働く広場2026年4月号
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『この書類、早く確認してください』などと直接せっつかれるようになりました。たまに漫才みたいなやりとりもしています」と冗談交じりに説明する。藤田さんは「加藤さんという信頼できる上司のもとで、自分の仕事に自信が持てるようになったことが大きいと思います」と教えてくれた。 山下さんの今後の目標は「勤務時間をフルタイムまで延ばすこと」だという。現在は10時から17時までだが、繁忙期などには少し残業することもあり、少しずつ慣れていきたいそうだ。さらに「後輩に仕事を教えていきながら、自分もほかの業務ができるようになっていけたらいいですね」と笑顔を見せていた。 2022年に入社した森もり本もと涼りょう太たさん(36歳)も、ITカレッジに通っていた1人だ。関東の大学院で法律を学んでいた森本さんは、高校生のころから時おり悩んでいた幻聴などの症状が悪化。一人暮らしの部屋から出られなくなっていたのを心配した親が迎えに来てくれ、その後、病院で統合失調症と診断された。大学院を中退し、薬を飲みながら3年間近く自宅療養をしていたところ、ITカレッジ大学院中退から一念発起のことを知った父親からのすすめもあり、一念発起して通うことにしたという。 藤田さんによると「最初のころは通ってくるだけで精一杯という印象で、意思疎通もうまくとれなかったのですが、どんどん快活になって、訓練も順調に進められるようになりました」とのことだ。森本さんも当時をふり返る。 「薬の服用で症状が落ち着いてきたと同時に、スタッフさんとの会話や利用者同士の交流で、自分なりに気持ちが上向いていきました」 森本さんも就労経験がなかったことから、3カ月間の委託訓練時は10時~15時の勤務時間でスタートしたが、いまでは10時~17時まで延びている。職場では山下さんの隣に座り、一緒に各店舗の給与関連の入力作業を担当している。「山下さんにはていねいに仕事を教えてもらい、いまは協力して仕事をこなせています」という。一方でこれまで苦労したのは、店舗からの月ごとの申請で不備があったときの対応だったそうだ。 「私たちは電話対応をしていないので、申請内容の不備や催促などはメールで行います。最初は、文書につける修正依頼のコメントなども含め、いかに的確に手短に伝えるかに悩みました。山下さんや加藤さんとも相談しながら、スムーズなやりとりができるようになりました」 半年ほど前からは、月締め後の集計と資料のとりまとめ作業も任されるようになった。それまで担当していた上司が、森本さんに引き継ぐための専用マニュアルも作成してくれたという。「おかげで月末は数日、休日出勤をすることもありますが、もう慣れました」と森本さん。 ここまで順調に働いてこられたことについて森本さんは「周りの人に恵まれていると思います。加藤さんたちには仕事以外でも、『ご飯ちゃんと食べているか』などと声をかけてもらい、見守られているという安心感があります」。現在も3週間に1回通院しているが、主治医からは「症状が安定していてよいね」と激励されているそうだ。今後について聞くと「この会社で長く働きたいですし、勤務時間もフルタイムまで延ばしたいですね。他部署などの新しい業務も挑戦していけたらと考えています」と意欲的に語っていた。 グリーンズでは、特に精神障がいのある従業員については、年間を通じた体調の波を本社側で見守る体制もつくった。「精神障がいのある従業員は、天候や気温の変化で体調を崩すことが少なくあり年間を通じた見守り体制もグリーンズ本社で働く森本涼太さん店舗から送られてきた書類の入力をする森本さん働く広場 2026.48

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