グラビア みんなが笑いあいながら働ける職場 ナブテスコリンク株式会社(岐阜県) 取材先データ ナブテスコリンク株式会社 〒503-2114 岐阜県不破郡(ふわぐん)垂井町(たるいちょう)府中(ふちゅう)300-1 TEL 0584-24-1123 FAX 0584-23-5085 写真・文:官野 貴  岐阜県不破郡(ふわぐん)垂井町(たるいちょう)にある「ナブテスコリンク株式会社」は、機械部品メーカー「ナブテスコ株式会社」の子会社として2015(平成27)年に設立され、2016年10月に特例子会社の認定を受けた。2024(令和6)年4月現在、障害のある社員14人(身体障害3人、知的障害10人、精神障害1人)が農産物生産、書類の電子化や名刺作成など、さまざまな業務に就いている。  一日の業務は、体操と朝礼からスタートし、午前中に農作業、午後は名刺作成などの室内作業が行われる。取材の日、体操では音楽が途中で止まってしまうトラブルもあったが、みんなが声を出しあい、何事もなかったかのように体操が進み、チームワークのよさが示された。  この日最初の作業は、枝豆栽培に備えたマルチ張り作業だ。ロールを延ばしていく係、シートを固定する係など、一連の作業がチームワークで手際よく進められる。その後は、ハウス内でイチゴやミニトマトの収穫だ。農作業で生産された作物は、ショッピングモールなどの農産物直売所で販売され、好評を博している。農作業は土づくりから育成、出荷、販売までを一貫して体験でき、作業内容も障害のある社員の特性にもマッチし、生産する喜びとそれを買ってもらう喜びを体感できるという。  午後は室内作業。名刺作成はグループ企業全体の名刺を請け負っており、ひと月あたりおよそ100〜200件、約1万枚におよぶ。図面の確認作業は、2人1組で特製の指差し棒を使って進める。図面番号などを声に出して読み上げ、ダブルチェックが行われる。作業服のピッキングでは、グループ企業からの注文リストを読み上げる係、作業服を取り出す係など役割を分担し効率よく、そしてミスのないように作業にあたる。障害のある社員やサポートをするスタッフが、真剣に、ときに笑いあいながら楽しく働く姿が印象に残った。 写真のキャプション 社屋前に社員とスタッフ全員が集まって体操を行い、一日がスタート 朝礼では、連絡事項やオリジナルの安全標語が読み上げられる ホワイトボードに、一日の業務と担当する作業が記入されている 耕した畝(うね)にビニールシート(マルチ)を張り、マルチ押さえでシートを固定、さらに鍬(くわ)で土をかけていく 傷がついてしまうと商品として出荷できなくなるため、やさしく取り扱う 傷などをチェックし、大きさを揃えてパックに詰める 既定の範囲内に重さを揃える。指差し呼称でミスを防ぐ ミニトマトの収穫。大きさや色で熟れ具合を判断し収穫する 社屋に戻り、ミニトマトの出荷作業。大きさや傷などをチェックし、濡れ布巾で磨く。ヘアキャップ、マスク、手袋を着け衛生的に扱う 玉ねぎ畑の除草と追肥(ついひ)の作業。それぞれ担当するブロックが決まっており、思い思いのファーム名をつけ、愛情を込めて栽培している 名刺作成での一コマ。ロゴの有無などで複数の用紙があるため、指差し呼称とダブルチェックでミスを防ぐ 用紙を複合機にセット。向きにも注意が必要 印刷のかすれや汚れをチェック 作業服のピッキング。注文に応じて作業服を倉庫から集め、グループ企業へ発送する 特製の指差し棒で図面とデータの整合性をチェックする