ニュースファイル 国の動き 厚生労働省 令和7年度「現代の名工」を発表  厚生労働省は、2025(令和7)年度の卓越した技能者(通称「現代の名工」)について表彰対象者142人を発表した。このうち障害がある技能者部門では、歯科技工士の三津橋(みつはし)幸勇(ゆきお)さん(62歳、北海道、和田精密歯研株式会社)とコーヒー豆焙煎工の橋本(はしもと)和也(かずや)さん(45歳、兵庫県、カフェ ラヴニール)の2人が選出された。  聴覚障害のある三津橋さんは、筆談や視覚的なコミュニケーションを工夫し、前装冠(ぜんそうかん)製作において顔貌(がんぼう)に調和する形態調整や色調再現に卓越した技術を有する。2020年の第40回全国アビリンピックでは歯科技工種目で金賞を受賞。技工所などでの経験を活かし、自然な色調再現や咬合を考慮した補綴物(ほてつぶつ)の製作により、機能性と審美性を両立し、患者ごとの細かな要望に応える技術力を発揮している。また臨床を通じ、技術を若手技工士に伝承している。  橋本さんは、ADHDの特性である鋭敏な五感のうち、特に聴覚を駆使したコーヒー焙煎技能を有する。焙煎機内で豆が回転する音や焙煎終盤に豆がはじける音の長短や高低から、火の通りや水分の抜け具合を判断し、生豆の特性に応じた最適な焙煎を行っている。また学校教育現場を中心に後進の育成にたずさわっている。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_65373.html 地方の動き 埼玉 令和7年度「塙(はなわ)保己一(ほきいち)賞」受賞者を発表  埼玉県は、顕著な活躍をしている障害のある人や障害のある人のために貢献している人・団体を表彰する、「第19回(令和7年度)塙保己一賞」の受賞者3人を発表した。塙保己一は、江戸時代に活躍した全盲の学者で、現在の本庄市(ほんじょうし)出身。  大賞に選ばれたのは、文化人類学研究者で視覚障害1級の広瀬(ひろせ)浩二郎(こうじろう)さん(58歳)。国立民族学博物館の人類基礎理論研究部教授として日本の宗教史や民俗学、障害者文化論を研究。博物館でさまざまな模型・実物資料に触れる体験「触文化」提唱の第一人者としてユニバーサルミュージアムを積極的に発信している。2023(令和5)年には文化庁長官表彰受賞。  奨励賞には視覚障害2級で網膜色素変性症の森(もり)仁志(ひとし)さん(35歳)が選出された。ふだんは薬剤師として働き、白杖を持つブレイキンダンサーとしても活躍。学校のワークショップなどでダンスの魅力を伝え、障害への理解を進めている。  貢献賞に選ばれた加藤(かとう)俊和(としかず)さん(80歳)は、高校生のころから点訳ボランティアを始め、その後は盲学校の生徒向けに点字楽譜レイアウトを考案したほか、「内方線付ホーム端点字ブロック」を考案して歩行環境整備に取り組むなど、多方面で視覚障害者を支援してきた。2023年に第31回ヘレンケラー・サリバン賞受賞。 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0604/hanawa/ 生活情報 全国 「日弁連の障害年金に関する取組」動画公開  日本弁護士連合会(日弁連)(東京都)は、日弁連の障害年金に関する取組みを紹介する動画(手話通訳あり)をYouTubeで公開した。障害年金が受け取れる条件などについてクイズ形式で解説し、障害年金の基礎知識をはじめ、弁護士が障害年金の分野で果たせる役割や、日弁連の取組みについて紹介している。また日弁連ウェブサイトでは、「高齢者・障がい者に関するQ&A集」や、全国各地の高齢者・障害者に関する法律相談窓口も掲載している。 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/search/other/guardian.html 神奈川 全交番で「手話リンク」運用  神奈川県警は、県内すべての交番や駐在所で、手話通訳オペレーターを介して警察署員と会話ができるサービス「手話リンク」の運用を2025(令和7)年11月から始めた。警察庁が全国の都道府県警に導入を求める通達を出しており、神奈川県警が全国に先駆ける形となった。  「手話リンク」は、聴覚障害のある人が交番などを訪れた際に勤務員が不在の場合、現場に掲示されている二次元コードをスマートフォンなどで読み込むことで、手話通訳オペレーターを通じ、管轄警察署の職員と会話することができるシステム。事前登録や通話料は不要。サービスは、一般財団法人日本財団電話リレーサービス(東京都)が提供している。 https://www.police.pref.kanagawa.jp/kurashi/koban_chuzai/mesg0030.html 本紹介 『特別支援教育×情報活用能力 知的障害教育におけるICTプログラミング デジタル・シティズンシップの展開』  富山大学教育学部附属特別支援学校の教員らが先進的に取り組んできた情報活用能力を育てるための教育実践をまとめた『特別支援教育×情報活用能力 知的障害教育におけるICT プログラミング デジタル・シティズンシップの展開』(ジアース教育新社刊)が出版された。島根県立大学の水内(みずうち)豊和(とよかず)准教授、山口県立大学の山ア(やまざき)智仁(ともひと)講師による編著で、同校の小こ林ばやし真まこと校長が監修した。  本書は、知的障害のある子どもたちの「情報活用能力」のとらえ方を学習指導要領の内容をふまえて説明し、授業を通した実践内容を紹介。小学部から高等部までの「ICT活用」、「プログラミング教育」、「デジタル・シティズンシップ教育」について、各教科や日常生活の指導などのさまざまな場面でどのように展開したのか、使用したツールも含めて具体的に解説。特別支援教育における授業のほか、一般の支援プログラムなどにも役立つヒントを紹介している。B5判128ページ、2420円(税込)。 「心の病」がみえる脳科学講義〜精神疾患・発達障害を持つ人の頭の中で何が起きているのか』  順天堂大学医学部教授で精神科医の加藤(かとう)忠史(ただふみ)さんが、『「心の病」がみえる脳科学講義〜精神疾患・発達障害を持つ人の頭の中で何が起きているのか』(翔泳社刊)を出版した。脳科学的な視点から、複雑な脳の仕組みをわかりやすく説明し、発達障害やうつ病、双極症などの最新研究や、最前線の診断・治療について紹介。研究現場でのエピソードや精神科の診断、薬の歴史にまつわる話も交えながら、精神疾患研究の現在地を解説する。四六判412ページ、2640円(税込)。 アビリンピック マスコットキャラクター アビリス 2025年度地方アビリンピック開催予定 2026年1月末〜2月 東京都、京都府、香川県 *開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります * は開催終了 地方アビリンピック 検索 ※日程や会場については、変更となる場合があります。 ※2025年10月17日(金)〜10月19日(日)に、愛知県で開催された第45回全国アビリンピックについて、今号で特集しています。ぜひご覧ください。 地図文字 東京都 京都府 香川県 ご案内 障害者雇用の月刊誌「働く広場」がデジタルブックでいつでもお読みいただけます!  本誌はJEEDホームページで、デジタルブックとしても公開しており、いつでも無料でお読みいただけます。  また、最新号は毎月5日ごろにJEEDホームページに掲載されます。掲載をお知らせするメール配信サービスもございますのであわせてご利用ください。 https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html JEED 働く広場 検索 自由に拡大できて便利! 読みたいページにすぐ飛べる! ※2021(令和3)年4月号〜最新号まで掲載しています