グラビア 働くことはたいへんだけど楽しい 株式会社小田原百貨店 Pantry 南足柄店(神奈川県) 取材先データ 株式会社小田原百貨店 Pantry(パントリー) 南足柄(みなみあしがら)店 〒250-0126 神奈川県南足柄市狩野123 TEL 0465-71-1125 写真・文:官野貴  神奈川県県西地域でスーパーマーケット「Pantry(パントリー)」を展開する「株式会社小田原百貨店」(以下、「小田原百貨店」)では、地域貢献、社会貢献の一環として障害者雇用に力を入れている。現在、障害のある従業員17人(知的障害15人、身体障害2人)が、各店舗のさまざまな部門で働いている。その取組みが評価され、2023(令和5)年度には、「障害者雇用優良事業所厚生労働大臣表彰」を受賞している。  南足柄(みなみあしがら)店では、入社11年目で知的障害のある亀井(かめい)稜太(りょうた)さん(27歳)が活躍している。亀井さんは、青果部門において、商品の販売準備や品出し、冷蔵庫の温度チェックなど多岐にわたる業務をこなしている。かぼちゃの販売準備では、段ボール箱からかぼちゃを取り出し、四分割しラップを巻いて値札を貼る、という一連の作業を手際よく進める。  青果部門は、商品のカットや袋詰めなど人手がかかる部門だが、ここで障害のある従業員は欠かすことのできない戦力として活躍している。亀井さんに仕事についての感想をたずねると「働くことはたいへんだけど楽しい。お店のみんながやさしいです」と話してくれた。  小田原百貨店では、地元の特別支援学校と連携し、生徒の職場実習を受け入れている。高等部2年生で1週間、3年生で2週間の職場実習を2回行っている。人事担当者によると、本人が楽しく働けているか、挨拶など声を出せているかなどに気を配りながら受け入れているという。  勤務時間への配慮などから、障害のある従業員の多くがパート社員として働いているが、本人が希望し勤続年数や仕事の評価など一定の条件を満たせば、正社員としての登用も行っているという。同社では、今後も積極的に障害者雇用に取り組んでいく予定だ。 写真のキャプション 「Pantry」南足柄店 青果売場 青果部門のバックヤード かぼちゃの販売準備 @専用のカッターでかぼちゃを四分割する亀井稜太さん A四分割したかぼちゃからヘタを取り除く Bかぼちゃにラップを巻く。きれいに巻くためにはコツがいる C値札を発行する。亀井さんは商品コードを暗記している D見やすい位置にきちんと値札を貼りつける E商品のできあがり。ラップがしわなくきれいに巻かれている 亀井稜太さん F商品を売り場へと運ぶ。バックヤードから売り場に出る際は挨拶を忘れずに G商品を見栄えよく並べる H空の段ボール箱を片づける 続いて、きゅうりの販売準備に取りかかる 「冷蔵庫の温度チェック」。温度を確認し、確認表に記入する。商品の鮮度を守る大切な作業だ 「前出し作業」。隙間の空いた商品棚を整理し、商品を取り出しやすく並べ直す 「袋詰め」。青果部門は商品準備に手間暇がかかる