ミニコラム 第41回 編集委員のひとこと ※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は金井委員が執筆しています。  ご一読ください。 逆境のなかでも活躍する海外のパラリンピック選手  トヨタループス株式会社 管理部次長 金井渉  この記事を書いたのは2024(令和6)年9月、パリパラリンピック(以下、「パリパラ」)が終わって間もない時期である。  パリパラではパリオリンピック同様に日本人選手の活躍が目覚ましく41個のメダルを獲得した。  国別では1位から順に中国、イギリス、アメリカ合衆国、オラン ダ、ブラジル、イタリアと続く。  やはりスポーツが盛んな国や大国が多いが、7位に入った国名 を見たときは驚いた。  ウクライナである。メダル数は日本の2倍、82個だ。  戦争により避難を余儀なくされたり、練習もままならない状況だったりと、過酷な状況のなかでなんとか競技を続け、パリパラに臨んだ選手が多くいたとのこと。  それでもこれだけのメダルを獲得したのは、選手の多くが「自分たちができることを精一杯する。そして母国で苦しんでいる人たちを勇気づけたい」という気持ちがあったからだという。  障がいによるハンディを持ち、さらに戦時下のなかで辛い思いをしているにもかかわらず、自分以外のだれかのために全力で取り組む。  そういったことを見聞きすると「自分のふだんの悩みなど大したことないな」という思いに至る。気持ちが楽に、そして前向きになれる。  きっと同じような経験をされた方は多いだろう。  障がいがあり、悩みを抱える方と接するとき、自分の身の回りばかりに気が向いていたように感じることがある。  視野を広げて、自分たちが平和で安全な日本で暮らせていることの喜びを気づかせてあげていければ、と思う。 ★本誌では通常「障害」と表記しますが、金井委員の意向により「障がい」としています