【表紙】 令和6年7月25日発行・毎月1回25日発行・通巻第562号 ISSN 0386-0159 障害者と雇用 2024/8 No.562 職場ルポ 高いパソコンスキルや能力、こまやかな支援で活かす 静清信用金庫(静岡県) グラビア 働くことはたいへんだけど楽しい 株式会社小田原百貨店 Pantry 南足柄店(神奈川県) 編集委員が行く すべての社員がやりがいや成長を感じられる会社を目ざして 株式会社王将ハートフル(久御山工場)(京都府) 私のひとこと ありふれた、過酷な病 〜「強迫症」を発症した精神科医が伝えたいこと〜 京都大学大学院医学研究科 精神医学教室 客員研究員 亀井士郎さん 「とれたぞ!大漁だ」千葉県・三浦(みうら)聖弥(せいや)さん 読者アンケートにご協力をお願いします! 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) Japan Organization for Employment of the Elderly, Persons withD isabilities and Job Seekers 8月号 【前頁】 心のアート 偶成 義弘 (一般社団法人アートスペースからふる) 素材:和紙、墨/サイズ:縦90cm×横180cm  2013(平成25)年制作。「少年老い易く」から始まる、朱熹(しゅき)の七言絶句の漢詩といわれている「偶成(ぐうせい)」を書いた書道作品。1畳ほどの大きな紙に一気呵成(いっきかせい)に書き入れた作品は迫力を感じる。 (文:一般社団法人アートスペースからふる 妹尾(せのお)恵依子(えいこ)) 義弘(よしひろ)  1992(平成4)年生まれ。自閉スペクトラム症がある。  週に一度の1時間のうちに1枚1文字ずつ、80から100文字を書いて過ごす。CMソングや童謡を口ずさむふだんの彼と、書に取り組む彼の姿はまるで別人。しかしその運筆には目を見張るものがある。 【もくじ】 障害者と雇用 目次 2024年8月号 NO.562 「働く広場」は、障害者雇用の啓発・広報を目的として、ルポルタージュやグラビアなど写真を多く用いて、障害者雇用の現場とその魅力をわかりやすくお伝えします。 心のアート 前頁 偶成 作者:義弘(一般社団法人アートスペースからふる) 私のひとこと 2 ありふれた、過酷な病 〜「強迫症」を発症した精神科医が伝えたいこと〜 京都大学大学院医学研究科 精神医学教室 客員研究員 亀井士郎さん 職場ルポ 4 高いパソコンスキルや能力、こまやかな支援で活かす 静清信用金庫(静岡県) 文:豊浦美紀/写真:官野貴 研究開発レポート 10 障害者の雇用実態および障害者の従事する職務の実態 障害者職業総合センター研究部門 障害者支援部門 JEEDインフォメーション 12 “事例で見る”“動画で見る”『雇用の分野における合理的配慮事例の紹介』/JEEDメールマガジン(登録無料)新規登録者募集中!! グラビア 15 働くことはたいへんだけど楽しい 株式会社小田原百貨店 Pantry 南足柄店(神奈川県) 写真/文:官野貴 エッセイ 19 てんかんとともに 第2回 てんかんてんでんこ 聞いてみなけりゃわからない 看護師 加納佳代子 編集委員が行く 20 すべての社員がやりがいや成長を感じられる会社を目ざして 株式会社王将ハートフル(久御山工場)(京都府) 編集委員 大塚由紀子 省庁だより 26 令和6年度 障害保健福祉部予算の概要 厚生労働省 障害保健福祉部 ニュースファイル 30 編集委員のひとこと 31 掲示板・次号予告 32 中央障害者雇用情報センターのご案内 ※「クローズアップ」は休載します 表紙絵の説明 「漁師さんがみんなで力を合わせて網を引いている絵を描きたかったので応募しました。網を引いてたくさんの魚が獲れている様子を描くのに苦労しましたが、思ったよりうまく描けました。受賞を聞いてとてもうれしかったです、家族みんなで喜びました」 (令和5年度 障害者雇用支援月間絵画コンテスト 高校・一般の部 高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長奨励賞) ◎本誌掲載記事はホームページでもご覧いただけます。 (https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/index.html) 【P2-3】 私のひとこと ありふれた、過酷な病 〜「強迫症」を発症した精神科医が伝えたいこと〜 京都大学大学院医学研究科精神医学教室客員研究員 亀井士郎 ありふれた病気、「強迫症」  あなたは出勤の途中で、ふと不安を感じます。  「……家の鍵、ちゃんと締めてきただろうか?」  たぶん大丈夫だとは思いつつ、家まで引き返す。このような経験に覚えはあるでしょうか。おそらく、多くの方がイエスと答えるでしょう。自分に覚えがないとしても、不安を感じてしまうその気持ちは理解できるのではないでしょうか。もし、これがたまにある程度なら、それは正常範囲内の不安だといえます。つまり、ふつうです。  ところが、です。この行動が「じつは毎日なのだ」、「じつは一日に何度もしてしまうのだ」、「なかなか安心できずドアをガチャガチャ何度も確認してしまうのだ」となると、どうでしょうか。「さすがにそこまでは……」と思われるでしょうか。これこそが「強迫症」の症状であり、かつての私も苦しんだ症状です。「ふつうの不安と行動」の延長線上にあるものの、明らかに度を越えてしまっている。この超強力な不安のことを「強迫観念」、くり返し駆り立てられる行動のことを「強迫行為」と呼びます。  いま示したのは確認系≠フ強迫症状です。このほかにも、手洗いや入浴に多くの労力と時間をかけてしまう汚染/洗浄系=A物の正しい位置や特定のピッタリ感覚を追求して何度も同じ行動をとってしまうピッタリ系=Aといった種類があります。人それぞれにテーマの異なる不安があるわけです。  「強迫症」とは少し前までは「強迫性障害」、古くは「強迫神経症」とも呼ばれていた病気です。時代によって定義は多少変わるものの、実態はほぼ同じ、昔からある病気です。一般人口のおおむね1〜2%の有病率ですから、「稀な病気」とするには少し多いでしょう。また、先ほど述べたように「ふつうの不安」と地続きであるわけですから、ギリギリ診断がつかない程度の「発症予備軍」もそれなりに存在します。要するに他人事ではない程度には「ありふれた病気」なわけです。自分が発症せずとも、周囲のだれかは罹患(りかん)していると考えたほうがよいでしょう。最近のコロナ禍によって潔癖傾向に拍車がかかってしまい、発症に至った方もいるかもしれません。  この病気の辛さ、しんどさとは、過酷なものです。このことに関しては患者兼精神科医である私が強く主張する権利と責任があると考えています。少し、私の症状もお話ししましょう。 死のピタゴラスイッチ  とある精神科の医局の夜のことです。私のデスクの本が崩れ、イスにぶつかり、転がったイスが床の電源コードに乗り上げ、そのコードは断線し、発火するのです。埃(ほこり)に燃え広がり、火事になり、大勢の人が亡くなってしまうのです。私の人生はこれにておしまいです。  これは当時の私の強迫観念の一つであり、個人的に「死のピタゴラスイッチ」(※)と呼んでいるものです。このバカバカしい想像のために、一時間も二時間も汗だくになって必死に安全を確認しました。私が強迫症の発症に至って数カ月ほど経ったころのことです。  このような火事、あるいは泥棒を極端に恐れていた私は、毎日毎日、ガスの元栓やコンセント、ドアの施錠などの確認行為に膨大なエネルギーを注ぎました。家を出るのに、いちいち一時間かかるのです。  さらに一年以上かけて病気を悪化させた私は、「駅のホームですれ違った人を突き落としてしまっていないか」、「線路や横断歩道の上に物を落としていないか」といったさまざまな事故を恐れ、不安になり、少し外出するだけでもたいへんな労力を要するようになりました。いちいちふり返ったり、あるいは戻ったりして、安心・安全であることを何度も確認するからです。さらには家族も巻き込み、「大丈夫だろうか?」と何度も安心を求めてしまいます。  じつはこういった不安が「あり得ない」ということは、頭の片隅では理解しています。だからといってこれらを無視することはとてもできませんでした。途轍(とてつ)もない切迫感をともなう不安に頭が満たされ、まるで催眠術にかかったように行動に駆り立てられてしまうからです。  幸い、その後私は専門家の治療を受けて回復しました。しかし残念ながら、これはレアケースです。なかなか治せずに、強迫症を長く抱えてしまっている方が多くいるのです。 強迫症を治すのは、「知識」  強迫症が治りにくい理由はいくつかあります。  まず、多くの方が「強迫症」という病気自体を知りません。そのため、治療できることを知らず、精神科までアクセスすることができません。さらに、往々にして患者は症状を恥ずかしがり、強迫行為を他人から隠れて行いがちなため、指摘や助言を受けにくい状況にあります。これらの理由もあって、発症から受診まで平均7〜8年かかるといわれています。悪いことに、治療が遅くなるほど回復しにくくなるのです。  さらに、専門家が少ない。一般の精神科では薬物の処方だけで対応されることが多く、それだけではなかなか治りません。もちろん薬も重要なのですが、加えて必要なのは認知行動療法と呼ばれる専門的な治療です。つまり、薬によって不安を減らしたあとに、計画的に°ュ迫行為に歯止めをかけ、不安と行動の悪循環を断ち切る。これを精神科医や臨床心理士と協同しながら実施する必要があります。  もちろん、私もこれらの治療を行いました。仕事も約半年ほど休み、復帰後も並行して治療に専念しました。率直にいってハードな経験でしたが、そのかいあって、再び健康的に社会生活を営めるようになりました。治療に約二年かけて寛解した私は、強迫症という病気に復讐すべく、その専門家となり、自分の体験や治療法を記した新書も書きました。こうしてみなさんに病気のことをお伝えする機会を得られるようにもなりました。  紙幅の都合上、多くは書けませんが、この場で私が主張したいのは一つです。それは、「知識」は武器だということです。この武器は強迫症と闘ううえで、並々ならぬ力を持つのです。まずはぜひ、この病気の存在を知ってください。 ※ピタゴラスイッチ:NHK Eテレの名物番組。毎回この番組ではドミノ倒しに似たからくり装置が実演されている 亀井 士郎 (かめい しろう)  京都大学大学院医学研究科精神医学教室客員研究員。精神保健指定医、精神科専門医。  2011(平成23)年京都大学医学部医学科卒業。精神科医として働くなか、2014年に強迫症を発症し、重症化に至る。2016年より強迫症の研究・治療の第一人者である松永(まつなが)寿人(ひさと)氏の治療を受け、約2年かけて回復。  松永寿人氏との共著で『強迫症を治す 不安とこだわりからの解放』(2021年、幻冬舎)を出版し、以降、強迫症の啓発活動に努めている。 参考文献:亀井士郎、松永寿人『強迫症を治す 不安とこだわりからの解放』(2021年、幻冬舎) 【P4-9】 職場ルポ 高いパソコンスキルや能力、こまやかな支援で活かす ―静清信用金庫(静岡県)― 難易度の高い事務能力が求められる金融機関では、こまやかな支援や指導で、本人のパソコンスキルもいかんなく発揮できる職場を目ざしている。 (文)豊浦美紀 (写真)官野貴 取材先データ 静清(せいしん)信用金庫 〒420-0033 静岡県静岡市葵区昭和町2-1 TEL 054-254-8882 FAX 054-254-7783 Keyword:精神障害、ADHD、知的障害、身体障害、金融業、国立職業リハビリテーションセンター POINT 1 ハローワークからの紹介を中心に採用、人事部拠点に支援と育成 2 一人ひとりの事情や特性に合わせて部署配属 3 他部署への応援派遣もしながらキャリアアップや業務拡大も 創立102年の信用金庫  1922(大正11)年の創立から102年を迎えた「静清(せいしん)信用金庫」は、地域の中小企業を経営面から支える金融機関として静岡県内に42店舗を展開している。  障害者雇用については1982(昭和57)年に身体障害のある職員を採用して以来、少しずつ雇用を進め、いまでは職員583人のうち、障害のある職員は12人(身体障害8人、知的障害2人、精神障害2人)、障害者雇用率は2.5%(2024〈令和6〉年4月1日現在)だという。採用から定着までかかわっている、人事部人事課で課長を務める加藤(かとう)久仁子(くにこ)さんは「それぞれの特性や事情に沿って支援をしながら能力を活かしてもらい、大事な戦力として活躍してくれています」と話す。  また静清信用金庫ではこれまで、福祉施設が手がけたパンやお菓子の販売機会をつくったり、特別支援学校の生徒や障害のある人の美術作品をロビー展示したりするなどの活動も続けてきた。2021年度には「障害者雇用優良事業所厚生労働大臣表彰」を受賞している。  今回は、パソコン作業が中心の職場で、こまやかな支援や指導を受けながら能力を発揮している精神障害のある職員のケースを中心に、全体の取組みなどを紹介していきたい。 高校でADHDと診断  2023年8月から人事部人事課で働いている加藤(かとう)圭樹(けいじゅ)さん(26歳)は、高校3年生のときに親のすすめで病院を受診し、注意欠如・多動症(ADHD)と診断されたそうだ。「自分は、ものごとに集中しすぎるところと、逆に注意散漫なところがあります」と説明してくれた。進学した国立大学で歴史などを学びながら、学生支援室にも通った。就職活動では公務員試験の面接まで進んだが残念な結果になってしまったという。  大学卒業後は就労移行支援事業所に通い、あらためてパソコンスキルの習得など就職活動に向けた訓練を1年半続けたそうだ。  ちょうどそのころ静清信用金庫の加藤課長に、ハローワークから加藤さんを紹介したいと連絡が入った。「私たちが以前からパソコン操作のできる人を探していると伝えていたので、適材だとすすめてくれたようです」と加藤課長。  さっそく職場見学に来た加藤さんに、加藤課長が人事課の業務を紹介しながら「エクセルの関数はできる?」と聞いてみたところ「できます」と即答。その日のうちに操作も披露してもらい、十分なパソコンスキルがあることを確認できたという。  職場実習と半年間のトライアル雇用期間中にも、加藤さんは持ち味の探求心や集中力を発揮して周囲を驚かせた。  加藤さんが最初に任された業務は、全職員の名簿づくりだった。1年を通して頻繁に異動があるため、そのたびに支店別、部署別に名前を入れ替える作業を、加藤課長は手作業でやっていたそうだが、加藤さんはエクセルの機能を駆使して、自動的に更新できるように整えてくれたそうだ。加藤課長がふり返る。  「私が何気なく『こういう社内名簿づくりは、更新が面倒なんだよね』と話していたことを覚えていたようで、ある日、自主的に完成させていました。『これはだれがつくったの?』と聞いたら『僕です』というのでびっくりしました」  加藤さんは、就労移行支援事業所で見つけたエクセルの本を読みこみ、独学でスキルアップしていたのだそうだ。 いくつかの課題も改善  一方で、実習時から対応を迫られた、いくつかの課題もあった。一つめがコミュニケーションだ。加藤課長が説明する。  「もともと就労移行支援事業所から、彼が会話で言葉が出にくいと聞いていましたが、配属予定先の人事部は社内からの問合せなど対話が必要なことが多く、相手方全員に特性を理解してもらえるわけでもありません。いかに職場に溶けこめるかがポイントでした」  加藤課長たちは、就労移行支援事業所から提供された、加藤さんについて配慮すべき点などをまとめた資料を部内で共有し、「まずは本人からの言葉を待つ」、「仕事を頼むときは一人一つずつ順番に」といったことから始めた。具体的には、加藤課長が加藤さんの窓口となって、さまざまな業務のスケジュールを交通整理していったそうだ。  「一方で、彼自身がうまくコミュニケーションをとっていけるような指導も心がけました。廊下で彼とすれ違うたびに『こういうときに、お疲れさまって挨拶するんだよ』などと声をかけていましたね」  もう一つの課題が遅刻だ。「学生時代は、昼夜逆転の生活習慣もなかなか治せませんでした」と明かす加藤さんは、就労移行支援事業所で支援を受けるなかで改善していったが、それでもトライアル雇用期間中に3回、遅刻してしまったことがある。  加藤課長は「朝が苦手だとも聞いていましたが、ある日は電話をしたときにまだ寝ていたので、さすがにきつく注意しました。同時に就労移行支援事業所にも連絡し、精神面でのフォローをお願いしました。もちろん本人は、真っ青な顔で職場に来たので、反省はしているのだなと思いました」と話す。  後でわかったそうだが、遅刻には、緊張による不眠や体の不調も影響していたという。これについて加藤さん自身も説明してくれた。  「トライアル雇用期間中に、就労移行支援事業所の担当者や主治医と相談して自分に本当に必要な睡眠時間を確認し、逆算して就寝できるよう薬も処方してもらいました。いまは薬に頼らずにすんでいます。緊張で眠れないということがなくなったからだと思います」  正式採用されてから半年経つが、それから遅刻は一度もない。「いまでは、なんでも一人でできるようになりましたね」と、加藤課長は太鼓判を押す。 他部署からも頼られる存在  加藤さんは正式採用されてまもなく、給与にかかわる各種保険料の算出という大事な業務も手がけるようになったが、これには想定外の事情もあった。当時担当していたベテラン職員が急きょ定年後再雇用を辞退して退職することになったのだ。  かぎられた短い期間での引継ぎ作業にもかかわらず、担当者が使っていたマニュアルは古く、変更点がたくさんあった。実際に引き継いだあとも、関係するいろいろな人から修正を求められるなど、たいへんだったそうだ。「それでも加藤さんは私に説明を求めることもなく、淡々と一人で作業を進めていたので、自分なりのやり方を確立したのだと思います」と話す加藤課長。「でも仕事は一人だけで進められない場合もあり、報連相も大事ですから、会話が苦手でも、きちんと伝えるようにとも指導しています」とつけ加えた。  予想外のハードルも乗り越えた加藤さんは、周囲からも頼りにされる存在になっている。加藤課長は「少し無理のある難題をお願いしたとき『それはできません』と即答したのに、数時間後には『できました』といって見せてくれたこともあります。じつはずっと考えていたようです。そういうあきらめない姿勢は本当に尊敬します」という。これについて加藤さんは「いくつか試して、これでダメだったらあきらめようと思ってやったのがうまくいきました」と笑顔を見せた。  職場でたいへんなことはないかとの問いには、しばらく考えて「アルバイトをしていたときに比べれば、大丈夫です。大学4年間、同じ飲食店でアルバイトを続けていたので」と教えてくれた。  「調理とレジ打ち以外の接客や盛りつけ、皿洗いまで担当していましたが、複数タスクがこなせずパニックになったことは何度もありました。いまの職場でたいへんなときも、そのときのアルバイトに比べたら耐えられます」  じつはこのアルバイトの職歴も、加藤さんを採用する大きな決め手の一つだったのだそうだ。 別部署に応援も  加藤さんは昨年11月から約2カ月間、別の部署に応援部隊として派遣された。仕事は、手書きの顧客情報をパソコンで文字入力する作業だった。加藤課長は「彼の処理能力がすごく高かったらしく、このままずっといてほしいといわれましたが、私たち人事課としても必要な戦力なので、ほかの人を探しているところです」と明かし、「将来的には、融資や企画営業の部署でも戦力になれると思います。キャリアアップという意味でも、本人の希望に沿って仕事を任せていけたらと考えています」という。  加藤さん自身も「自分が手がけた名簿などが職場で活用されているのを実感すると、働いていてよかったなと思います」と語ったうえで、今後の仕事の目標について「先輩から引き継いだパソコン上の操作マニュアルが分散していたり情報が古かったりするので、簡単にまとめて情報も更新し、みんなにわかりやすいものにつくり直していきたいです」と、頼もしく語ってくれた。 さまざまな事情に応じて  加藤さんのいる人事部人事課には、入庫10年以上になる知的障害のある職員もいる。メール便の仕分けや封入作業など事務補助を担当しているが、毎日の作業はリストにして、一つ終わるごとに上司から検印をもらうことで混乱を防ぎ、本人の心理的な安心感にもつなげているという。  ほかにもこれまで、視覚障害のある職員のために拡大読書器を導入したり、精神障害のある職員向けに休憩室を整備したりと、一人ひとりの事情に合わせて職場環境の改善を重ねてきたそうだ。 リハビリを経て復帰  車いすユーザーの男性職員(32歳)は、入庫間もない24歳のときに通勤途中でバイク事故に遭い、頸椎損傷を負った。半年間の入院後、リハビリ専門病院に3カ月間、さらに埼玉県の国立障害者リハビリテーションセンターに3カ月間通い、隣接する当機構(JEED)の国立職業リハビリテーションセンターにも2年間通ったのち、2018(平成30)年に職場復帰した。いまは融資部でおもにデータ入力を担当している。  両手の握力がないため、食事の際は車いすグローブと呼ばれる自助具を手にはめ、そこにスプーンなどをとりつけて食事をとっているそうだ。職場でパソコン業務をするときは、タイピングするための器具を自助具にとりつけて、両手で1文字ずつ打ちこむ。この器具は、国立職業リハビリテーションセンターに特注でつくってもらったそうだ。  頸椎損傷を負ったことで、起立性低血圧の症状にも苦労したそうだ。「朝、起き上がろうとすると血圧が急降下して気を失っていました。毎日、腹部にベルトを巻くなどして血圧を下げないよう訓練を重ね、いまはなんとか気を失わずに起き上がれるようになりました」と話す。  職場では当初、ほんのわずかな段差でも車いすで上がれず、同僚の助けが必要なときもあったそうだが、スロープを増やしてもらい、いまでは不自由なく移動できるようになっているという。「職場の人たちにもよくしてもらって働けています」と話す男性職員が、いま気をつけているのは、やはり健康面。「尿路感染などで発熱しないよう、手の消毒なども気をつけています。元気に働けるうちは働きたいです」と笑顔で答えてくれた。 スキルを活かしていきたい  もう1人の車いすユーザーの職員が、総務課で働く岩崎(いわざき)真弓(まゆみ)さん。プロ車いすテニスプレーヤーの上地(かみじ)結衣(ゆい)さんと同じ病気だそうで、幼少時から両足が不自由だ。  小学生時代から兄の使っていたパソコンに親しみ、養護学校(当時)在学中に簿記など商業系の資格を取得。「資格を活かせる仕事がしたい」と1990年に入庫し、現在34年目になる。外部からのメールを関係部署にふり分ける仕事や、現物の書類を仕分ける作業などを担当している。岩崎さんは「ここ5年ほど、職場の業務においてデジタル化が進んだことがうれしいですね。私はプログラミングもやっていたのでスキルを活かしていきたいと思います」と、話してくれた。  岩崎さんの入庫当時、職場ではトイレを改装した。さらに先ほど紹介した車いすユーザーの男性職員が入庫したときは、玄関の小さな段差にスロープもつけたという。その話を引き合いに、岩崎さんは「同じ車いすユーザーでも抱える事情はさまざまですし、障害のない方には気づきにくいことも多いですから、当事者が積極的に声をあげて改善してもらうことは大事です」と教えてくれた。岩崎さんの母親もかつて、駅構内のエレベーターの増設などを訴え、国会に陳情書を持って行ったこともあるそうだ。  通勤は、以前は父親が送迎してくれたそうだが、いまは往復でタクシーを使う。会社と市からの補助を組み合わせ、一部は本人負担だという。  岩崎さんはパートタイム雇用だが、勤続年数や人事評価などで昇給し、賞与も含め正職員とほぼ変わらない処遇だという。もちろん試験結果などの条件が揃えば正職員登用も可能となっている。 前向きな転職者も  「じつはこれまでには、前向きに転職した人も何人かいます」と加藤課長。例えば精神障害のある女性は、人事課で労務関連の業務にかかわったことから社会保険労務士の資格を取得、「資格をもっと活かせる職場で正社員として働きたい」と、社会保険労務士事務所に転職していった。「資格を取ると社内では奨励金も出るのですが、将来は社労士として独立したいという夢もあったようです。私たちには痛手ですが、本人にとってはよかったのだろうと思っています」と加藤課長。  最近は、加藤さんの成功例を機にハローワークから続々とパソコンスキルのある人材の紹介を受けている。だが毎回うまくいくわけではないようだ。  昨年から3人が職場見学に訪れ、それぞれ1日1人ずつ、4階の営業推進部で集計作業を手伝ってもらったという。加藤課長たちは「十分やっていけそうだ」と手ごたえを感じ採用するつもりだったそうだが、「人とのかかわりを避けたい」と工場勤務などの仕事を選ばれてしまったという。「特に営業推進部があるフロアは、緊張感のある会話が飛び交っているため、本人たちにプレッシャーを与えてしまったかもしれません」とふり返る加藤課長。  「そういう意味では、やはり最初は障害者雇用について一定の知識と理解がある人事部でていねいに育成してから、本人の希望に合わせて異動、もしくは人事部を拠点にして、不定期に応援派遣のような形でほかの部署を経験しながら職場に慣れてもらうという方法を考えています」  試行錯誤を重ねる日々だが、「一人ひとり特性も事情も異なりますので、なにごともトライだと思いながら、引き続き取り組んでいきたいと思っています」と話す加藤課長たちの前向きな姿勢の裏には、就労移行支援事業所側の取組みへの期待もあるようだ。  「見学に行ったとき、いろいろなシチュエーションで訓練されているのを見て感心しました。より具体的でリアルな職業準備性を身につけてもらっていると、より採用しやすいと思います」  静清信用金庫では今後も、ハローワークや就労移行支援事業所と連携しながら採用を進め、戦力になる人材の確保と育成を続けていくそうだ。 写真のキャプション 静清信用金庫人事部人事課長の加藤久仁子さん 人事部人事課で働く加藤圭樹さん 加藤さんは、人事部に届く郵便物の仕分けなども担当している 加藤さんが更新や新たに制作した業務マニュアルの一部 加藤さんらが働く人事部人事課のオフィス 職場環境改善の一環で整備された休憩室 融資部で働く車いすユーザーの男性職員 タイピングをサポートする自助具を使用し業務にあたる 総務課で働く岩崎真弓さん 岩崎さんもパソコンのスキルを業務に活かしている 玄関にあった段差の一部を削り、なだらかなスロープ(手前)とした 【P10-11】 研究開発レポート 障害者の雇用実態および障害者の従事する職務の実態 障害者職業総合センター研究部門 障害者支援部門 1 はじめに  近年、障害者の雇用数が増加するなか、合理的配慮の義務化や法定雇用率の引上げ等が行われ、障害者の雇用や就労をめぐる環境が大きく変わっています。また、そのような変化のなか、特に2018(平成30年)年に厚生労働省が実施した「障害者雇用実態調査」によれば、回答事業所は、障害者を雇用するにあたっての課題として、「会社に適当な仕事があるか」を最も多く選択していました。  以上の背景から、次の二つの目的のために調査を行いました。 【目的1】事業所に雇用されている障害者の職場環境・労働条件、必要な合理的配慮、利用している支援機関等の実態を明らかにする 【目的2】就労支援機関が職務設定、職務創出・再設計等を検討する事業所に助言する際、および事業所が自ら職務設定、職務創出・再設計を行う際の参考とするための事項を明らかにする 2 調査の方法  調査は総務省統計局が整備する事業所母集団データベースを用いて、従業員5人以上の事業所から産業、従業員規模、地域で層化抽出した1万5000事業所に対して、「調査票A(身体障害、精神障害、発達障害、高次脳機能障害、難病のある方向け調査)」および「調査票B(知的障害のある方向け調査)」と、「事業所調査(障害者の雇い入れ・雇用管理を担当されている方)」を送付することで実施しました。なお、調査票AとBは事業所から雇用する障害者に渡すようお願いしました。 3 調査の結果 (1)障害者の雇用の実態等に関する調査  調査票Aに回答のあった障害のある労働者5698人について、障害種別では「身体障害」が3482人(61.1%)で最も多く、次いで、「精神障害」が849人(14.9%)、「発達障害」が582人(10.2%)、「難病」が230人(4.0%)、「高次脳機能障害」が100人(1.8%)、「その他」が203人(3.6%)でした。回答不明は252人(4.4%)でした。また、調査票Bに回答のあった知的障害のある労働者は、1166人でした。 (2)障害者の雇用の実態等に関する調査の結果分析  【目的1】の達成のために、障害のある労働者の方には、アンケートでさまざまなことをうかがっています。「今後の職業生活を充実させるために希望すること」を聞いた設問では、10の項目について、当てはまるものを選択してもらいました。その項目のなかの「現在の業務を引き続き行いたい」(調査票Bでは「今やっている仕事をこれからもやりたい」)は、障害のある労働者の職場定着とも関係する重要な項目ですが、調査票Aで3951人(69.3%)、調査票Bで857人(73.5%)が「当てはまる」と回答していました。いずれの調査票でも約7割の人が「現在の業務を引き続き行いたい」と回答していたのです。しかし、それは約3割の人はそのように回答しなかったことも意味します。では、障害のある人が「現在の業務を引き続き行いたい」と回答する可能性のある要素、あるいは回答しない可能性のある要素とはいったいどのようなものなのでしょうか?  本調査研究では、「現在の業務を引き続き行いたい」という回答と関係する要素があるか、ロジスティック回帰分析という統計手法を使って検討してみました。ちなみに、ここでは、調査票Aと調査票Bで言葉遣いや項目数が異なることがあることから、調査票Aについて取り上げます。  その分析の結果、年齢が高くなること、19の合理的配慮の項目について「十分な配慮を受けている」の選択が1項目以上あること、相談先として職場の人をあげていることが促進的な要素と考えられました。反対に、合理的配慮項目について「必要だが配慮を受けていない」の選択が1項目以上あること、将来への不安があると回答していることが阻害的な要素として考えられました。  まとめると、障害のある労働者が現在の業務を続けたいと思うかどうかの判断は、必要な合理的配慮が得られているかどうか、相談先があるかどうかなどの要素に影響を受けている可能性があることが示唆された、といえます。このような結果は、障害のある人にとっては、配慮の求め方や相談の仕方を考えるきっかけに、障害のある人を雇用する事業所は、必要な配慮の検討や相談しやすい職場づくりを考えるきっかけになるかもしれません。 (3)障害者の従事する職務に関する調査の結果  さて、【目的2】の達成のために、事業所に対して、事業所の形態、おもな事業内容、現在雇用している・もしくは過去に雇用していた障害者の障害種別、障害種別ごとの具体的な職務内容等をたずね、2734件の事業所から有効回答が得られました。 ア 障害者が携わる(携わっていた)具体的な職務内容の分類・整理  障害者が携わる(携わっていた)職務内容は、具体的な職務内容を読み取ることが困難であったものを除外して集計した結果、1万5536件ありました。本調査研究では、回答のあった障害者の従事する具体的な職務内容を「課業等」として分類・整理することとし、得られた回答を研究担当者複数名で251の「課業等」に分類・整理しました。 イ 障害者が従事する課業等(1万5536件)  件数が最も多かった課業等は「データ入力」で1520件でした。次いで「書類の整理・管理」が1201件、「清掃」が1190件と続きました。  また、18種類の産業別、10種類の障害種別にも課業等を整理したところ、いずれの産業および障害種別でも「データ入力」、「書類の整理・管理」、「事務」等が上位でした。また、「清掃」も多くの産業およびいずれの障害種別でも上位でした。  一方で、例えば「製造業」では「製造・加工・組立」、「試験・検査・実験・解析」が、「卸売業、小売業」では「品出し」、「販売」が、「教育、学習支援業」では「教育」が当該産業に特有の課業等として上位となっていました。  さらに、視覚障害では「鍼灸・マッサージ」、聴覚障害では「試験・検査・実験・解析」等、身体障害では専門・技術関係の課業等が比較的多く見られました。知的障害では「清掃」がとりわけ多かったほか、「書類の整理・管理」、「データ入力」等の事務関係の課業等とともに「洗濯・リネン」、「梱包・包装」、「品出し」等の現業関係の課業等が多く見られました。 ウ 結果の効果的な活用について  アンケートから得られた内容は、産業別×障害種別でのクロス集計も行い分類・整理しました。そのため、障害者の職務設定、職務創出・再設計を検討する際にさまざまな視点から可能性を探る参考になり得ると思われます。  今回の調査結果を単純な課業等の切り出しではなく、スキルアップのための職務拡大等を検討するなど、障害者の活躍の場を広げる可能性の模索や、障害者のキャリア形成の促進のための継続的な検討にもご活用ください。 4 おわりに  本レポートの元となる「調査研究報告書No.176」(※1)では、今回ご紹介した内容以外にも、障害者の雇用の実態および障害者の従事する職務に関するさまざまなデータを掲載しています。また、事業所アンケート調査結果から「障害者の職務設定、職務創出・再設計のためのデータブック」(※2)を作成しています。ご関心のある方はぜひ障害者職業総合センターのホームページからご覧ください。 ※1 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/report/houkoku/houkoku176.html ※2 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai81.html ◇お問合せ先:研究企画部 企画調整室(TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp) 表 障害者が従事する課業等 上位20種 課業等 主な回答例 件数 データ入力 データ入力、PCの入力、伝票入力 1,520 書類の整理・管理 ファイリング、スキャニング(PDF化)、日報管理 1,201 清掃 店舗清掃、応接室の清掃、社内清掃業務 1,190 事務 事務職、一般事務、事務全般 1,141 文書等発受 郵便物の回収・仕分け・配布、封入、ラベル貼り 568 コピー・印刷 書類・資料のコピー、印刷 531 電話・受付業務 コールセンター業務、受付・案内業務、電話応対 529 書類・資料の作成 DM・名刺等作成、会議資料作成、POP作成 499 製造・加工・組立 製造作業、ライン加工、部品の組立 438 会計事務 経理、会計、入出金処理 252 事務補助 事務補助業務、事務サポート 251 教育 教員、大学教員、授業 247 備品等物品管理 コピー用紙の管理・補充、消耗品補充、備品管理 236 品出し 商品陳列、品出し、商品整理 204 庶務・総務 一般庶務、総務業務、庶務業務全般 197 梱包・包装 梱包、パック詰め、商品袋詰め 190 洗濯・リネン クリーニング、リネンの仕分け、洗濯業務 179 試験・検査・実験・解析 各種試験・実験、製品検査、分析作業 177 仕分け 仕分け作業、商品の仕分け、製品仕分け 176 研究 研究業務、研究職、論文作成 172 【P12-14】 JEED インフォメーション 〜高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのお知らせ〜 ホームページで検索できます! 『雇用の分野における合理的配慮事例の紹介』 ホームページ「障害者雇用事例リファレンスサービス」 紹介ページはこちら JEED リファレンス 検索  事業主には、障害者の募集・採用時および採用後に、障害の特性や本人の希望・ニーズに応じて個別に配慮する『合理的配慮の提供』が義務づけられています(2016〈平成28〉年4月より)。  しかし、「どのような配慮をすればよいのかわからない」という事業主の方や、「企業から相談されたが、どのような支援を行えばよいか迷う」という支援機関の方もいらっしゃるのではないでしょうか。  JEEDが運営するホームページ「障害者雇用事例リファレンスサービス」では、実際に『合理的配慮の提供』を行っている企業の事例(合理的配慮事例)を紹介しています。また、そのほかにも、さまざまな創意工夫を行い障害者雇用に積極的に取り組んでいる企業の事例(モデル事例)を掲載しています。  今後も、企業や支援機関のみなさまに役立つ事例を掲載していきますので、ぜひご利用ください。 業種や従業員規模、障害の種類などの条件を設定して事例を検索することができます。 <利用者アンケートから> ・「募集・採用、定着までの経緯を知ることができた」 ・「障害者の担当業務を写真で知ることができた」  「障害者雇用事例リファレンスサービス」では、よりよいサービスの提供のため、みなさまのご意見等をおうかがいしています。  ホームページからアンケートへのご協力をお願いいたします。 拡大 合理的配慮事例を検索する場合は、こちらのチェック欄を選択してください。 掲載例(抜粋) ◆お問合せ 障害者雇用開発推進部 雇用開発課 TEL:043-297-9513 FAX:043-297-9547 Eメール:ref@jeed.go.jp ホームページでご覧ください! “事例で見る”“動画で見る” 動画「みんな輝く職場へ〜事例から学ぶ 合理的配慮の提供〜」 紹介ページはこちら JEED みんな輝く 検索  「合理的配慮とは何か」、「どのように取り組めばよいか」と疑問をお持ちの事業主の方にもわかりやすく、『合理的配慮の提供』に関するポイントの解説などを紹介しています。  JEEDホームページでご覧いただくことができるほか、関連するDVDの無料貸出しも行っていますので、ぜひご活用ください。 【視覚障害】就労支援機器の活用 【精神障害】社内相談支援体制の整備 【発達障害】企業在籍型ジョブコーチの活用 障害別に取組みのポイントを専門家がわかりやすく解説しています。 ◆お問合せ 障害者雇用開発推進部 雇用開発課 TEL:043-297-9514 FAX:043-297-9547 Eメール:manual@jeed.go.jp 中央障害者雇用情報センターにおける合理的配慮の相談  中央障害者雇用情報センターでは企業の規模・業種の特性に応じた雇用管理や『合理的配慮の提供』などに関する相談・援助を行っています。  また、就労支援機器の有効活用に関する情報提供、相談、機器の無料貸出しを行っています。 例えば… ・就業規則に対する障害特性をふまえた助言 ・募集時、採用後の合理的配慮に関する相談 ・障害特性に応じた就労支援機器活用の助言 など まずは中央障害者雇用情報センターにお問い合わせください。 TEL:03-5638-2792 E-mail:syougai-soudan@jeed.go.jp 紹介ページはこちら 登録無料 JEEDメールマガジン 新規登録者募集中!! 当機構(JEED)では、JEEDが全国で実施する高齢者雇用や障害者の雇用支援、従業員の人材育成(職業能力開発)などのタイムリーな情報を、毎月月末に配信しています。 おもな特徴 ◇毎号特集を組んでJEEDの業務内容を紹介 ◆JEEDの制度やサービス内容がよくわかる ◇マイエリア情報で地元情報をチェック! ◆セミナーやイベント情報が満載 雇用管理や人材育成の「いま」「これから」を考える、人事労務担当者や就労支援担当者のみなさま、必読! 障害のある従業員の新規・継続雇用… 定年延長・廃止に再雇用… 技能開発・向上の手段… そのお悩みのヒント見つかります!! 登録方法 JEED メルマガ で 検索 または から! お問合せ先 企画部 情報公開広報課 TEL:043-213-6215 【P15-18】 グラビア 働くことはたいへんだけど楽しい 株式会社小田原百貨店 Pantry 南足柄店(神奈川県) 取材先データ 株式会社小田原百貨店 Pantry(パントリー) 南足柄(みなみあしがら)店 〒250-0126 神奈川県南足柄市狩野123 TEL 0465-71-1125 写真・文:官野貴  神奈川県県西地域でスーパーマーケット「Pantry(パントリー)」を展開する「株式会社小田原百貨店」(以下、「小田原百貨店」)では、地域貢献、社会貢献の一環として障害者雇用に力を入れている。現在、障害のある従業員17人(知的障害15人、身体障害2人)が、各店舗のさまざまな部門で働いている。その取組みが評価され、2023(令和5)年度には、「障害者雇用優良事業所厚生労働大臣表彰」を受賞している。  南足柄(みなみあしがら)店では、入社11年目で知的障害のある亀井(かめい)稜太(りょうた)さん(27歳)が活躍している。亀井さんは、青果部門において、商品の販売準備や品出し、冷蔵庫の温度チェックなど多岐にわたる業務をこなしている。かぼちゃの販売準備では、段ボール箱からかぼちゃを取り出し、四分割しラップを巻いて値札を貼る、という一連の作業を手際よく進める。  青果部門は、商品のカットや袋詰めなど人手がかかる部門だが、ここで障害のある従業員は欠かすことのできない戦力として活躍している。亀井さんに仕事についての感想をたずねると「働くことはたいへんだけど楽しい。お店のみんながやさしいです」と話してくれた。  小田原百貨店では、地元の特別支援学校と連携し、生徒の職場実習を受け入れている。高等部2年生で1週間、3年生で2週間の職場実習を2回行っている。人事担当者によると、本人が楽しく働けているか、挨拶など声を出せているかなどに気を配りながら受け入れているという。  勤務時間への配慮などから、障害のある従業員の多くがパート社員として働いているが、本人が希望し勤続年数や仕事の評価など一定の条件を満たせば、正社員としての登用も行っているという。同社では、今後も積極的に障害者雇用に取り組んでいく予定だ。 写真のキャプション 「Pantry」南足柄店 青果売場 青果部門のバックヤード かぼちゃの販売準備 @専用のカッターでかぼちゃを四分割する亀井稜太さん A四分割したかぼちゃからヘタを取り除く Bかぼちゃにラップを巻く。きれいに巻くためにはコツがいる C値札を発行する。亀井さんは商品コードを暗記している D見やすい位置にきちんと値札を貼りつける E商品のできあがり。ラップがしわなくきれいに巻かれている 亀井稜太さん F商品を売り場へと運ぶ。バックヤードから売り場に出る際は挨拶を忘れずに G商品を見栄えよく並べる H空の段ボール箱を片づける 続いて、きゅうりの販売準備に取りかかる 「冷蔵庫の温度チェック」。温度を確認し、確認表に記入する。商品の鮮度を守る大切な作業だ 「前出し作業」。隙間の空いた商品棚を整理し、商品を取り出しやすく並べ直す 「袋詰め」。青果部門は商品準備に手間暇がかかる 【P19】 エッセイ てんかんとともに 公益社団法人日本てんかん協会にご協力いただき、「てんかんとともに」と題して全5回シリーズでお一人ずつ語っていただきます。 第2回 てんかんてんでんこ 聞いてみなけりゃわからない 看護師 加納佳代子 (かのうかよこ)  1950(昭和25)年生まれ。大学卒業後看護師として49年間働く。てんかん発症は看護師長だった38歳、うつ病発症は精神科病院看護部長の55歳のとき。1年間の休職後、大学院でリハビリテーションを学び、大学教員として13年間働いた後、70歳で再び精神科病院の看護部長となる。講談看護師「加納(かのう)塩梅(あんばい)」として創作講談やYouTube「加納塩梅のテンカン小噺チャンネル」でてんかん啓発活動を行う。日本てんかん協会千葉県支部事務局長。 加納塩梅のホームページ:https://anbai-storyteller.themedia.jp あっけらかんと伝える  私にけいれん発作が起こったのは、病棟師長をしていた38歳のとき。日勤で働き、そのまま当直で一睡もできず、翌日は学会に出席し、36時間ぶっ続けで労働を終えた日の夜のことでした。半年後にも当直後にけいれん発作が起こり、てんかんと診断されました。55歳でうつ病になり、これからの生き方を変えようと、講談でてんかん啓発活動を続け、「加納塩梅のテンカン小噺チャンネル」でYouTube動画を配信しています。  私は自分のてんかんを、職場でもどこでもだれにでも伝えています。あっけらかんと、「私、てんかんなんです。あ、ご心配なく、あなたの前では倒れませんから。私の発作は薬の飲み忘れが続いて、無茶な働き方で過労と睡眠不足、さらに過ぎた飲酒、これを全部やると発作が起きる。でも、いまはコントロールができているので、発作はないです」。伝え方ひとつで、聞いた人のとらえ方がガラッと変わります。  重要なことは、自分のてんかんについてだれよりも詳しくなり、自分の言葉で伝えられるようになり、そして仲よくなることです。それが、世間の誤解や杞憂(きゆう)を解消していく一番の道だと思っています。 てんかんの多様性、見えない障害、奇異に映る行動  100人に1人は「てんかん」になります。子どもの発症が多いと思われがちですが、じつは75歳以上になってから発症する方が一番多いのです。進学や就職で生活環境が変わり、睡眠不足や過労をきっかけに、てんかん発作が始まる若者もいます。てんかん発作は脳に起きた「一時的な不具合」の表れですので、発作をくり返すこと以外問題はなく、その発作も適切な治療によって約8割の人が抑えられます。  発作の種類も全身のけいれん発作はごく一部の方であって、一時的に体の動きが止まったり、ぼーっとしたり、口をもぐもぐしたりとじつにさまざまです。本人の意識が一時的にないため自覚できない発作や、周囲には見えない発作、奇異な行動に見える発作などは、なかなか周囲の理解が得にくいのです。 てんかんてんでんこ聞いてみなけりゃわからない  事業主の方に知っておいてほしいことは「てんかんてんでんこ、聞いてみなけりゃわからない」ということに尽きます。「てんでんこ」というのは「てんでんバラバラ」のこと。人それぞれなので、本人に聞いてみなくてはわからないのです。  入社面接などで「てんかんなんです」と告げられたら、「てんかんだから採用できないということはありません」、発作を起こしてしまったら、「てんかんだからといって辞めてもらうことはありません」と、キッパリと伝えていただきたいです。  そのうえで、こう聞いてください。「てんかんといっても人それぞれでしょうから、あなたの場合について教えてください。発作は抑えられていますか。どのような発作が、どういうことをきっかけにして起こる可能性がありますか。仕事をするうえで配慮してほしいこと、配慮は不要なことも教えてください」と。  私のように発作をコントロールしながら働き続けている方は大勢いますし、発作があっても小さな配慮を得ながら働いている方ももちろんいます。しかし、発作がほぼコントロールできているのにもかかわらず、「てんかんだから」というだけで門前払いをされてしまう方がいるというのも事実なのです。 当事者が変われば社会が変わる  多くの方々から学んだ「病や障害があろうがなかろうが、その人らしく生きていくための知恵」を、てんかん当事者および、その家族や支援者のみなさんへお伝えできればと考え、YouTube動画「加納塩梅のテンカン小噺(こばなし)チャンネル」のエッセンスを詰めた小冊子『知識より大切なことがある スーパー指南書 てんかんと人生』を作成しました。「当事者が変われば社会が変わるプロジェクト」の一つとしてこの小冊子をみなさんにお届けする啓発活動をしておりますので、お声をかけていただけるとうれしいです。 【P20-25】 編集委員が行く すべての社員がやりがいや成長を感じられる会社を目ざして 株式会社王将ハートフル(久御山工場)(京都府) 株式会社FVP 代表取締役 大塚由紀子 取材先データ 株式会社王将ハートフル(久御山(くみやま)工場) 〒613-0036 京都府久世郡(くせぐん)久御山町(くみやまちょう)田井東荒見(たいひがしあらみ)1-1 TEL 0774-41-1106 編集委員から  全国に「餃子の王将」を展開する「株式会社王将フードサービス」の特例子会社である「株式会社王将ハートフル」は、西日本エリアの「餃子の王将」で提供される餃子における重要な工程を支えている。  そのような王将ハートフルの取組みについて、今回は、障害のある社員の成長や働きがいの観点からレポートしたい。 写真:官野貴 Keyword:特例子会社、食品加工業、工場、知的障害、キャリア形成、障害者職業生活相談員 POINT 1 一人ひとりに合ったキャリア形成を実践 2 障害を理解し活躍領域の拡大を図る 3 やりがいや成長を促進させる制度を整備  「餃子の王将」731店舗(2024〈令和6〉年3月31日現在)を全国に展開する「株式会社王将フードサービス」(以下、「王将フードサービス」)の特例子会社である「株式会社王将ハートフル」(以下、「王将ハートフル」)は、京都府久世(くせ)郡にある王将フードサービスの久御山(くみやま)工場内に拠点を構えている。この工場では、西日本エリアの「餃子の王将」で提供される餃子、麺、スープなどの製造を受け持つ。王将ハートフルがその工場で行っている業務は、キャベツ、玉ねぎ、ニンニクの一次加工ラインのすべてである。そのため、王将ハートフルは、西日本エリアの「餃子の王将」店舗で提供される餃子の品質にかかわる重要な工程を支えているといっても過言ではない。 障害のある社員から初めての指導員が誕生  2024年6月。この久御山工場では、障害のある社員のなかから初めての「指導員」が誕生した。岩前(いわまえ)克弥(かつや)さん(25歳)である。指導員は、障害のある社員に業務を教える役割である。岩前さんを除くほかの指導員は、障害のない従業員ばかりだ。  岩前さんは、地元の特別支援学校を卒業し、2017(平成29)年4月に王将ハートフルの「一期生」の一人として入社した。2019年6月には「リーダー」を命じられ、ほかの障害のある社員への指示やサポートをする役割をになっていた。そしてその5年後である2024年6月付けで、「指導員」へと昇進した。  入社時から、岩前さんの仕事ぶりは高く評価されていた。親会社の王将フードサービスでも「十分活躍できるのでは」との意見が多数聞かれ、親会社への出向や転籍の意向を本人に打診したそうだ。  ところが当の本人には、まったくその気がなく、「仲間と一緒に働きたい」とあっさりと断られてしまった。  「一人ひとりキャリアの形は違う。本人が望む環境で、やりがいや働きがいを育んでいく制度や体制が必要だと感じました」と、王将ハートフル取締役の太田(おおた)弘幸(ひろゆき)さんはふり返る。  このエピソードは、その後の王将ハートフルのキャリア形成の考え方、制度づくりにも大きく影響を与えた。  「みんなから頼りにされる指導員を目ざしています。メンバー(障害のある社員)は一人ひとり違うので、その人に合った教え方や声がけをしています」と、岩前さんは笑顔で答えた。 特性を活かして働ける仕事を工場長と一緒に見つける  荒木(あらき)裕介(ゆうすけ)さん(29歳)は、王将フードサービスの従業員たちと一緒に働いている。彼はコンテナクリーン場で、コンベアから流れてきた洗浄ずみのコンテナを運びパレットに積み上げる仕事、そしてそのコンテナをラッピングする仕事を担当している。王将ハートフルから王将フードサービスへ出向して仕事をしているのだ。  2023年10月から試験的に作業を始め、正式には2024年1月からコンテナクリーン場での業務に従事することになった。もくもくと作業をする姿が印象的である。  荒木さんは「わからないことは聞くように気をつけています。ていねいに教えてもらえるので安心して仕事ができます」と、うれしそうに答えてくれた。  じつは荒木さん、コンテナクリーン場での仕事に就く前は大分つらい時期があったそうだ。2018年の入社時は落ち着いて仕事に取り組めていたのだが、毎年障害のある社員が増えていくなかで、ほかの障害のある社員との連携や協調を求められる場面が増えてきた。それは、荒木さんの障害特性上簡単なことではなかった。  指導員たちは、支援機関や職場適応援助者(ジョブコーチ)の支援も利用し粘り強くかかわったのだが、なかなか解決の糸口が見つけられないまま時間が過ぎていった。  そんな折、月1回開催される王将フードサービスとの定例会議の場で、取締役の太田さんが荒木さんのことについて工場長と副工場長に相談した。  すると、工場長の八田(はった)典明(のりあき)さんから「『工場内の見学ツアー』をするから、荒木さんが活躍できそうな場所を見つけてほしい」と提案があった。  太田さんたちは荒木さんと一緒に工場内を案内されながら、荒木さんが取り組めそうな仕事を一つひとつ確認していった。その「見学ツアー」で見つかったのが「コンテナクリーン場での仕事」であり、荒木さんも「やってみたい」とのことであった。  「コンテナクリーン場では前から障害のある社員が働いていたので、特に不安はなかった」と涼しい表情でコメントする八田さんである。  すぐに試しに作業してもらったところ、別人のように集中して取り組む姿が見られた。荒木さんも「仕事が楽しい」と話し、表情まで明るく穏やかになったのだ。  八田さんはいう。  「私が札幌工場から久御山工場に着任した当時は、王将ハートフルのメンバーたちとは、廊下ですれ違えば挨拶するくらいの接点しかありませんでした」  八田さんは続ける。  「でも、王将ハートフルのメンバーはみんな元気だし、自分から挨拶してくれる。それが全員できているのは『すごい』と素直に思いました。現場に活気がある、これは理想の職場の姿だと思います。生産量も品質も期待通りの成果を上げてくれています。労働災害は設立以来一件も起こしていません。こんな優秀な労働力を活かさない理由はありません。これはもったいないことです」という。  そして「同じ職場で働いているんだから、もっと交流して理解し合う必要がある」との思いから、八田さんと久御山工場のすべての管理職は、シフトをやりくりして、障害者職業生活相談員資格認定講習を受講した。「障害について勉強したら、従業員たちの意識がガラッと変わった」、「現場からもいろんなアイデアが出てくるようになった」という。  「将来的には、王将フードサービス久御山工場の全社員に障害者職業生活相談員の講習を受けてもらいたいと思っています。時間はかかっても必ず実現させたい。王将ハートフルのメンバーたちの活躍領域はまだまだ広げられると考えています。できない仕事はないとさえ思っています」と、八田さんは力を込めて断言する。 早い段階で、特例子会社の目的≠ェ変わった  親会社の王将フードサービスハートフル事業部部長の木田(きだ)裕之(ひろゆき)さんのコメントが興味深い。  「障害のある社員がキャベツの一次加工を担当するようになりクレームが激減したんです。労災事故も一切起こしていません。そしてなにより、障害のある社員たちが日々成長しています。一緒に働く指導員たちも成長しています。王将ハートフルの設立の目的は法定雇用率の達成だったのですが、早い段階でその目的は変わりました。数字を追いかけるのではない。われわれは『社員のやりがいや成長』を追求するんだと」  これらをふまえて、王将ハートフルは、設立3年目より、「社員のやりがいや成長」を支えるための制度づくりに取り組んだ。リーダー職、サブリーダー職などの役職制度、等級制度(3回にわたって改定)、基本給、手当と勤続給などから構成される賃金制度、永年勤続などの表彰制度、従業員満足度調査(王将ハートフル版)、出向制度などが着々と整えられていった(図)。  教育面では、障害のある社員には各種研修やOFF−JT(職場や業務から離れて実施される研修や学習全般のこと)も継続的に実施、指導員にも同様に定期的に研修を続けている。  「やりがいや成長」を促進するための制度構築・導入・運用にあたっては、王将フードサービスハートフル事業部課長の大滝(おおたき)容子(ようこ)さんと、同部の古川(ふるかわ)歩美(あゆみ)さんも一緒に取り組んでいることも忘れずに紹介したい。  そして「やりがいや成長」を感じているのは障害のある社員だけではない。  王将ハートフルの指導員で障害者職業生活相談員の中(なか)千加子(ちかこ)さんは次のように話してくれた。  「素直な気持ち、一生懸命がんばる気持ち、集中力についてなど、障害のある社員からいろいろ教えられています。以前、私の誕生日には、みんなで集まって祝ってくれました。その日休みの人もわざわざ来てくれて祝ってくれたのです。いままでの人生のなかで一番うれしかったです。みんなと働けて本当にうれしいです」と笑顔で話してくれた。  王将ハートフルの事業部係長で、企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)の吉村(よしむら)力登(りきと)さんは次のように話す。  「ジョブコーチとしてかかわることでものごとを主体的、建設的に考えられるようになり自分の成長を感じます。王将フードサービスの一般社員、現場の責任者に、メンバーみんなのすばらしさ、素直さを教えてあげたいです。王将ハートフルのメンバーが王将フードサービスで活躍できるよう、架け橋になりたいと思っています」 一人ひとりのやりがいや成長を支える会社に  太田さんは、一言一言かみしめるように今後のビジョンについて語る。  「王将ハートフルでは、今後3〜5年の期間で障害のある社員を50人くらいまで増やしていきたいと考えています。王将ハートフルには、親会社である王将フードサービスに出向や転籍できるキャリアの形があります。それ以外にも『障害のある仲間と働きたい』、『王将ハートフルで働き続けたい』と願う人には、昇進していく道もできました。また、なかには『専門職として力を磨いていきたい』という人もいるでしょう。今後は複線型の人事制度も整えるなどして、一人ひとりのやりがいや成長に向き合って障害者雇用を進めていきたいと思っています。そして、その人たちがこれまで以上に王将フードサービスになくてはならない労働力として貢献できるよう、環境や制度を整備していきたいと考えています」  今後も、工場内のさまざまな職域で、王将ハートフルの社員たちが活躍していくことを心から期待している。 図 キャリアパス (資料提供:株式会社王将ハートフル) 写真のキャプション 株式会社王将ハートフルが拠点を構える、株式会社王将フードサービス久御山工場(写真提供:株式会社王将ハートフル) 久御山工場では、王将ハートフルの社員がキャベツの一次加工をになう すべての部門を担当する岩前克弥さん 岩前さんは「指導員」として障害のある社員の指導とともに、ライン全体の流れを見ながら材料の移動(右)や原料の品質チェック(左)などを行う 株式会社王将ハートフル取締役の太田弘幸さん 荒木さんは、王将ハートフルから親会社である王将フードサービスへ出向し、工場内のコンテナクリーン場で各種作業を担当している コンテナクリーン場で働く荒木裕介さん 株式会社王将フードサービス久御山工場の工場長の八田典明さん 株式会社王将フードサービスハートフル事業部部長の木田裕之さん 株式会社王将ハートフルの指導員で障害者職業生活相談員の中千加子さん 株式会社王将フードサービスハートフル事業部課長の大滝容子さん(右)、ハートフル事業部の古川歩美(左)さん 株式会社王将ハートフル事業部係長で企業在籍型職場適応援助者の吉村力登さん 王将ハートフルの社員が作業する様子を見学させていただいた 【P26-29】 省庁だより 令和6年度 障害保健福祉部予算の概要 厚生労働省 障害保健福祉部 1 障害福祉サービス等の確保、地域生活支援などの推進 1 良質な障害福祉サービス等の確保1兆5651億円(1兆4728億円)  障害者が身近な地域等で暮らすために必要な障害福祉サービス等に必要な経費を確保する。 【参考】 障害者自立支援給付費負担金(厚労省計上)+障害児入所給付費等負担金(こども家庭庁計上) (令和5年度予算額)1兆9211億円→(令和6年度予算額)2兆341億円 ○障害福祉サービス報酬改定への対応  障害福祉分野の人材確保のため、介護並びの処遇改善を行うとともに、障害者が希望する地域生活の実現に向けて、介護との収支差率の違いも勘案しつつ、新規参入が増加する中でのサービスの質の確保・向上を図る観点から、経営実態を踏まえたサービスの質等に応じたメリハリのある報酬設定を行うことにより、改定率は全体で+1.12%とする。  なお、改定率の外枠で処遇改善加算の一本化の効果等があり、それを合わせれば改定率+1.5%を上回る水準となる。 〈改定の基本的な方向性〉 T.障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり  1 障害者が希望する地域生活を実現・継続するための支援の充実  2 医療と福祉の連携の推進  3 精神障害者の地域生活の包括的な支援 U.社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応  1 障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築  2 障害者の多様なニーズに応じた就労の促進 V.持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し ○補装具費の基準額(上限額)の見直し対応  補装具の支給における基準額(上限額)について、近年の材料費等の変化を加味し、補装具事業者の実態も踏まえ見直しを行う。  また、障害のあるこどもの日常生活と成長に欠かせない補装具費支給制度の所得制限を撤廃する。 2 障害福祉サービス事業所における人材確保や処遇改善の促進等のための支援体制の強化【新規】 38百万円  事業所における報酬手続き等の事務サポート、広報、人材確保対策等を各都道府県レベルで総合的に支援する体制を整備することにより、令和6年度報酬改定の円滑な施行や、事業所の事務負担の軽減、報酬算定の適正化、処遇改善の促進等を図る。 【令和5年度補正予算】 ・障害福祉の現場で働く人々の収入の引き上げの実施 126億円  障害福祉職員を対象に収入を2%程度(月額平均6千円相当)引き上げるための措置を実施する。(令和6年2月〜同年5月分) ※交付金で実施(補助率10/10) ・障害福祉等分野における食材料費・光熱水費高騰への支援重点支援地方交付金の内数  物価高騰により苦しむ障害福祉サービス事業所・施設等(補装具事業者を含む。)への、重点支援地方交付金の活用を促進する。 ・福祉・介護職員処遇改善加算等の取得促進及び人材確保対策の支援 2.3億円  都道府県等が行う障害福祉サービス等への研修会や専門的な相談員の派遣を通じた助言・指導等の支援、地域の実情に応じて緊急的に実施する障害福祉分野の総合的な人材確保対策の取組みに対する支援を行う。 ・都道府県等による事業所等へのサポート体制の準備支援 1.8億円  障害福祉サービス事業所等サポート事業の円滑な実施に向け、都道府県等におけるサポートセンターの立ち上げ準備に必要な経費を支援する。 3 意思疎通支援事業等による地域生活支援の推進【一部新規】 505億円(504億円)  意思疎通支援など障害者等の地域生活を支援する事業について、地域の特性や利用者の状況に応じ、事業の推進を図る。  注)地域共生社会の実現に向けた重層的支援体制整備事業※の対応分を含む。  また、令和5年度予算額は、令和6年度障害福祉サービス報酬改定により障害福祉サービス報酬へ移行する「地域移行のための安心生活支援事業」分を除く。 ※障害分は基幹相談支援センター等機能強化事業等分、地域活動支援センター機能強化事業分。いずれも基本事業の交付税措置分を除く。 4 障害福祉サービス事業所等の整備等の推進 44.7億円(44.6億円)  障害者の社会参加支援や地域生活支援を更に推進するため、自治体の整備計画に基づいた民間事業者による通所施設等の整備を支援する。 【令和5年度補正予算】 ・障害者支援施設等の耐災害性強化等 102億円  「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づく障害者支援施設等に対する耐震化整備、非常用自家発電設備の設置、浸水対策等に要する費用の補助を行うとともに、自治体の整備計画に基づく整備を推進する。 ・障害者支援施設等の災害復旧への支援等 3.3億円  災害により被害を受けた障害者支援施設等の速やかな復旧を図るため、障害者支援施設等における災害復旧事業に要する費用を補助するとともに、災害発生時における災害情報の共有体制を構築する。 5 障害者の地域生活の支援体制の充実 @基幹相談支援センターの設置促進及び機能の充実・強化 地域生活支援事業等の内数  改正障害者総合支援法に基づき令和6年4月から基幹相談支援センターの設置が市町村の努力義務となることを踏まえ、市町村における基幹相談支援センターの設置促進や機能の充実・強化の取組を推進する。 A都道府県による地域生活支援体制の整備のための市町村支援の促進【新規】 32百万円  改正障害者総合支援法において令和6年4月から都道府県による市町村への広域的な支援の役割が明記されることを踏まえ、都道府県がアドバイザーを配置する等により、基幹相談支援センターや地域生活支援拠点等の設置・整備や運営に関する市町村への助言等の取組を促進する。 B国による地域生活支援体制整備の支援 11百万円  国において、地域の相談支援体制等の状況について調査・分析を行うとともに、基幹相談支援センターや地域生活支援拠点等の整備の推進や(自立支援)協議会の効果的な運営のため、国と自治体の間で意見交換等を実施するための会議の開催を行う。 6 障害者等への良質かつ適切な医療の提供 2591億円(2527億円)  心身の障害の状態を軽減し、自立した日常生活等を営むために必要な自立支援医療(精神通院医療、身体障害者のための更生医療、身体障害児のための育成医療)等を提供する。また、自立支援医療の利用者負担のあり方については、引き続き検討する。 7 特別児童扶養手当、特別障害者手当等 1977億円(1861億円)  特別児童扶養手当及び特別障害者手当等の支給を行う。 8 障害福祉分野におけるICT・ロボットの導入による生産性向上や経営の協働化等を通じた職場環境の改善 【令和5年度補正予算】 ・障害福祉分野のICT導入支援 4.3億円  障害福祉分野におけるICT活用により、業務効率化や職員の業務負担軽減を推進しながら安全・安心な障害福祉サービスを提供できるよう、障害福祉サービス事業所等におけるICT導入に係るモデル事業を実施する。 ・障害福祉分野のロボット等導入支援 7.3億円  障害福祉サービス事業所等におけるロボット等導入支援の実施により、介護業務の負担軽減等を図り、労働環境の改善、生産性の向上を通じて安全・安心な障害福祉サービスの提供等を推進する。 ・障害福祉分野における小規模事業所の協働化モデル事業 2.0億円  人材の確保・経営の安定化に向けた障害福祉サービス事業所等の協働化モデル事業を実施する。 9 障害者虐待防止、権利擁護などに関する総合的な施策の推進 @障害者虐待防止の推進 6.2億円(6.2億円)  都道府県や市町村で障害者虐待の未然防止や早期発見、迅速な対応、その後の適切な支援を行うため、専門性の高い職員の確保や地域の関係機関の協力体制の整備、関係機関職員への研修、障害者虐待の通報義務等の制度の周知を図ることにより、支援体制の強化を図る。 A障害者虐待防止・権利擁護に関する人材養成の推進 12百万円(12百万円)  国において、障害者の虐待防止や権利擁護に関して各都道府県で指導的役割を担う者の養成研修を実施するとともに、虐待事案の未然防止のための調査研究を行う。 B成年後見制度の利用促進のための体制整備 地域生活支援事業等の内数  「第二期成年後見制度利用促進基本計画」(令和4年3月25日閣議決定)を踏まえ、成年後見制度の利用に要する費用の補助や制度の普及啓発等の取組を推進する。 10 重度訪問介護等の利用促進に係る市町村支援 12億円(12億円)  重度障害者の地域生活を支援するため、重度障害者の割合が著しく高いこと等により訪問系サービスの給付額が国庫負担基準を超えている市町村に対する補助事業について、小規模な市町村に重点を置いた財政支援を行う。 11 重度訪問介護利用者の大学等の修学支援 89百万円(57百万円)  重度障害者が修学するために必要な支援体制を大学等が構築できるまでの間において、大学等の敷地内における身体介助等の提供を支援する。 12 障害者施策に関する調査・研究の推進 2.4億円(2.4億円)  障害者施策全般にわたり解決すべき課題について、現状と課題を科学的に検証・分析し、その結果を政策に反映させていくため、調査・研究等への補助を行う。 13 障害者等の自立・社会参加支援の推進 @障害者の情報アクセシビリティ・コミュニケーション支援(一部再掲・1の3参照) 12.8億円(12.8億円)及び地域生活支援事業等の内数  手話通訳者をはじめとする意思疎通支援従事者の養成・派遣について、全国実施に向けて実施自治体の増加等を推進するとともに、ICT機器の利用支援の取組、読書環境の整備の促進等を行う。 A芸術文化活動の支援の推進(一部再掲・1の3参照)  3.7億円(3.7億円)及び地域生活支援事業等の内数  第2期障害者文化芸術活動推進基本計画の策定を踏まえ、地域における障害者の芸術文化活動を支援する都道府県センターの設置や、障害者芸術・文化祭の開催による芸術文化活動(美術、演劇、音楽等)を通した障害者の社会参加をより一層推進する。  また、特に芸術文化活動の普及が見込めるイベントと連携し、障害者による文化芸術 作品等を創造・発表鑑賞する機会を創出するとともに、国内外に向け広く発信する。 14 障害福祉サービス等情報公表システムの機能強化 【令和5年度補正予算】 ・障害福祉サービス等情報公表システム機能追加 5.3億円  障害福祉サービス事業所の経営の透明性を確保する観点から財務状況のデータベースを整備することにより、費用の使途の透明性の向上を図る。 2 地域移行・地域定着支援などの精神障害者施策等の推進 1 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築【拡充】8.4億円(7.6億円)  精神障害者が地域の一員として安心して自分らしく暮らせるよう、住まいの確保支援を含めた精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指す。  また、市町村長同意による医療保護入院者等を対象とした実効的な支援のため、都道府県等において、訪問支援員が精神科病院へ訪問し、患者の話を丁寧に聴きつつ必要な情報提供を行う事業を行うことができる旨の規定が令和6年4月より新設されるため、 体制の更なる構築を図る。 2 精神科救急医療体制の整備 18億円(18億円)  地域で生活する精神障害者の病状の急変時において、早期に対応が可能な医療体制及び精神科救急情報センターの相談体制を確保するため、引き続き地域の実情に応じた精神科救急医療体制を整備する。  また、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に資する精神科救急医療体制整備を推進するとともに、依存症患者が救急医療を受けた後に適切な専門医療や支援等を継続して受けられるよう、依存症専門医療機関等と精神科救急医療施設等との連携体制を構築する。 3 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に関する医療提供体制の整備の推進 192億円(192億円)  心神喪失者等医療観察法に基づく医療を円滑に行うため、引き続き指定入院医療機関を整備し、地域偏在の解消を進める。  また、指定医療機関の医療従事者等を対象とした研修や指定医療機関相互の技術交流等により、更なる医療の質の向上を図る。 【令和5年度補正予算】 ・心神喪失者等医療観察法指定入院医療機関施設整備事業 1.8億円  心神喪失者等医療観察法指定入院医療機関の医療観察法病棟について、防災・減災の観点から、大規模修繕に必要な施設整備を実施する。 4 アルコール健康障害対策・薬物依存症対策・ギャンブル等依存症対策の推進 @アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症対策の推進(一部再掲・2の2参照) 8.4億円(8.4億円)  アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症患者やその家族等が必要な治療や支援を受けられるよう、全国拠点機関において、依存症対策に携わる人材の養成等に取り組む。  また、都道府県等において、依存症の治療・相談支援等を担う人材を育成するとともに、相談拠点や専門医療機関等の設置を行うことにより、各地域における医療・相談支援体制の整備等を推進する。  さらに、相談支援や普及啓発等に全国規模で取り組む民間団体を支援するとともに、依存症の正しい理解を深めるための普及啓発を実施する。 【令和5年度補正予算】 ・依存症に係る医療の充実等を図るための支援 2.5億円  アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル等依存症及びゲームに関連する問題など、依存症の実態解明や地域の現状・課題に関する調査研究を実施し、依存症対策を推進する。 Aアルコール健康障害対策の推進 12百万円(12百万円)  アルコール健康障害対策基本法及びアルコール健康障害対策推進基本計画に基づき、飲酒に伴うリスクに関する知識の普及啓発や、都道府県におけるアルコール問題に関する横断的取組を支援する。 5 高次脳機能障害及びその関連障害に対する地域支援ネットワーク構築の促進 1.3億円(1.5億円)  高次脳機能障害の当事者への専門的相談支援及び医療と福祉の一体的な支援を普及・定着させるため、高次脳機能障害の診断及びその特性に応じた支援サービスの提供を行う協力医療機関(医療機関、リハビリ機関等)及び専門支援機関(就労支援機関、教育機関等)を確保・明確化する。さらに、地域の関係機関が相互に連携・調整を図り、当事者やその家族等の支援に資する情報提供を行う地域支援ネットワークを構築し、切れ目のない充実した支援体制の促進を図る。 6 てんかんの地域診療連携体制の整備 31百万円(16百万円)  てんかんの治療を専門的に行っている医療機関を「てんかん支援拠点病院」として指定し、関係機関との連携・調整等の実施及び各支援拠点病院で集積された知見の評価・検討を行うため「てんかん全国支援センター」を設け、専門的な相談支援や関係機関との連絡・調整を担う人材の確保や養成等を行い、てんかんの診療連携体制を整備する。 7 摂食障害治療体制の整備 23百万円(19百万円)  摂食障害の治療を専門的に行っている医療機関を「摂食障害支援拠点病院」として指定し、関係機関との連携・調整等の実施及び各支援拠点病院で集積された知見の評価・検討を行うため「摂食障害全国支援センター」を設け、摂食障害の診療連携体制を整備する。 8 こころの健康づくり対策等の推進 89百万円(83百万円)及び地域生活支援事業等の内数  精神疾患を有する方への早期の専門的対応を充実するため、かかりつけ医や精神保健医療福祉関係者への研修を実施するほか、うつ病などの治療で有効な認知行動療法の研修を実施し、治療の質の向上を図る。また、精神保健上の問題による自殺対策のうち、自殺のハイリスク者で再企図の多い自殺未遂者の再企図を防ぐための医療従事者研修等を実施し、医療提供体制を構築する。 9 公認心理師実習演習担当教員及び実習指導者養成講習会事業 33百万円(33百万円)  公認心理師の質の維持・向上のため、公認心理師となるために必要な科目を教授する実習演習担当教員及び実習施設において必要な科目を指導する実習指導者を養成するための講習会を実施する。 10 虐待対応体制整備の支援【新規】 41百万円  改正精神保健福祉法において、令和6年4月から、精神科病院の業務従事者による虐待を受けたと思われる患者を発見した者は速やかに都道府県・指定都市に通報することが義務付けられるため、精神科病院に対する指導監督権限を有する都道府県・指定都市において、虐待事案に対し適切な対応をするために必要な経費について財政的支援を行うことにより、虐待の防止や障害者の保護等の対応ができる体制を整備する。 3 発達障害児者の支援施策の推進 1 強度行動障害を有する者に対する地域支援機能の強化【拡充】 4.3億円(3.9億円)  著しい行動障害が生じているなどの難しい事案に対応する現場の職員を支援するため、高い専門性を有する「広域的支援人材」を発達障害者支援センター等に新たに配置し、現場に訪問等をして適切なアセスメントを行うとともに、現場の職員と共に有効な支援方法の整理を行い、環境調整を進めていく。 2 発達障害の初診待機解消に関する取組の推進 93百万円(93百万円)  発達障害児者の診断に係る初診待機の解消を進めるため、発達障害の医療ネットワークを構築し、発達障害の診療・支援ができる医師の養成を行うための実地研修等の実施や医療機関におけるアセスメント対応職員の配置を進める。 3 発達障害児者とその家族に対する支援 1.6億円(1.6億円)  都道府県及び市町村において、同じ悩みを持つ本人同士や発達障害児者の家族に対するピアサポートや発達障害児者の家族に対するペアレントトレーニング、青年期の発達障害者に対する居場所作り等を実施することにより、発達障害児者及びその家族の支援を推進する。 4 教育と福祉の連携の推進 地域生活支援事業等の内数  市町村内における家庭・教育・福祉の連携促進及び地域支援対応力の向上を図るため、教育委員会や福祉部局、学校、障害児通所支援事業所等の関係者が障害児への切れ目ない支援について協議を行う場の設置や福祉機関と教育機関等との連携の役割を担う「地域連携推進マネジャー」を市町村に配置する。 4 障害者に対する就労支援の推進 1 雇用施策と福祉施策の連携による重度障害者等の就労支援 7.7億円(7.7億円)  重度障害者等に対する就労支援として、雇用施策と福祉施策が連携し、企業が障害者雇用納付金制度に基づく助成金を活用しても支援が充分ではない場合や、重度障害者等が自営業者として働く場合等で、自治体が必要と認めた場合に、必要な就労支援を行う。 2 工賃向上等のための取組の推進 5.8億円(7.0億円)  一般就労が困難な障害者の自立した生活を支援する観点から、就労継続支援事業所などに対し、経営改善、商品開発、市場開拓や販路開拓等に対する支援を行うとともに、在宅障害者に対するICTを活用した就業支援体制の構築や販路開拓等の支援等を実施する。  また、全都道府県において、関係者による協議体の設置により共同受注窓口の機能を強化することで、企業等と障害者就労施設等との受発注のマッチングを促進し、障害者就労施設等に対する官公需や民需の増進を図ることに加え、農福連携に係る共同受注窓口の取組を支援する。 【令和5年度補正予算】 ○工賃向上等のための取組の推進 7.5億円 ・ICT機器等導入による障害者の生産能力向上及び就労可能分野の拡充の推進 3.2億円  事業所の生産活動の改善等に向けた取組をさらに支援するため、障害特性に配慮したICT機器等の導入に係る費用の補助を通じ、利用者が働きやすい職場環境を整備することにより、障害者の生産能力の向上を図るとともに、障害者が従事可能な担当業務の拡充を図る。 ・障害者就労施設工賃向上生産設備導入モデル事業 3.0億円  障害者就労施設が生産設備を導入し、障害者の工賃向上に資する取組を行う際にモデル事業として実施し、その効果を検証のうえ好事例の横展開を図る。 ・農福連携プラス推進モデル事業 1.3億円  農福連携の取組みに意欲的な障害者就労支援施設に対して、マッチング、立ち上げ支援と一括的に支援し、効果検証を含む事例報告までを一気通貫にしたモデル事業を行い、事例の全国展開をすることで、農福連携の取組を推進する。 3 障害者就業・生活支援センター事業の推進 7.9億円(7.9億円)  就業に伴う日常生活の支援を必要とする障害者に対し、窓口での相談や職場・家庭訪問等による生活面の支援などを実施する。 4 障害者の能力や適性等に合った一般就労や就労系障害福祉サービスの選択を支援する取組の推進 【令和5年度補正予算】 ・就労の開始・継続段階の支援における地域連携の実践に関するモデル事業 40百万円  就労アセスメントの手法を活用して必要な支援を行う新たなサービス(就労選択支援)の円滑な運用に資するよう、多機関連携の在り方などをはじめとした各地域の実情に応じた効果的な実施方法等の構築に向けて、モデル的な取組を通じて課題やノウハウを収集する。また、就労選択支援の開始に向けたマニュアル等の資料作成を行う。 5 東日本大震災からの復旧・復興への支援 1 「第2期復興・創生期間」の終了を見据えた障害福祉サービスの再構築支援(復興) 29百万円(57百万円)  令和7年度に「第2期復興・創生期間」が終了することを見据え、期間終了後の障害福祉サービスの提供体制の確保や事業所の自立を図るための事業に要する費用について、財政支援を行う。 2 避難指示区域等での障害福祉制度の特別措置(復興) 15百万円(15百万円)  東京電力福島第一原発の事故により設定された帰還困難区域等及び上位所得層を除く旧緊急時避難準備区域等・旧避難指示解除準備区域等の住民について、障害福祉サービス等の利用者負担の免除の措置を延長する場合には、引き続き市町村等の負担を軽減するための財政支援を行う。 3 被災地心のケア支援体制の整備(復興) 被災者支援総合交付金(93億円)の内数  東日本大震災による被災者の精神保健面の支援のため、専門職による相談支援等を実施するとともに、自主避難者等への支援などを通じて、引き続き専門的な心のケア支援を行う。 【P30-31】 ニュースファイル 地方の動き 秋田 「耳で聴くハザードマップ」を開始  秋田県が、視覚障害者らを対象に、現在地や任意地点における災害リスク情報などを音声で聴くことのできる「耳で聴くハザードマップ」の利用を開始した。2023(令和5)年7月に秋田県を襲った記録的大雨被害で、障害のある人や高齢者から「状況がわからない」という声が多くあがったことから対応を検討してきた。  「耳で聴くハザードマップ」は、スマートフォン のGPS機能を利用し、気象情報、標高、洪水リスク、避難場所までのナビゲートなどを音声読上げアプリ「Uni-Voice(ユニボイス ) Blind(ブラインド)」を活用して聴くことができる。スマートフォンにアプリをダウンロードし、(1)現在地情報を示すアイコンを選択し、現在地情報(現在地の住所、気象情報、天気予報など)をGPS機能により取得し、音声で読み上げる。(2)現在地情報のページ内のハザードマップを選択すると、その地点周辺の洪水、土砂災害、高潮、津波に関する災害リスクなどの情報(浸水の深さ、土砂災害の危険の恐れなど)を音声で案内。(3)現在地から最寄り・周辺の避難場所へのナビゲーションが可能、というもの。 https://www.bousai-akita.jp/pages/?article_id=646 鹿児島 「よか活動支援事業」で車いすを貸出し  阿久根(あくね)市は、障害のある人などの社会参加の促進・生きがいづくりの一環として、レクリエーションや趣味など余暇活動に関する用具の貸出事業を始めた。  貸し出す活動用具は2種類。一つは車いすバスケットボール・車いすテニスなどの車いすスポーツ入門や体験用の車いすとして使用できる「スポーツ入門用車いす」。もう一つは「アウトドアアクティビティ用電動車いす」で、高い走破性と小回り性を備える近距離モビリティとして、より段差の大きなところやキャンプ場などの砂利道、芝生も走行できるという。貸出期間は1週間以内(貸出し・返却期間を含む)で、貸出料は無料。  貸出対象者は、市内に住所がある障害者手帳を持つ人や難病患者で、活動用具の受渡し・返却は、平日8:15〜17:15。 問合せは阿久根市福祉課福祉係へ。 電話:0996−73−1240 働く 群馬 県内11例目の特例子会社の認定取得  大手スーパーの「株式会社ベイシア」(前橋市)が、障害者雇用を促進するため2023(令和5)年10月に設立した子会社「株式会社ベイシアオープス」が、2024年4月に障害者雇用促進法に基づく特例子会社の認定を取得した。群馬県内で特例子会社は11社目。  これまでベイシアでは店舗やプロセスセンターを中心に障害者雇用を行い、2024年5月現在で170人以上の障害のある人が働いているという。一方でベイシア本部での採用・配属が進んでおらず、勤務形態や業務内容も限定的となっているなどの課題があったことから、ベイシアオープスでは、ベイシア本部での清掃業務や社内の業務委託などをになっていく予定。従業員数は現在9人。  「ベイシアオープス」は「BOH」と表現し、社名の「Beisia」、ラテン語の「Ops(豊かさ、才能)」、英語の「Happy(幸せ)」の頭文字をとり、「障がい者が自分の才能を発揮し続ける、社会との繋がりも大切にしたい」との想いを込めているとしている。 栃木 エンターテイメント企業が宇都宮市で障害者雇用を拡充  出版などを展開する「株式会社KADOKAWA」(東京都)は、障害者支援施設の運営や鶏卵生産販売などを行う「Win(ウィン) Graffiti(グラフィティ)株式会社」(以下、「ウィン社」)(宇都宮市)を子会社化した。障害のある人を含めた多様性のある雇用モデルを推進するという。  KADOKAWAは2019(令和元)年にコーヒー豆の焙煎(ばいせん)・販売などを手がける特例子会社を設立するなどして障害者雇用を進めてきた。一方のウィン社は2014(平成26)年に設立され、従業員25人のうち障害のある人は15人。2019年からは希少な純国産鶏を飼育し、高級卵を生産販売している。高付加価値な作業に障害のある人が主体的に関与できるスキームを確立しているウィン社の完全子会社化を行うことで、事業として成立しうるサステナブルな障害者雇用の拡充を行っていくとしている。 本紹介 『よりよいコミュニケーションのための聞こえのワークブック【普及版】』  国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科科長の南(みなみ)修司郎(しゅうじろう)さんや、九州大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科学分野教授の中川(なかがわ)尚志(たかし)さんらが『よりよいコミュニケーションのための聞こえのワークブック【普及版】』(梓書院刊)を出版した。  近年、障害に対する個人の技量の向上を目ざして提唱されている考え方「セルフアドボカシー」の視点から、当事者が、必要なサポートを獲得するために自分で周囲と交渉、同意に至る技術を身につけ、自尊心を持って対応できることが、その人の生き方を変えることにつながるとしている。「聞こえにくさは補聴器や人工内耳などで聞こえやすくすることで解決されると一般的に考えられています。しかし、実際はそうではありません。聞こえにくさは一人ひとり異なっており、その方に適した方法を探していかないといけません。しかし、本人の努力だけで解決しないことの方がむしろ多いのではないかと思います」(前書きより)。  また、本書は、本人および近くの人がどのように聞こえにくいか、それにはどのような対応が適しているかを書き込んで一緒に学べるワークブック形式となっている。A4判132ページ、1760円(税込)。 アビリンピック マスコットキャラクター アビリス 2024年度地方アビリンピック開催予定 7月末〜9月 岩手県、新潟県、広島県、徳島県 *開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります *  は開催終了 地方アビリンピック 検索 ※日程や会場については、変更となる場合があります。 ※全国アビリンピックは11月22日(金)〜11月24日(日)に、愛知県で開催されます。 岩手県 新潟県 広島(体験会として実施) 徳島県 ミニコラム 第37回 編集委員のひとこと ※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は大塚委員が執筆しています。ご一読ください。 「めし いくで」 株式会社FVP 代表取締役 大塚由紀子  今回の「編集委員が行く」の取材で訪ねた京都府の株式会社王将ハートフルは、親会社の株式会社王将フードサービスの工場内で、「餃子の王将」の西日本エリアの店舗で提供される餃子の材料であるキャベツやニンニクなどの一次加工を一手に引き受けている。  取材では、株式会社王将フードサービス久御山工場工場長の八田さんにもお話をうかがえた。「品質、スピードとも申し分ない。障害のある社員たちにできない仕事はないとさえ思う」といった発言が聞かれ、障害のある社員たちの仕事に全幅の信頼を寄せていることがうかがえた。  じつは、それより感動的なできごとに遭遇した(きわめて個人的意見)。  それは、昼食休憩の前の時間で撮影した集合写真で「はいチーズ!」とポーズを決めていただき、「OK!」と解散となった直後のこと。八田さんが王将ハートフルの社員たちに「めし いくで」と声をかけた。社員たちは元気よく「はい!」と答え、一緒に食堂に向かっていった。それだけのことではある。それだけのことなのだが、私は泣けた。目頭が熱くなってしまった。一緒に働く喜びとはこういうものだと私は信じている。 【P32】 掲示板 事業主のみなさまへ 中央障害者雇用情報センターのご案内 障害者雇用に関する相談・援助 企業の規模・業種の特性に応じた障害者の雇用管理に関する相談に応じます。 中央障害者雇用情報センターの詳しい情報はこちら。 障害者雇用管理サポーターによる支援 障害者の雇用管理にかかる専門的な支援を必要とする事業所への専門家(障害者雇用管理サポーター)の派遣に関する相談を行います。 登録サポーターの専用検索サイトはこちら。 就労支援機器の展示・相談・貸出し 障害者の就労を支援する機器の活用事例の紹介やデモンストレーション、導入・貸出しに関する相談を行います。 貸出対象機器、貸出申請書類はこちら。 ◆お問合せ先 中央障害者雇用情報センター 住所:〒130-0022 東京都墨田区江東橋2-19-12 ハローワーク墨田5階 TEL:03-5638-2792 E-mail:syougai-soudan@jeed.go.jp 利用時間:月〜金(8時45分〜17時) ※祝日および12月29日〜1月3日を除く 公式X(旧Twitter)はこちら! 最新号発行のお知らせやコーナー紹介などをお届けします。 @JEED_hiroba メールマガジン好評配信中! 詳しくは JEED メルマガ 検索 次号予告 ●この人を訪ねて  「ダウン症の書家」である金澤翔子さんの母で同じく書家の、金澤泰子さんに、親亡き後についてのお考えや地域社会のつながりの大切さなどについて、お話をうかがいます。 ●職場ルポ  仙台市を拠点に建設コンサルタントなどの事業を行う株式会社ダイワ技術サービス(宮城県)を取材。職場の環境整備を行い、地域の支援機関と連携しながら障害者雇用に取り組む様子をお伝えします。 ●グラビア  「令和6年度障害者雇用支援月間における絵画・写真コンテスト」入賞作品を紹介します。 ●編集委員が行く  諏訪田克彦編集委員が、「とやま障害者フレンドリー企業」に認証されている「こまつな菊ちゃんハウス」(富山県)を訪問。一人ひとりの適性を見ながら育成する取組みなどについて取材します。 『働く広場』読者のみなさまへ  2024年9月号は、「令和6年度障害者雇用支援月間における絵画・写真コンテスト」入賞作品の公表日の関係から、お手元への到着が通常よりも数日遅れることが見込まれています。ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。ご不明な点は、JEED企画部情報公開広報課(電話043-213-6200)までお問い合わせください。 本誌購入方法 定期購読のほか、最新号やバックナンバーのご購入は、下記へお申し込みください。 1冊からのご購入も受けつけています。 ◆インターネットでのお申し込み 富士山マガジンサービス 検索 ◆お電話、FAXでのお申し込み 株式会社広済堂ネクストまでご連絡ください。 TEL 03-5484-8821 FAX 03-5484-8822 あなたの原稿をお待ちしています ■声−障害者雇用にかかわるお考えやご意見、行事やできごとなどを500字以内で編集部(企画部情報公開広報課)まで。 ●発行−−独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) 発行人−−企画部長 鈴井秀彦 編集人−−企画部次長 綱川香代子 〒261−8558 千葉県千葉市美浜区若葉3−1−2 電話 043−213−6200(企画部情報公開広報課) ホームページ https://www.jeed.go.jp メールアドレス hiroba@jeed.go.jp ●発売所−−株式会社広済堂ネクスト 〒105−8318 東京都港区芝浦1−2−3 シーバンスS館13階 電話 03−5484−8821 FAX 03−5484−8822 8月号 定価141円(本体129円+税)送料別 令和6年7月25日発行 無断転載を禁ずる ・本誌に掲載した論文等で意見にわたる部分は、それぞれ筆者の個人的見解であることをお断りします。また、本誌では「障害」という表記を基本としていますが、執筆者・取材先の方針などから、ほかの表記とすることがあります。 編集委員 (五十音順) 株式会社FVP 代表取締役 大塚由紀子 トヨタループス株式会社 管理部次長 金井渉 NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク 副理事・統括施設長 金塚たかし 弘前大学教職大学院 教授 菊地一文 武庫川女子大学 准教授 諏訪田克彦 サントリービバレッジソリューション株式会社 人事本部 副部長 平岡典子 神奈川県立保健福祉大学 名誉教授 松爲信雄 有限会社まるみ 取締役社長 三鴨岐子 筑波大学大学院 教授 八重田淳 国際医療福祉大学 准教授 若林功 【P33】 読者アンケートにご協力をお願いします! いつもご愛読いただき、ありがとうございます。「働く広場」では、よりよい誌面をつくるため、読者アンケートを実施しています。 ぜひみなさまの声をお聞かせください。 お待ちしています! 回答方法 Webにてお寄せください。 コードはこちら ※カメラで読み取ったリンク先がhttps://krs.bz/jeed/m/hiroba_enquete であることを確認のうえアクセスしてください 【令和5年度読者アンケート結果の一部より】 ご回答者の所属先 民間企業61.9% 障害者福祉施設(就労支援機関を含む)・団体18.0% 学校・教育機関4.7% 医療機関4.1% 国、地方公共団体の機関4.4% 個人1.4% その他5.0% 無回答0.6% ※その他:社会福祉協議会、介護施設、NPO法人 など 「働く広場」は参考になっていますか? 非常に参考になる19.3% 参考になる66.3% あまり参考にならない7.2% 参考にならない1.7% 無回答5.5% 参考になったコーナーとその理由 【職場ルポ】実際の対応や工夫されているところなどがわかりやすい。/職場の生の声を聞くことができる。 【グラビア】さまざまな業種での活躍ぶりを知ることができる。/実際に行っている業務が写真でわかりやすい。 【編集委員が行く】他社の先進的事例などが学べ、自身の知識のアップデートができる。/企業、学校、病院などさまざまな視点から、就労支援について話を聞けるので新たな発見がある。 企画部 情報公開広報課 TEL:043-213-6200 【裏表紙】 国立職業リハビリテーションセンター 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 訓練生募集のお知らせ 〜障害のある方々の就職に向けた職業訓練や就職支援を実施しています〜 国立職業リハビリテーションセンター 訓練系 訓練コース メカトロ系 機械CADコース 電子技術・CADコース FAシステムコース 組立・検査コース 建築系建築CADコース 情報系 DTPコース Webコース ソフトウェア開発コース システム活用コース 視覚障害者情報アクセスコース ビジネス系 会計ビジネスコース OAビジネスコース オフィスワークコース 物流系 物流・資材管理コース 職域開発系 オフィスアシスタントコース 販売・物流ワークコース サービスワークコース 入所期 ハローワークへの申請書提出締切日 入所日 11月入所期 令和6年8月22日(木) 令和6年11月8日(金) 12月入所期 令和6年9月19日(木) 令和6年12月6日(金) 1月入所期 令和6年10月18日(金) 令和7年1月9日(木) 3月入所期 令和6年12月13日(金) 令和7年3月11日(火) 4月入所期 令和7年1月20日(月) 令和7年4月17日(木) 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 訓練系 訓練コース メカトロ系 機械CADコース 電気・電子技術・CADコース 組立・検査コース 製造ワークコース ビジネス情報系 システム設計・管理コース 【視覚障害者対象】ITビジネスコース 会計ビジネスコース OAビジネスコース オフィスワークコース アシスタント系 販売・物流ワークコース サービスワークコース 入所期 ハローワークへの申請書提出締切日 入所日 11月入所期 令和6年8月29日(木) 令和6年11月7日(木) 1月入所期 令和6年11月7日(木) 令和7年1月9日(木) 2月入所期 令和6年11月21日(木) 令和7年2月5日(水) 4月入所期 令和7年2月6日(木) 令和7年4月8日(火) ●訓練の期間は……  1年間が基本です。「システム設計・管理コース」、「ITビジネスコース」(ともに国立吉備高原職業リハビリテーションセンター)のみ2年間です。 ●遠方の方については……  国立吉備高原職業リハビリテーションセンターでは、併設の宿舎が利用できます。国立職業リハビリテーションセンターでは、身体障害、高次脳機能障害のある方、難病の方は、隣接する国立障害者リハビリテーションセンターの宿舎を利用することができます。 視覚障害者の支援機器を活用した訓練風景 3DCADを活用した訓練風景 国立職業リハビリテーションセンター 埼玉県所沢市並木4-2 職業評価課 TEL:04-2995-1201 https://www.nvrcd.jeed.go.jp 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 岡山県加賀郡吉備中央町吉川7520 職業評価課 TEL:0866-56-9001 https://www.kibireha.jeed.go.jp 8月号 令和6年7月25日発行 通巻562号 毎月1回25日発行 定価141円(本体129円+税)