JEEDインフォメーション 〜高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのお知らせ〜 「障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金」の活用事例  「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」は、事業主が障害者の雇用にあたって、施設・設備の整備や適切な雇用管理を図るための特別な措置を行う場合に、その費用の一部を助成することにより、事業主の一時的な経済的負担を軽減し、障害者の雇用の促進や雇用の継続を図ることを目的としています。  今回は、これらの助成金を効果的に活用した事例を紹介します 事例1 〜職場に適応していくための企業在籍型職場適応援助者の支援〜 【企業在籍型職場適応援助者助成金】  精神障害のあるAさんは、特例子会社B社に勤務しています。  勤務するなかで、ストレスがたまると体に痛みが出ることや、複数の指示を受けると余裕がなくなりミスが増えるという悩みを抱えていました。  その悩みを解消するためにB社は、助成金の活用を想定し、必要な支援が常時できるよう企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)の資格を有するCさんを配置し、計画に基づきAさんの支援を始めました。  Cさんは、ストレスをためないための休憩の仕方をAさんに助言し、自身を客観的にふり返るための業務日誌の作成やミスを少なくできるような業務マニュアルの作成などを行いました。  Aさんは、Cさんの支援で自身の抱える悩みを解消する方法を身につけることができ、いままでよりも安心して勤務に励んでいます。 事例2 〜視覚障害の負担を軽減するための就労支援機器の購入〜 【障害者作業施設設置等助成金(第1種作業施設設置等助成金)】  視覚障害のあるDさんは、事務職としてE社に採用され、パソコンを使用して顧客情報や書類の確認などを行う業務に従事することになりました。  E社は、Dさんの障害に配慮するため、JEEDの中央障害者雇用情報センターの就労支援機器無料貸出し制度を利用し、Dさんの業務に適した拡大読書器やパソコンの画面読上げソフトの貸与を受けました。採用後、Dさんは、貸出し機器を利用しながら、事務職として支障なく業務に従事することができました。  機器の有効性を確認したE社は、今後も継続して利用するため、機器の購入を決定し、その際、助成金を活用しました。  Dさんは、就労支援機器の活用により、業務遂行上の支障が軽減され、現在も円滑に業務に従事しています。 事例3 〜中途障害者の職場復帰に配慮したトイレ改修工事〜 【障害者作業施設設置等助成金(第1種作業施設設置等助成金)】  F社で生産管理を担当していたGさんは、健康診断で指摘を受け、再検査により直腸がんが見つかり、人工肛門造設の手術を受けました。  しばらく入院し休職していましたが、その後体調も回復し職場復帰が可能となりました。ところが、F社にはオストメイト対応トイレがなく、Gさんは定期的に近隣の公共施設の多機能トイレで処理やストーマ装具の交換・洗浄を行うことが必要となりました。  そこでF社は、助成金を活用し、社内のトイレをオストメイト対応トイレに改修しました。  社内にオストメイト対応トイレが整備されたことにより、Gさんの負担は軽減され、中途障害を負う前と同様に活躍しています。 事例4 〜常時見守りつつ就業上の支援を行う職場支援員の配置〜 【障害者介助等助成金(職場支援員の配置助成金)  難病等患者のHさんは、治療による効果で病状を抑えることができており、J社で就労支援利用者の軽作業のフォローや事務作業を行う仕事に就いていますが、ときには病状が悪化して業務が負担となることや、無理をしすぎて体調を崩すことがありました。  そのためJ社は、助成金を活用して職場支援員を配置し、Hさんを常時見守る体制や定期的な面談体制を整備しました。  その結果、Hさんの体調管理の支援と業務量の調整が適切に行えるようになり、業務負担の軽減により、無理なく働き続けています。 事例5 〜視覚障害者をサポートする職場介助者の配置〜 【障害者介助等助成金(職場介助者の配置助成金)】  建設業を営むK社で勤務するLさんは、管理部において発注・納品管理、行政機関への各種申請、見積書の作成などの業務に従事しています。  Lさんは以前から視覚障害がありましたが、障害の程度が進み、書類やメール、図面の確認に支障をきたすようになりました。  そこでK社は、助成金を活用して職場介助者を配置し、Lさんの業務のサポートを行うことにしました。メールの代読やLさんが下書きした書類の代筆、図面を確認する際には職場介助者が内容を伝えて業務をサポートします。また、職場介助者の同行により、自身で行政機関等の窓口へ各種申請に行くことも可能になりました。  その結果、Lさんは以前と同じ業務で働き続けることができています。 令和6年4月に新設された【障害者雇用相談援助助成金】の受付を開始しています 【助成金の概要】 対象障害者の雇入れおよびその雇用の継続を図るために必要な一連の雇用管理に関する援助の事業(障害者雇用相談援助事業)を、当該援助事業の利用事業主に対して行う事業者に支給します。 【対象となる事業等】 @障害者雇用相談援助事業の利用事業主の公共職業安定所への求人申込みにつながったもの A対象障害者を雇入れし、6カ月以上の雇用継続を行ったもの 【支給限度額】 @60万円(中小企業または除外率設定業種事業主は80万円) A対象障害者1人につき7万5000円(中小企業または除外率設定業種事業主は10万円) ※JEEDの助成金等に関する申請手続き等は、JEED都道府県支部高齢・障害者業務課(東京、大阪は高齢・障害者窓口サービス課)にお問い合わせください。 https://www.jeed.go.jp/location/shibu/index.html 国立職業リハビリテーションセンター 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 訓練生募集のお知らせ 〜障害のある方々の就職に向けた職業訓練や就職支援を実施しています〜 募集訓練コース、募集日程、訓練開始月 国立職業リハビリテーションセンター 訓練系 訓練コース メカトロ系 機械CADコース 電子技術・CADコース FAシステムコース 組立・検査コース 建築系 建築CADコース 情報系 DTPコース Webコース ソフトウェア開発コース システム活用コース 視覚障害者情報アクセスコース ビジネス系 会計ビジネスコース OAビジネスコース オフィスワークコース 物流系 物流・資材管理コース 職域開発系 オフィスアシスタントコース 販売・物流ワークコース サービスワークコース 入所期 ハローワークへの申請書提出締切日 入所日 1月入所期 令和6年10月18日(金) 令和7年1月9日(木) 3月入所期 令和6年12月13日(金) 令和7年3月11日(火) 4月入所期 令和7年1月20日(月) 令和7年4月17日(木) 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 訓練系 訓練コース メカトロ系 機械CADコース 電気・電子技術・CADコース 組立・検査コース 製造ワークコース ビジネス情報系 システム設計・管理コース 【視覚障害者対象】ITビジネスコース 会計ビジネスコース OAビジネスコース オフィスワークコース アシスタント系 販売・物流ワークコース サービスワークコース 入所期 ハローワークへの申請書提出締切日 入所日 1月入所期 令和6年11月7日(木) 令和7年1月9日(木) 2月入所期 令和6年11月21日(木) 令和7年2月5日(水) 4月入所期 令和7年2月6日(木) 令和7年4月8日(火) ●訓練の期間は……  1年間が基本です。「システム設計・管理コース」、「ITビジネスコース」(ともに国立吉備高原職業リハビリテーションセンター)のみ2年間です。 ●遠方の方については……  国立吉備高原職業リハビリテーションセンターでは、併設の宿舎が利用できます。国立職業リハビリテーションセンターでは、身体障害、高次脳機能障害のある方、難病の方は、隣接する国立障害者リハビリテーションセンターの宿舎を利用することができます。 国立職業リハビリテーションセンター 埼玉県所沢市並木4-2 職業評価課 TEL:04-2995-1201 https://www.nvrcd.jeed.go.jp 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 岡山県加賀郡吉備中央町吉川7520 職業評価課 TEL:0866-56-9001 https://www.kibireha.jeed.go.jp 写真のキャプション 視覚障害者の支援機器を活用した訓練風景 3DCADを活用した訓練風景