働く広場2026年3月号
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で集中できない、落ち着かない」という従業員が何人かいた。そこでノイズキャンセリングヘッドフォンやイヤーマフを数台購入。しかし、音だけでなく視覚過敏の人もいる。そこで工作の得意な指導員が、100円ショップで買った材料を使い、就労支援機器を改造することにした。 まずは、イヤーマフの両サイドに黒塗りした「うちわ」を取りつけてみた。柄の部分もきれいに曲げて、帽子のようにかぶれば、視界は目の前に限られる仕組みだ。「視界だけが気になる」という人のためには、レンズを外した眼鏡の両サイドに、厚紙を切って装着させた。顔に触れる面はやわらかいフェルト生地を貼りつけるなど手の込んだつくりで、「プライベートでも使いたい」との声が上がるほど好評だ。 さらに秀逸なのは、手づくりパーテーションである。段ボール製で、サイズは高さ80㎝、幅75㎝、奥行55㎝と、一般の既製品よりもかなり大きい。いくつかみせてもらったうちの一つは、前方の一部が両開き式の扉になるよう切り抜かれている。建物の窓側に向かって設置することで、扉を開けばいつでも外の風景がみえる仕掛けだ。 もう一つは「ときおり、斜め後ろの視界も気になる」という人のために、両側の壁部分にスライド式の段ボール板をつけ、好きな幅だけ引き出すことができるようにした。このほか、壁部分が本人の好きなキャラクターの写真やイラストで飾られたものもある。「本人たちが少しでも平常心で仕事に集中できるよう、指導員たちが工夫を重ねてくれました」と片岡さん。 以前、職場を訪問した正田さんもこの手づくりパーテーションに驚き、好事例として紹介している。「人によって特性や症状が違いますから、その人が落ち着けるような環境を一緒に考え、既製品がなければ手づくりしているところがすばらしいと思いました」(正田さん) 職場にはほかにも手づくりした便利なものがあった。空き箱を一部切り取ってパソコン台のように使うが、「入力資料などを台の下に入れると、目線をあまり動かさず正確に入力しやすいのです」(片岡さん)。パソコン作業中に姿勢が悪くなる人向けに考案したものだが、いまはだれもが自由に使っているという。 ウィルアクトは2025年6月、福岡市内の別のビルに職場を移転し、フロアは3倍ほどに広くなった。片岡さんが予想外だったのは、これを機に、手づくりパーテーションを必要とする人がいなくなっ必要なくなったパーテーション視覚過敏の人のためにつくった手づくりの支援機器。イヤーマフに「うちわ」を取りつけた機器(左)と眼鏡の両サイドに厚紙を装着させた機器(右)段ボール製手づくりパーテーションの使用例を再現していただいた気分転換用の小窓を備えたパーテーション。右側が開いた状態。閉じた左側には風景写真が貼りつけられているスライド式のパーテーション。壁部分がスライドし、斜め後ろの視界もカバーするノートパソコンの空き箱を活用したパソコン台。作業しやすい高さとなり、資料もみやすい働く広場 2026.37

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