ニュースファイル
国の動き
国土交通省
自動車事故被害者受入れ施設を支援
 国土交通省は、在宅で療養生活を送っている自動車事故の重度後遺障害者について、その介護者がさまざまな理由により介護がむずかしくなる場合(いわゆる「介護者なき後」)も安心して生活を送ることのできる環境を整備するため、障害者支援施設やグループホームの新設・開設後に必要となる人材確保と介護器具導入に関する経費を補助する対象事業所を40カ所選定した。施設利用を検討する際の参考にしてほしいとしている。事業所の一覧は、国土交通省のホームぺージより閲覧できる。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000657.html
地方の動き
福岡
障害者がARグラスで就業訓練
 福岡県は、公益財団法人日本財団(東京都)と西鉄グループ(福岡県)、NPO法人セルプセンター福岡(福岡県)と連携して、実際に見ている映像をリアルタイムで共有できる「ARグラス」を活用した、障害のある人向けの業務訓練を9月からスタートした。
 具体的な流れは、西鉄グループ6社で切り出した各業務をNPO法人セルプセンター福岡がマニュアル化し、ARグラスで見られる訓練ツールを作成。その際、県と日本財団が経費を助成し、オブザーバーとして助言も行う。訓練を受ける人は、ARグラスを使って視覚的に業務を理解しながら、実践的な訓練を行ったあとに面接・就職へ進むという。
 訓練コースの業務内容は乗車サポート、構内見回り、高速バスのトランクの積み下ろしサポート、駅構内のクリーンキーパー、空港でのポーター業務(手荷物受取り、コンベアへ流す)、物流倉庫内のピッキング作業、バス運賃の計算書や手配書作成、作業日報による勤怠入力など(一部訓練コースはARグラス不使用)。受講後は就労定着支援施設と連携し、採用から定着までのサポートも行う。訓練期間は1~3カ月。
 その他詳細は福岡県ホームページまで。
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/nishitetsu-arglasskunren.html
生活情報
全国
障害のある人の貧困率約8割
 障害のある人が通う事業所等の全国組織「きょうされん」(東京都)は、「2023障害のある人の地域生活実態調査」の結果を公表した。
 調査は2023(令和5)年5月~2024年4月に実施。回答のあった障害のある人は5891人で障害福祉サービスを利用している人たちが大半を占めた。回答者の月額収入から年収を積算した結果、相対的貧困とされる127万円の「貧困線」を下回る人が約4000人で全体の78.6%を占め、前回の2015(平成27)年調査の81.6%と比較しても大きな変化は見られなかった。
 年収200万円以下の人の割合も97.2%(4943人)と、前回調査の98.1%とほぼ同様の結果となった。また生活保護受給者は11.5%で、国民全体に占める受給者の割合1.63%の7倍以上。親と同居している人は、40~44歳で51.7%、50~54歳で30.7%だった。
 詳細は、きょうされんのホームページへ。
https://www.kyosaren.or.jp/investigation/26729/
働く
全国
障害者の約5000人が解雇や退職
 一般社団法人共同通信社(東京都)が全国の自治体を対象に実施した調査によると、障害のある人が働きながら技術や技能を身につける就労支援事業所が2024(令和6)年3~7月に全国で329カ所閉鎖され、事業所が各自治体に廃止届を出した時点の利用者数から解雇・退職者数を集計すると4995人だった。閉鎖した329カ所のうち4割強は、最低賃金が適用されない就労継続支援B型事業所に移行した。
 調査は7月に都道府県や政令指定都市、中核市の計129自治体に実施し、すべてが回答。閉鎖が相次いでいるのは就労継続支援A型事業所で、障害者と雇用契約を結び、最低賃金以上を支払ったうえで生産活動や職業訓練を行う。全国に約4600カ所あり、精神障害や知的障害のある人を中心に8万人強が働いている。
北海道
聴覚障害のある男性が、バス運転手に
 貸切りバス事業などを展開する「日軽(にっけい)北海道(ほっかいどう)株式会社」(苫小牧(とまこまい)市)が、道内で初めて聴覚障害のある男性を運転手として採用し、研修の様子を公開した。
 採用されたのは生まれつき聴覚障害のある50代の男性で、企業の通勤用バスの路線などを任せる予定だという。2016(平成28)年の道路交通法改正で、補聴器をつけて一定レベルの聴覚があればバス等の営業運転に必要な2種免許を取得できるようになり、男性は6年前に大型2種免許を取得していたという。
 会社内の練習コースで、隣に座った教官から「信号」、「発進」などのハンドサインや筆談でアドバイスを受けて路上教習を重ねている。
愛知
建設業界への就労移行支援
 「一般社団法人One(ワン) Life(ライフ)」(名古屋市)と建設機械レンタルを行う「レンテック大敬(だいけい)株式会社」(豊橋市)が、建設業界における障害者雇用を進める就労支援事業所「Dサポート」を岡崎市に開所した。
 Dサポートの就労支援サービスは、岡崎市や事業構想大学院大学などが参加した産官学連携の研究会で発案された事業。建設業界の課題である人手不足を障害者雇用で解決しながら、障害のある人の就労先の選択肢も増やす。建設関係の仕事で活躍できる資格取得支援を行い、就労へのキャリアアップを進めていくことで、処遇と配慮のバランスを整えることを目ざすとしている。
 問合せは、Dサポートへ。https://d-support.life
本紹介
『しんどいから おもろいねん』
 滋賀県にある「社会福祉法人わたむきの里福祉会」の理事を務める野々村(ののむら)光子(みつこ)さんが、『しんどいから おもろいねん』(コトノネ生活刊)を出版した。障害者就労などをテーマにした季刊誌『コトノネ』で連載された「なにをやんねや」、「よう来たな みっちゃん」などの22編に加え書き下ろし5編を収録。
 野々村さんは20年ほど前、滋賀県近江八幡(おうみはちまん)市に障害者就業・生活支援センターとして「東近江圏域 働き・暮らし応援センター“Tekito-”」を立ち上げ、2024(令和6)年3月までセンター長を務めていた。これまでかかわってきた多くの当事者や関係者たちとの日々を、ユーモアを交えた親しみやすい文章で書いている。B6判196ページ、1980円(税込)。
アビリンピック
マスコットキャラクター
アビリス
2024年度地方アビリンピック開催予定
10月末~11月
青森県、千葉県、滋賀県
*開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります
*  は開催終了
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※全国アビリンピックは11月22日(金)~11月24日(日)に、愛知県で開催されます。
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