グラビア 毎日やりがい感じる。働けることがうれしい 株式会社ワイビーエム(佐賀県) 取材先データ 株式会社ワイビーエム 〒847-0031 佐賀県唐津(からつ)市原1534 TEL 0955-77-1121 FAX 0955-70-6010 写真・文:官野 貴  佐賀県唐津(からつ)市に本社を置く「株式会社ワイビーエム」(以下、「ワイビーエム」)は、建設や土木などの分野において使用される地盤改良機やボーリングマシンなどの製造を手がける機械メーカーだ。社会貢献の一環として障害者雇用にも積極的に取り組んでおり、現在5人の障害のある社員(精神障害4人、知的障害1人)が、製造や検査、清掃の分野において活躍している。  入社7年目で精神障害のある宗(たかむね)拓実(たくみ)さん(33歳)もその一人で、製造部の岸山第1工場に所属し、機械部品などの材料となる鋼材の切り出し作業を担当している。これは、製造工程のスタートラインとなる重要な作業であり、材質や形状、サイズなど、さまざまな種類のある鋼材のなかから指定の物を間違いなく選び出し、「高速切断機」や2種の「のこ盤」を使い分け、指定されたサイズに切り出していく。障害の特性に配慮し、決められた作業手順を自分のペースで行える職場環境となっている。  宗さんは、職業能力開発校である「佐賀県立産業技術学院」で機械加工を学んでおり、「ものづくりにたずさわることが夢でした。過去には症状が重くなり働きたくても働けないという経験をしており、いまは働けることがうれしく感じます」と語る。  宗さんは、つい考え過ぎてしまい不安な気持ちになることも多いというが、週1回を目安に労務管理担当者と面談し、相談や雑談などをすることにより不安が和らぎ、気持ちが楽になるという。今後、より大型の装置を担当することを目ざし、装置の扱い方や仕事の進め方を学んでいる最中だ。  ワイビーエムでは、当機構の「職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援(※1)」や「職場復帰(リワーク)支援(※2)」などの支援も活用し、障害のある社員のサポートを行っており、定着率の向上につなげている。 ※1 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援:障害のある人が職場に適応できるよう、ジョブコーチが職場に直接出向いて行う支援 ※2 職場復帰(リワーク)支援:うつ病などにより休職している人や休職している社員の職場復帰を進めようとしている企業に対し、医師の助言を得ながら、円滑な職場復帰に向けて行う支援 写真のキャプション 朝礼の様子。業務連絡、危険予知活動などを行う 作業開始前、伝票を確認し手順を考える宗拓実さん さまざまな種類のある鋼材のなかから指定の物を選び、クレーンで吊り上げる 宗さんはクレーンの運転技能講習を修了しており、業務に活用している クレーンをリモコンで操作し鋼材を移動、「のこ盤」にセットする 宗さんは、2種の「のこ盤」を並行して稼働させ作業にあたっている 鋼材を固定後、加工前に再度長さを確認し、加工を行う 加工後、ノギスを使い長さを確認する。ここでの精度が製品の精度にもつながる、重要な作業 「高速切断機」で棒材を切断する。防護ゴーグル、防塵マスクを装着して作業にあたる ベルトサンダーでのバリ取り作業。切断時にできた意図しない突起(バリ)を除去する バリ取り、面取りを終えた棒材。後工程でのけがや破損を防ぐ 平材のバリ取り作業。手持ちのベルトサンダーで作業を行う 切り出しとバリ取りを終えた部材を後工程の作業エリアに届ける 休憩時間に、ほっと一息つく宗拓実さん