ニュースファイル 国の動き 厚生労働省 障害者テレワーク雇用の相談窓口を開設  厚生労働省は、ICTを活用した障害者のテレワーク雇用を推進するため、障害者をテレワークで雇用することを検討している企業などを対象に、個別具体的な課題の解決に向けたサポートを行う相談窓口を開設した。  テレワーク導入について「まだ情報収集中である」、「相談事項が明確になっていない」といった状況であっても、経験豊富な専門アドバイザーが他社事例の紹介や課題整理に向けた支援を行うなど、業務構築から採用、定着・活躍支援まで一貫してサポートする。初めての雇用でも追加雇用でも1社あたり最大5回まで無料で利用でき、サポートを受けて障害者のテレワーク雇用を導入した場合は追加で最大2回の支援を受けられる。相談窓口の詳細については左記ホームページで。 https://twp.mhlw.go.jp 地方の動き 埼玉 県が「就労B型受注拡大ステーション」を開設  埼玉県が、県障害者交流センター(さいたま市)内に「埼玉県就労B型受注拡大ステーション」を開設した。就労継続支援B型事業所と民間事業者の需要をマッチングする窓口を設置するとともに、事業所の受注確保に向けて民間の需要に対応できる商品開発やデザイン力などのスキルの向上、販路の拡大などを支援する。  具体的な事業は、@共同受注窓口の設置(仕事を依頼したい一般企業からの受注を集約し、受託先となる就労継続支援B型事業所とのマッチングを行う窓口の設置・運営)、A専門家派遣(経営指導、商品開発、デザイン指導など事業所のニーズに応じた専門家の派遣)、B販売戦略・生産効率向上研修会(経営コンサルタント、中小企業診断士、税理士などによる研修)、C販路拡大支援(就労継続支援B型事業所の販路の開拓のため企業などへの働きかけや事業所との仲介)、など。  運営は一般社団法人埼玉県セルプセンター協議会(さいたま市)に委託。開所時間は10時〜15時(月〜金)。 電話:048−711−2523 https://www.saitama-jyusan.jp/b-gata-station 生活情報 全国 障害者施設の倒産・廃業が過去最多  信用調査会社の株式会社帝国データバンク(東京都)は、障害者の就労支援やグループホーム運営、生活介護事業などを手がける障害者支援事業者について、倒産(負債1000万円以上、法的整理)と休廃業・解散となった件数が、2023(令和5)年度は計71件となり、前年度の41件から約1.7倍に急増し、過去最多を更新したと発表した。  発表資料によると、近年は利用者の囲い込みなど競争が激化し、計画通りの利用者獲得や事業収入が見込めなくなり、事業継続を断念した事業者が目立っているという。2022年度の損益動向が判明した障害者支援事業者のうち、37.2%にあたる1427事業者が「赤字」運営となり、割合は「障害者総合支援法」が施行された2013(平成25)年度以降で最高だった。前年度からの「減益」(28.3%、1086事業者)を合わせると、3分の2で業績が「悪化」した。  2024年度に改定された障害者福祉サービス報酬では、物価高騰や賃上げに配慮した項目がある一方で、生活介護などでは基本報酬の算定ルールが見直された。質の高い支援やサービスが提供できない事業者を中心に、今後さらに淘汰が進む可能性があるとしている。 https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p240611.pdf 茨城 点字本『宇宙と物質の起源「見えない世界」を理解する』を制作  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)の素粒子原子核研究所(つくば市)は、国立大学法人筑波技術大学(つくば市)と共同で点字本『宇宙と物質の起源「見えない世界」を理解する』を制作した。大学や学校の図書館、視覚障害者情報提供施設などに書籍と触図版のセットを寄贈する予定。点訳版と触図版のデータは国立国会図書館とKEK、筑波技術大学のリポジトリ(大学や研究機関の知的生産物の提供システム)に登録され、無料でダウンロードできる。  同書は、宇宙が138億年前に誕生してから物質や地球、生命が生まれた過程についてこれまでの知見や今後の研究で解明が期待される内容をやさしく解説した入門書。同書の原本は、同名の書籍として2024年3月に発行されている(講談社刊)。  自然科学系の図書の内容に精通した点訳者が少なく流通も少ないなか、宇宙や物質について学びたい視覚障害者の思いに応えるべく企画された。研究者10人がテーマごとに執筆した原稿を、筑波技術大学・障害者高等教育研究支援センターのチームが点訳を行った。視覚障害当事者による試読を経て文章を校正し、視覚障害者にわかりやすい表現に修正。グラフや概念図のほとんどを省略せず、文章と触図(視覚障害者が触って読むために紙面を盛り上がらせた図)で表現したという。 https://www.kek.jp/wp-content/uploads/2024/05/pr20240510braille.pdf 本紹介 『障害をもつ人の「自立」と人権――学びと就労のために』  明治大学文学部専任教授の小林(こばやし)繁(しげる)さんが『障害をもつ人の「自立」と人権――学びと就労のために』(現代書館刊)を出版した。  社会教育を専門とする小林さんが長年、“障害をもつ”人の学習文化支援にたずさわることによって実感した、社会との「つながり」の重要性や、“障害をもつ”人が就労のなかで学び、学びながら働き続けることによって、地域のなかでの「自立」が真に可能になるという。そして、“障害をもつ”人の生活の質(QOL)と人権が担保されることなど、“障害をもつ”人の人権と自立を支えるための概念や、日本と世界における就労の実践について紹介している。  “障害をもつ”人の人権から考える優生思想と「固有の尊厳」、北欧やイタリアでの精神保健福祉・教育文化の取組み、精神障害当事者のリカバリーを支えるアメリカのヴィレッジISAの取組みのほか、日本での就労支援の展望と課題としてソーシャルファームと農福連携、さらに“障害をもつ”人が働く喫茶(カフェ)の可能性と課題としてコロナ禍での対応をめぐる就労とその支援方法などについても解説。A5判、264ページ、2970円(税込)。 アビリンピック マスコットキャラクター アビリス 2024年度地方アビリンピック開催予定 10月〜11月 北海道、青森県、千葉県、神奈川県、石川県、山梨県、滋賀県、山口県、大分県 *開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります *  は開催終了 地方アビリンピック 検索 ※日程や会場については、変更となる場合があります。 ※全国アビリンピックは11月22日(金)〜11月24日(日)に、愛知県で開催されます。 地図文字 北海道 青森 千葉 神奈川 石川 山梨 滋賀 山口 大分