特別企画 企業のみなさまにおすすめするマニュアルのご紹介 〜法定雇用率の引上げや「雇用の質」の向上に向けて〜 障害者職業総合センター 研究部門  障害者雇用をめぐっては、今後、法定雇用率の段階的な引上げが予定されるなかで、雇用の機会の確保をさらに進めることに加えて、2022(令和4)年に改正された障害者雇用促進法の順次施行により、障害特性や希望に応じて能力を有効に発揮できる就職を実現することや、雇用後においてもその能力等を発揮し活躍できるようにすることなど、「雇用の質」の向上に取り組んでいくことがより重要になってきています。  このような状況のなかで、障害者職業総合センター研究部門では、研究成果を活用して、障害者の雇用管理に役立つ各種マニュアルを作成し、企業や支援機関等のみなさまに無料で提供しております。ここでは、近年の研究成果を基に作成した企業のみなさまにおすすめするマニュアルをご紹介します。 1 障害特性や病状に応じた雇用管理のノウハウ @「精神障害者雇用管理ガイドブック」 (2012年刊行・2021年改訂) 特徴  精神障害者の新規雇用における工夫や留意点、精神疾患の特徴と留意すべきポイント等を紹介する「実務編」、企業における雇用の取組みや企業で活躍する従業員を紹介する「事例編」、採用後に精神疾患で長期休業した従業員の職場復帰における配慮と工夫等を紹介する「復職編」を掲載し、精神障害者の雇用管理ノウハウをわかりやすく説明しています。 利用者の声 ・疾患別の特性等について要点を絞ってまとめてあり、表現もやわらかくわかりやすい。 ・精神障害だけでなく発達障害等も含まれているため、さまざまな事例を網羅できる。 ・合理的配慮の提供を模索していたときに、工夫点や改善のヒントを得た。 ・関連する研究成果・  調査研究報告書bP09「精神障害者の雇用管理のあり方に関する調査研究」  調査研究報告書bP56「職場復帰支援の実態等に関する調査研究」 実務編:新規雇用における工夫や留意点「Q&A集」 「精神障害者雇用管理ガイドブック」は、下記ホームページからご覧いただけます。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai71.html A「難病のある人の雇用管理マニュアル」 (2018年刊行) 特徴  「難病とは何か」から、難病の種類、雇用時の留意点や活用できる支援制度、一定の配慮のもとで活躍している難病のある人の事例を多数紹介しています。 ・難病についての誤解・先入観の払拭、また、正しいイメージの普及 ・具体的な募集・採用時の課題解決 ・職場での良好なコミュニケーション、理解・配慮の促進 ・休職や復職の支援 ・障害進行への対応  などについて企業の目線で整理し、「難病のある人と雇用する企業が良好な雇用関係を築くための具体的支援方法」を示しています。 利用者の声 ・難病のある従業員の支援について、基本的な留意事項を理解できた。 関連する研究成果  調査研究報告書No.141「難病のある者の雇用管理に資するマニュアルの普及と改善に関する調査研究」 基礎編:難病のある人を取り巻く状況@ 基礎編:難病のある人を取り巻く状況A 実務編:難病のある人を雇用するうえでの留意点 「難病のある人の雇用管理マニュアル」は、下記ホームページからご覧いただけます。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai56.html B「目が見えなくなってきた従業員の雇用継続のために」 (2019年刊行) 特徴・  企業の人事担当者や管理者、産業医・産業保健師等の産業保健スタッフが、在職中の眼疾患の新たな罹患・進行により、視力や視野の障害が現れた従業員への対応の検討や、当該従業員との相談の際に活用できます。  このリーフレットでは、目が見えづらくなったり、目が見えなくなってしまっても、企業と従業員との双方の工夫によって仕事を続けることができている、見え方がまったく異なる4人の従業員が、仕事で直面した困った事例と、その解決方法を紹介しています。 利用者の声 ・糖尿病性網膜症で視力低下した従業員の職場復帰の際に参考になった。 ・視野狭窄(きょうさく)等がある方の「実際の見え方」の写真がついており、理解がしやすかった。 ・視覚障害者の就労上の課題や雇用管理のポイントがわかりやすく図で示されている。 関連する研究成果  調査研究報告書bP49「視覚障害者の雇用等の実状及びモデル事例の把握に関する調査研究」 視覚障害の特性別の見え方 糖尿病網膜症脈絡膜萎縮緑内障(初期) 加齢黄斑変性視神経萎縮 事例と解決方法(一部) 「目が見えなくなってきた従業員の雇用継続のために」は、下記ホームページからご覧いただけます。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai62.html 2 障害者雇用全般の基礎的理解 @「障害者雇用のためのサポートツール」 (2022年刊行) 特徴  障害者雇用を円滑に進めるためのヒントになる七つのチェックポイントをまとめたリーフレットです。  別冊の「チェックポイント別参考資料」は、各チェックポイントの背景やより詳しい内容を企業の担当者自身が読むことで、より深い理解につなげることができるよう、関連するデータや調査結果、事例、制度の概要等についてまとめています。  企業には、障害者雇用に際して何に取り組めばよいかを検討する際の参考資料として、支援者・支援機関には、企業との相談において障害者雇用の課題を把握するためのアセスメントツールとして活用いただけます。 利用者の声 ・実際に障害者を雇用して職務の切り出し方に悩んでいる企業へのアドバイスとして参考になった。 ・支援機関が企業から相談を受けた際に、企業から聞き取った内容や支援機関が提案した支援内容を書き取ることにより、これまでの取組みや今後の支援が視覚的にわかりやすくなり、共有しやすかった。 ・これから障害者雇用に取り組む企業にとって、取り組む項目がわかりやすく理解が深まりやすい。 関連する研究成果  調査研究報告書No.163「障害者雇用及び雇用継続において事業主が抱える課題の把握方法及び提案型事業主支援の方法に関する研究」 障害者雇用のための取組 チェックポイント一覧 「障害者雇用のためのサポートツール」は、下記ホームページからご覧いただけます。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai74.html A「合理的配慮提供のポイントと企業実践事例」 (2019年刊行) 特徴  合理的配慮提供のための基本的理解と配慮事例を一覧にしており、障害特性等をふまえた合理的配慮について学習できます。また、企業調査から得られた合理的配慮提供の実践事例についても障害種別に掲載しており、合理的配慮を提供する際の参考として、企業をはじめ支援機関等でも活用いただけます。 利用者の声 ・精神障害者に小休止と休憩スペースの設定を配慮として導入したいが、精神障害者だけ特別扱いにならないかと対応に悩んでいた企業に提供したところ、内容が具体的でわかりやすかったとの感想があり、その後、社内体制の整備、合理的配慮の提供につながった。 関連する研究成果  調査研究報告書No.143「障害者雇用制度の改正等に伴う企業意識・行動の変化に関する研究」 障害特性をふまえた配慮事項 合理的配慮の提供事例 「合理的配慮提供のポイントと企業実践事例」は、下記ホームページからご覧いただけます。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai58.html B「事例からみた中高年齢障害者に対する職業生活再設計のポイント」 (2021年刊行) 特徴  在職障害者が中高年齢(45歳以上)になったことによる、障害そのものへの影響や環境等の変化に対して、雇用する企業が行う職業生活の再設計にかかる支援・配慮や、中高年齢障害者に対して企業が行う配慮の状況に関する1200社以上の企業からのアンケート結果、企業における具体的な取組み事例を紹介し、支援のポイントを示しています。 利用者の声 ・従業員の高齢化にともなう職務の見直しや評価の仕方等について検討している特例子会社に提供し、他社の取組み事例を参考にしていただいた。 関連する研究成果  調査研究報告書No.159「中高年齢障害者に対する職業生活再設計等に係る支援に関する調査研究」 企業における取組み事例 事例から導かれた職業生活再設計のポイント 「事例からみた中高年齢障害者に対する職業生活再設計のポイント」は、下記ホームページからご覧いただけます。 https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai73.html  ご紹介した各マニュアルは、障害者職業総合センター(NIVR)ホームページよりダウンロード可能です。  また、在庫のある冊子については、無料(※)でご提供できますので、ご希望の方は右記までご連絡ください。 (※部数によっては送料をご負担いただく場合がございます) ◆お問合せ先◆ 障害者職業総合センター 研究企画部企画調整室 TEL:043(297)9034 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp