グラビア キャリアアップや働きやすい環境づくりで安定雇用を目ざす TBソーテック九州株式会社(佐賀県) 取材先データ TBソーテック九州株式会社 〒849-3217 佐賀県唐津市(からつし)相知町(おうちちょう)長部田(ながへた)1076-5 TEL 0955-62-3722 FAX 0955-51-8113 写真・文:官野 貴  佐賀県唐津市(からつし)にあるTBソーテック九州株式会社は、トヨタ紡織(ぼうしょく)九州(きゅうしゅう)株式会社の子会社で、トヨタ自動車九州株式会社で生産される高級乗用車の座席用のシートカバーを製造している。  トヨタ紡織グループ共通の管理指標に基づく「よい商品をお客さまに届けるため、完璧な製品しか世に出さない」という信念のもと、高い品質が求められる製品の製造工程において障害のある従業員が活躍している。  「ヒーター工程」で働く岡(おか)風花(ふうか)さん(20歳)もその一人。タックガンと呼ばれる工具を使い、シートカバーにヒーターを取りつける工程を担当している。入社2年目の岡さんはスキルアップを目ざし、ミシンを使う「縫製工程」にチャレンジ中だ。岡さんは、「縫製に興味がありました。きれいに縫えてうれしいです」と教えてくれた。  入社10年目の毛利(もうり)千尋(ちひろ)さん(28歳)は、協力会社で製造されたパーツの「開梱」やベルトの「貼付工程」など、複数の工程を担当している。入社後、スキルアップを重ねながら、期間社員、準社員、正社員とキャリアを積んできた。毛利さんは、「正社員になって、やれることも増え自信がつきました。今後もがんばりたいです」と話す。  入社5年目の竹下(たけした)晃平(こうへい)さん(27歳)は、準社員として働き、正社員を目ざしてスキルアップを重ねている。現在は、エンボスパネルの「穴あけ工程」を担当しつつ、裁断されたパーツの「ピックアップ」にもチャレンジ中だ。竹下さんは、「仕事は楽しいです。正社員を目ざしてがんばっています」と、今後の目標を語ってくれた。  同社は、障害のある従業員のキャリアアップをはじめ、写真などで作業手順をわかりやすく説明したマニュアルの作成、トラブルなど困った際に上司を呼び出すボタンの整備といった、働きやすい環境づくりが評価され、2025(令和7)年度に、「障害者雇用優良事業所」として佐賀県知事表彰を受けた。今後も安定雇用に向けた取組みを続けていく予定だという。 写真のキャプション シートカバーにヒーターを取りつける岡風花さん 指定された箇所にタックガンでタックピンを通し、パーツを固定する 作業に使用するタックガン(右)と作業した数をカウントする数取器(左) 岡さんは「縫製工程」にチャレンジしており、指導を受けながらミシンの練習をしている 練習用のパーツを縫いあわせる。まずは基本の直線縫いの練習から 輸送用の段ボールからパーツを取り出す「開梱」にあたる毛利千尋 開梱では、次の工程で作業しやすいように、パーツをボックスに収めることが求められる 毛利さんはアームレストに取りつけるベルトの「貼付工程」も担当している 「貼付工程」で使用する治具には、良品と不良品のサンプルが取りつけられており、作業内容がわかりやすい。右手側には呼び出し用のボタンも見える ベルトの表面生地に芯材などを挟み込み、目印にあわせて貼りつけていく。ユーザーの手が触れる部分でもあり、ていねいに作業を進める 竹下晃平さんは、裁断機で切り出されたパーツの「ピックアップ」にチャレンジ中。不良品のチェックも怠らない ピックアップしたパーツを裁断品置場の棚に格納する。似た形状のパーツが多いため注意が必要だ エンボスパネルと呼ばれるパーツに、次の工程で使用する位置あわせ用の穴をあける「穴あけ工程」。ズレがあると品質に影響があるため慎重に作業する エンボスパネルの「穴あけ工程」にあたる竹下さん。慎重ながらもスピーディーに、そしてリズミカルに作業を進めていく