ミニコラム 第47回 編集委員のひとこと ※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は三鴨委員が執筆しています。ご一読ください。 働く場所が幸せな場所になるために 有限会社まるみ 取締役社長 三鴨岐子  「職場」と「精神疾患」の関係を考えるとき、精神疾患のある人が就労するケースと、働く人が職場で精神疾患になるケースがあります。職場にはストレスがつきものですが、それが精神疾患の原因になるほどであれば、看過することはできません。私の少ない経験のなかでも、職場でつらい経験をして、精神障害と認定されるまでになってしまった人に、いままで何人も会ってきました。  職場全体がさまざまなことに追われていて、従業員の心身に気を配ることができなくなっているのか、働く人のストレス耐性が低くなっているのか、はたまた両方なのか。  今号の二カ所のリワークの取材で、共通して出てきたのは、「多くの人が、集団でのかかわり合いによって回復していく」というお話でした。  さまざまな情報共有ツールの発展やテレワークの普及で、リアルに顔をあわせて仕事をする機会が減っています。昨今では、わからないことは何でも生成AIに聞くことが増え、ますますコミュニケーションの機会が減っています。コミュニケーションが苦手と感じる人が増えても仕方がない状況です。  それでも、人が元気を取り戻すのは、人との関係からという事実。だからこそ、「相手のことを思いやる気持ち」を大切にしてみる。そんなことを考える機会となりました。