる環境を整えていく。そのプロセスは、決して「障害者のためだけ」のものではなく、すべての社員にとって働きやすい職場づくりにもつながっています。 一方、栄和産業では、インドシナ難民の受け入れから始まった外国人雇用が、やがて障害者や女性、高齢者へと広がり、自然とダイバーシティ経営へと発展していきました。特別支援学校等との実習を通じて、企業側も〝障害のある若者たち〟から多くを学び、「自己肯定感を高める場」としての企業の役割を見出していった過程は、非常に示唆に富んでいます。 両社ともに共通しているのは、障害のあるなしを問わず、「一人の人間として、どのように戦力として育てていくか」を真剣に考えている点です。そのために、トライアル雇用で条件を明確にしたり、チェックリストや作業手順書によって業務を見える化したり、デジタルツールを活用して曖昧な指示を減らしたりと、さまざまな工夫を重ねておられます。 同時に、お二人とも「いずれは、法定雇用率という枠組みに頼らなくても、多様な人びとがあたり前のように働き、キャリアを築いていける社会を目ざすべきだ」と語られていました。そのためには、企業が自らのパーパスを明確にし、一人ひとりの働きがいと生きがいを支える場としての役割を再定義していく必要があると実感しました。 このたび、第1部・第2部とお届けした座談会が、障害のある人を雇う、雇われるという関係を超えて、「同じ職場で働く仲間として、どうすればお互いの困りごとを補い合い、強みを引き出し合えるのか」を考えるきっかけになれば幸いです。 そして、川田製作所と栄和産業で育まれてきたダイバーシティ経営の実践が、多くの企業にとって現実的なヒントとなり、日本の障害者雇用のこれからを形づくる一助となることを願っています。6.ダイバーシティ経営をどう進化させていくのか?松爲 最後に、これからの課題と展望についてお聞きします。ダイバーシティ経営をさらに進めていくうえで、どのような点が重要になるとお考えでしょうか。川田 私は、会社のパーパスを、より明確に言語化していくことが大切だと感じています。単に「売上げや利益を追求する集団」ではなく、「多様な人が自分の力を発揮しながら社会に貢献する場」であることを、社員と共有していく必要があります。パーパスが共有されていれば、障害者雇用も単なる数合わせではなく、〝会社の理念を具体化する一つの形〟として位置づけられると思います。伊藤 ダイバーシティ経営は自社だけで完結するのではなく、他社や地域とつながりながら、取組みの輪を広げていくことも、これからの企業の役割だと感じています。 また、〝働きがい〟と〝生きがい〟働く広場 2026.325

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