特別企画 企業のみなさまにおすすめするマニュアルのご紹介 〜法定雇用率の引上げや「雇用の質」の向上に向けて〜 障害者職業総合センター 研究部門  障害者雇用をめぐっては、2022(令和4)年に改正された障害者雇用促進法が順次施行され、法定雇用率が段階的に引き上げられるとともに、2025年4月から除外率が10ポイント引き下げられる予定です。企業のみなさまにおいては、障害者雇用のよりいっそうの推進とあわせて、多様な就労ニーズへの対応や、雇用の質の向上に向けた取組みの充実が求められています。  このような状況のなかで、障害者職業総合センター研究部門では、研究成果を活用して、障害者の雇用管理に役立つ各種マニュアルを作成し、事業主や支援機関等のみなさまに対して無料で提供をしております。今回は、最新の研究成果を基に2024年に刊行したマニュアル等や、2021年に刊行した除外率設定業種における障害者雇用事例集をご紹介します。  ご紹介する各マニュアルは、障害者職業総合センター(NIVR)ホームページよりダウンロードが可能です。  また、在庫のあるものについては、無料※でご提供可能ですので、ご希望の方は右記お問合せ先までご連絡ください。 ※部数によっては送料をご負担いただく場合がございます。 お問合せ先 障害者職業総合センター 研究企画部企画調整室 電話:043-297-9067 メール:kikakubu@jeed.go.jp @障害者の職務設定、職務創出・再設計のためのデータブック(2024年刊行) キーワード  職務の切り出し、職務設定、職務創出、職務再設計、職域拡大 概要  1万5000事業所を対象に実施したアンケート調査に協力を得られた2734事業所からの回答結果に基づき、障害者の従事する具体的な職務内容を251の「課業等」に分類・整理して、産業別および障害種別に集計を行ったデータブックです。 活用のポイント ・事業所や支援機関において、障害者の職務設定、職務創出・再設計について検討する際の参考として活用できます。 ・障害者のスキルアップのための職域拡大の検討やキャリア形成の促進など、障害特性や希望に応じて能力や適性を発揮し活躍できるようにする「雇用の質」向上の取組みの参考として活用できます。 ★データブックの効果的な活用に向けて (1)課業等の「件数」の視点  本データブックでは、障害者が従事する課業等として件数の多いものをリストアップしています。このため、件数の多い課業等は、「多くの事業所、部署、障害者で同様の例がある」と考えられ、モデルが多いことから、職務設定、職務創出・再設計の参考となり得るものと思われます。 (2)課業等の「種類」の視点  本データブックでは、251の多種・多様な課業等のうち、全体の上位100種、障害種別および産業別の上位30種、障害種別×産業別でのクロス集計結果の上位10種をリストアップしています。このため、産業別や障害種別の枠を超えて、障害者が従事している課業等としてどのようなものがあるか、これまで検討していなかった視点から職務創出等の新たな可能性を横断的に探る一助にもなり得ると考えます。 (3)本データブック活用にあたっての留意点  本データブックは、障害者が具体的にどのような職務に従事する機会があるかを示している一方で、各職務の頻度、時間数、労力の割合等をどのように組み合わせて障害者の職務を構築しているかまでは把握しておらず、回答をいただいた障害者がたずさわる(たずさわっていた)具体的な職務内容に従事する障害者の人数は、各事業所で異なります。  また、障害者の従事する職務内容を整理した各課業等の件数についても、課業等としての望ましさや適切さに比例するものではなく、件数が少ない課業等であっても、障害者が持てる力を存分に発揮している可能性も十分考えられます。  このように、本データブックの内容は、あくまで障害者がどのような課業等にたずさわる機会があるかを例示したものであることにご留意のうえ、ご活用ください。 関連する研究成果  調査研究報告書176「障害者の雇用の実態等に関する調査研究」(※1) ※1 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku176.html 「障害者の職務設定、職務創出・再設計のためのデータブック」は、下記ホームページからご覧ください。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai81.html 障害者が従事する課業等(上位100種) Aデジタル技術を活用した障害者の業務の状況と具体例(2024年刊行) キーワード  デジタル技術、障害者の業務、障害者の職域変化、障害者雇用、デジタル化の推進 概要  デジタル化の進展にともなう今後の障害者雇用への影響について、企業を対象としたアンケート調査によると、約4割の企業がプラスの影響があると考えていることがわかりました。障害のある社員の業務におけるデジタル化の影響として、企業は、障害者の業務の効率性・正確性が向上した、障害者が従事できる業務の種類・量が増加した、などのメリットを感じていることがわかっています。  本リーフレットでは、サービス業、製造業、医療・福祉、小売業などの幅広い業種における、デジタル技術を活用した8種類の業務の内容を紹介しています。 活用のポイント ・企業において、@デジタル技術を活用した仕事を障害者の新たな職域として検討する、Aデジタル技術を活用した職業能力の開発・向上を図るなど、障害特性や希望に応じて能力や適性を発揮し活躍できるようにする「雇用の質」向上の取組みの参考として活用できます。 ・障害者の就労支援機関において、求職活動支援や事業主支援の参考として活用できます。 関連する研究成果  調査研究報告書177「AI等の技術進展に伴う障害者の職域変化等に関する調査研究」(※2) ※2 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku177.html 「デジタル技術を活用した障害者の業務の状況と具体例」は、下記ホームページからご覧ください。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai82.html デジタル技術を活用した8種類の業務内容 B除外率設定業種における障害者雇用事例集(2021年刊行) キーワード  障害者雇用率制度における除外率、職場での工夫・配慮、除外率設定業種、障害者雇用事例 概要  本事例集には、以下の特徴があります。 ・除外率設定業種の医療、保健、建設、道路貨物運送、道路旅客運送、警備の6業種(7企業)の事例を紹介しています。 ・見開き2ページで1企業を紹介し、キーワードと要約を冒頭に示すことで、ポイントがわかりやすく把握できるよう心がけました。 ・写真もできるかぎり掲載し、職場の様子が伝わるようにしました。 ・それぞれの企業について、企業・事業所の概要、障害者雇用の実情、そして具体的な障害者の雇用事例を可能なかぎり紹介しています。 ・各職場で行われている工夫や配慮について、とくに詳しく紹介しています。 活用のポイント ・一般に就業が困難とされる業種であっても、事業主の配慮を受けながら、多様な障害のある方々が活躍していることを理解できます。事業主、支援者、障害当事者など、多くの方に参考にしていただけます。 関連する研究成果  調査研究報告書158「除外率制度の対象業種における障害者雇用に関する実態調査」(※3) 留意事項  除外率は2025(令和7)年4月に10ポイント引き下げられる予定です。本事例集掲載の除外率および法定雇用率は2021年時点のものであることにご留意ください。 ※3 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku158.html 「除外率設定業種における障害者雇用事例集」は、下記ホームページからご覧ください。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai72.html 建設業の雇用事例(情報は2021年3月時点)