社・関係会社とOSMが「両輪」で雇用を進めています。2017(平成29)〜2018年ごろには雇用率の転換期があり、法定雇用率を上回る水準を目ざしてきました。一方、2021〜2024年は大型改装工事の影響で清掃事業が縮小し、人員の伸びは横ばいになりました。加えて年齢分布が上がり、体調や意欲、認知機能などの課題も見え始めています。だからこそ私は、インクルージョンを単なる制度ではなく、組織の土台として育て、だれもがベストな状態でパフォーマンスを発揮できる「健やかな組織文化」に結びつけたいと考えています。まずはOSMでの相互理解の促進から グループ全体の土壌づくりを目ざす 私が大切にしているのは、当社だけで完結しない「土壌づくり」です。インクルージョンが根づくには、グループ全体が共通言語を持ち、心理的安全性や称賛が働く環境が必要です。オリンパスグループでは、ファミリーデーのような啓発イベントを開催し、車いす体験や妊婦体験、ボッチャ、各国料理やゲームなどを通じて、多様性を「体験として理解する」場をつくっています。こうした小さな交流が、自然な共感や会話を生み、職場の空気をやわらかくしてくれます。 さらに管理職向けには、インクルージョン・ワークショップを国内外で実施し、国内では約700名が参加しました。内容は「インクルージョンを自分事としてとらえる」、「アンコンシャスバイアスに気づく」、「心理的安全性を高めるリーダー行動を考える」といった、現場のマネ 当機構(JEED)では、毎年、職業リハビリテーションに関する研究成果を周知するとともに、参加者相互の意見交換、経験交流を生み出すための場として、「職業リハビリテーション研究・実践発表会」を開催しています。第33回となる2025(令和7)年度は、当日の「会場参加」のほか、「特別講演」、「パネルディスカッションⅠ・Ⅱ」などの開催模様について、収録した動画を障害者職業総合センター(NIVR)ホームページに掲載しています(※1)。また、その内容を広く発信するために、同ホームページで発表資料などの掲載も行っています。ここでは、オリンパスサポートメイト株式会社代表取締役社長龍たつ田た久く美み氏の特別講演をダイジェストでご紹介します。インクルージョンを基盤に 「健やかな組織文化」をつくる 本日は、私どもオリンパスサポートメイト(以下、「OSM」)の取組みをお話しします。まずOSMは世界的な医療機器メーカーであるオリンパスグループの特例子会社として、同グループの存在意義である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」に向けた活動をしています。グループ全体の経営戦略上の重要課題として「インクルージョン推進」、「健やかな組織文化」、「ESG」が位置づけられ、日本統括役員(COI)が推進をリードしています。こうした全社方針のなかで、OSMは障がいのある社員一人ひとりが、喜びを感じながら成長し、能力を発揮できる職場を提供することをミッションに掲げています。 当社は設立16年で、青森、東京、長野など6拠点に展開し、従業員は198名、うち障がいのある社員が144名(2025年8月1日現在)で、全員が正社員です。オリンパスグループは特例子会社だけに任せるのではなく、親会◇お問合せ先 研究企画部企画調整室(TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp)龍田久美氏★本誌では通常「障害」と表記しますが、発表資料の表記を尊重し「障がい」としています※1下記のホームページにて、本特別講演の動画や発表資料等をご覧いただけます。https://www.nivr.jeed.go.jp/vr/33kaisai.htmlオリンパスサポートメイト株式会社 代表取締役社長龍田久美氏第33回 職業リハビリテーション研究・実践発表会 Part1特別講演「誰もが力を発揮できる職場づくり ~一人ひとりが生き生きと成長し、能力を発揮できる組織へ~」28
元のページ ../index.html#30