グラビア 安心安全な食材を店舗へ 株式会社クリハラ(群馬県) 取材先データ 株式会社クリハラ 〒370-0134 群馬県伊勢崎市境島村(さかいしまむら)3022番地 TEL 0270-74-9231 FAX 0270-74-9331 写真・文:官野 貴  群馬県伊勢崎(いせさき)市に本社のある株式会社クリハラは、スーパーマーケットなどで調理販売される惣菜向けのカット野菜や調理キットづくりを手がけており、製品は関東地方を中心に出荷されている。同社では、「障害の有無にかかわらず働ける職場であることが大切」という考えのもと、個性や特性を活かした業務配置を心がけ、勤務時間の調整などに柔軟に対応している。現在、10人(身体障害5人、知的障害2人、精神障害3人)の障害のある社員が、製造現場をはじめ、テレワークによる就労などさまざまな部署において、その能力を発揮している。  知的障害のある坂本(さかもと)詩緒里(しおり)さん(20歳)は、特別支援学校在学中の職場実習を経て同社に入社し、製造部門で働いている。実習時、社員が優しく指導してくれたことが入社の決め手となったそうだ。坂本さんの担当は、野菜からヘタや種などの不可食部を取り除く「トリミング」の作業だ。  朝礼を終え、この日最初の作業は、パプリカのトリミング。惣菜の彩りに欠かせない野菜であり、処理する量も多い。坂本さんがトリミングした野菜は、メニューに合わせて多様なサイズに切り分けられ、洗浄、計量や小分け、キット組みなどの工程を経て、店舗へと出荷される。その後、店舗で調理され、おいしい惣菜となり店頭に並ぶ。  坂本さんは、「コミュニケーションに苦手意識がありましたが、社内で積極的に挨拶をするように心がけたところ、苦手意識を克服することができました。私がカットした野菜が使われた惣菜がスーパーに並んでいることを誇らしく思います」と話してくれた。 写真のキャプション 工場への入室前に白衣などについた毛髪やホコリを吸引機で取り除く コンテナに入れたパプリカをトリミング室へ運ぶ。工場内の衛生環境を保つため、原材料の管理や移動には厳しいルールが定められている 冷蔵室で段ボールからコンテナにパプリカを移す パプリカから種やワタなどの不可食部をキレイに取り除く トリミングは製造ラインの上流であり、作業には質とともにスピードも求められる リズミカルな包丁さばきで、指定されたサイズに切り分けていく 春菊の袋詰め作業。ほかの社員がトリミングした春菊の本数を確認しながら袋詰めを行う。傷んだ春菊がないかにも気を配る 工場内では、責任者(右)の指示を受け作業を行う。作業ペースについてのアドバイスも受ける 先輩社員から手ほどきを受け、包丁研ぎのコツをつかんだ 仕事道具である包丁のメンテナンスは自分自身で行う カット野菜や調味料などがキット組みされ、各地の店舗へ出荷される