グラビア 銀行業務を支える 株式会社鳥取銀行(鳥取県) 取材先データ 株式会社鳥取銀行 〒680-8686 鳥取県鳥取市永楽温泉町(えいらくおんせんちょう)171 TEL 0857-22-8181 写真・文:官野貴  鳥取県鳥取市に本店を置く「株式会社鳥取銀行」では、身体障がい、知的障がい、精神障がいのある22人の従業員が、多岐にわたる分野で銀行業務を支えている。同行では、障がいのある従業員への上司による声かけや人事部による面談など、一人ひとりに合わせたサポートを行っており、職場定着率も高い。また、支援機関から講師を招き、一般の従業員に向けて障がい特性、配慮事項の研修などを行っている。これらの取組みが評価され、2022(令和4)年には、「障害者雇用優良事業所」として、鳥取県知事表彰を受けた。  本店では4人の障がいのある従業員が働いており、知的障がいのある丸中(まるなか)悠司(ゆうじ)さんもその1人。入社11年目の丸中さんは、「人事部」において配布物の袋詰めや、郵便物へのシール貼り、シュレッダー作業などを担当している。シュレッダーの作業では、投入する紙の量に注意しながらていねいに作業を進める。その仕事ぶりから上司や同僚からの信頼も厚い。丸中さんは「ここは働きやすい職場です。これからも長く働き続けたいです」と笑顔で話してくれた。  また、銀行のバックオフィス業務をになう「事務統括部業務サポート室」では、17人の障がいのある従業員が活躍している。印刷室では、先輩従業員が印刷機の操作方法などを説明したマニュアルをつくり、後輩の指導にあたっている。社内便の部門では、店舗で使用する1000種類超のさまざまな伝票を棚からピッキングし、発送の準備を整える。そのほか、利息の計算や顧客情報の管理、書類の電子化など、銀行業務の各部門において障がいのある従業員が欠かせない存在となっている。同行は、今後も積極的に障がい者雇用を進め、多部署での活躍を目ざし職域の拡大を図る予定だ。 ★本誌では通常「障害」と表記しますが、株式会社鳥取銀行様のご意向により「障がい」としています 写真のキャプション 「郵便物へのシール貼り」。当日中になど、急ぎの依頼にも柔軟に対応 「配布物の袋詰め」をする丸中悠司さん。内容物の入れ忘れ、袋の表裏に注意しながら作業を進める シュレッダー不要の配布物やクリップなどを取り除きながら、「シュレッダー作業」にあたる 社内や顧客へ配布する「資料の印刷」。事務統括部業務サポート室では、担当する業務をローテーションし、急な欠勤などにも対応できる体制をつくっている 印刷部数ごとに色違いの蛍光ペンでマーキングし、ミスを防ぐ 障がいのある従業員が作成したマニュアルの一部 「伝票のピッキング」。この作業が止まると銀行業務に支障が出てしまうほど重要な業務だ 「印刷物の発送準備」。部数の確認を行う 「社内メール便の仕分け」 「本人確認書類の電子化」 「保管書類の確認」 「審査部門での利息の計算」 「小切手帳の作成」。顧客が直接手にするため、美しい仕上がりが求められる。完成品(右上)は、角がきれいに整っている