ニュースファイル 国の動き 厚生労働省 就労選択支援員の養成研修  厚生労働省は、障害のある人の就労支援として2025(令和7)年10月からスタートさせる新しい障害福祉サービス「就労選択支援」について、ホームページで実施マニュアルを作成・公開し、「就労選択支援員養成研修」を開始した。  就労選択支援は、障害者本人が就労先や働き方についてよりよい選択ができるよう就労アセスメントの手法を活用し、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択を支援するというもので、本人との協同による意思決定を支援するもの。これまで就労系障害福祉サービスについては、本人の就労能力や適性を客観的に評価し、本人の就労に関する選択や具体的な支援内容に活用する手法等が確立されておらず、@いったん就労継続支援A型・B型の利用が始まると固定化しやすい、A本人の目線で次のステップをうながす支援者がいるかどうかで職業生活が大きく左右される、などの課題があったという。  専門的な知見を必要とする就労選択支援員の養成研修は、オンデマンド講義と対面演習があり、今年度は2026年2月まで10回行う予定(1回あたり80〜100人)。受講対象者は、障害者の就労支援に関する基礎的研修を修了していることなどの一定条件が必要。実施マニュアルと養成研修の詳細は厚生労働省ホームページで。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56733.html  問合せは就労選択支援員養成研修ヘルプデスク(株式会社インソース)まで。 電話03−5577−2051 国土交通省 施設のバリアフリー設計標準を改正  国土交通省は、建築物のバリアフリー化のいっそうの推進のため、バリアフリー設計のガイドライン「高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準」を改正、公表した。  おもな改正点は、一定規模以上の施設内における車いすユーザー向けのトイレ設置数を原則・各階に一つ以上とすることや、劇場・競技場の車いすユーザー向け客席数、駐車場の設置数などに関する基準。また、これまで「〜することが望ましい」として記述していた整備内容については原則、標準的な整備内容に強化した。このほか設計事例や改修・改善事例のポイントの別冊化、改正タイミングにかかわらず好事例はホームページに随時アップロードする形式に変更したほか、新たに「建築プロジェクトの当事者参画ガイドライン」も策定した。 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_fr_000049.html 生活情報 全国 盲導犬受け入れ「拒否された」48%  認定NPO法人全国盲導犬施設連合会(東京都)は、加盟している盲導犬育成8団体のユーザーを対象に、盲導犬同伴での受け入れ拒否について聞き取り調査の結果を公表した。全国規模の調査は2020(令和2)年以来2回目。  2024年4月に改正障害者差別解消法が施行され民間事業者による合理的配慮の提供が義務となって1年になることから、盲導犬ユーザーへの理解と対応の広がりが期待されていたが、回答のあった576人のうち昨年1年間で拒否を経験した人は276人(48%)と、2020年調査の643人のうち336人(52%)という結果と比較して微減だった。「ある」と答えた276人に回数を聞いたところ延べ1144回で、1人あたり平均4回の受け入れ拒否を経験している計算になる。  拒否が発生する場所は飲食店が488回(43%)と最も多く、次いで電車・バス・タクシーなどの交通機関156回(14%)、宿泊施設が132回(12%)だった。  拒否された理由については、「動物や犬はダメ」が169人(61%)と最多で、「犬アレルギーや犬嫌いの人など他の人に迷惑がかかる」が134人(49%)、「犬を店の外に待たせる、外の席でなどの条件をつけられた」が104人(38%)、「受け入れの前例がない」が96人(35%)となった。 https://www.gd-rengokai.jp/custom_contents/cms_rwd/linkfile/zenkokuchosa2025.pdf 全国 発達障害の当事者団体が全国組織を発足  発達障害の当事者団体が中心となり、国や自治体への政策提言や社会への啓発活動を行うための全国ネットワーク組織「全国発達障害者連絡会議」を立ち上げた。これまでシンポジウムなどで意見交換を行ってきた6団体が参加。「NPO法人DDAC(発達障害をもつ大人の会)」(大阪府)の理事長・広野ゆいさんらが共同代表を務める。  同連絡会議では、発達障害者支援法の2005(平成17)年施行から20年が経ち、発達障害についての理解や支援が広がってきている一方で、自治体の施策等にはいまだ十分反映されていないとして、全国の当事者会・自助会と連携し、発達障害者の意見集約と情報共有を行い、行政・立法に対して提言を行っていくとしている。 https://hattatsu-renraku.net/ 働く 群馬 障害者アート作品グッズをミュージアムショップで  障害者の芸術活動を支援している「NPO法人あめんぼ」(桐生市)が、前橋市にある複合文化施設「アーツ前橋」1階に、「ミュージアムショップamenbo(あめんぼ)」をオープンした。  ショップでは、アーツ前橋のオリジナルグッズ(図録、ポストカード等)のほか、あめんぼと交流がある全国各地の福祉事業所約20カ所に通う利用者が制作したイラストがプリントされたTシャツやスカーフ、手ぬぐい、バッグ、絵はがきなどを販売する。あめんぼでは現在14人の障害者が作家として活動している。ショップの営業時間は10時〜18時、定休日は毎週水曜日・年末年始(不定休あり)。 本紹介 『障がい者の中の自分 健常者の中の自分 〜ポリオと共に歩んだ人生〜』  幼少期に小児麻痺を患い、装具と松葉杖とともに人生を歩んだという島津(しまづ)正博(まさひろ)さんが『障がい者の中の自分 健常者の中の自分 〜ポリオと共に歩んだ人生〜』(梓書院刊)を出版した。  1960(昭和35)年福岡県大牟田(おおむた)市生まれの島津さんは、生後7カ月目にポリオ(急性灰白髄炎・小児麻痺)に感染。両足の力がなくなり、幼少時から両長下肢装具と両松葉杖を使用した。小学校までは養護学校に通うため寄宿舎で生活し、地元の普通中学校と高校に通い、その後は職業訓練校を経て福岡市の会社に就職。10回の転職を経験した。  祖母の死をきっかけに「メンタルケアスペシャリスト」の資格を取得。その後は脳梗塞と認知症を発症した父親の介護を行う。会社退職後は妻と家事をしながら、趣味に親しむ日々だという。健常者とのかかわりのなかで学び、支えられ、ときに葛藤しながら積み重ねた日々をふり返り、自分らしく生きるために大切なことを問いかける。四六判、112ページ、1100円(税込)。 アビリンピック マスコットキャラクター アビリス 2025年度地方アビリンピック開催予定 9月 新潟県 *開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります *は開催終了 地方アビリンピック 検索 ※日程や会場については、変更となる場合があります。 ※全国アビリンピックは10月17日(金)〜10月19日(日)に、愛知県で開催されます。 写真のキャプション 新潟