【表紙】 令和元年6月25日発行・毎月1回25日発行・通巻第502号 ISSN 0386-0159 障害者と雇用 2019/7 No.502 この人を訪ねて 「ユニファイドスポーツ」が共生社会のきっかけに 公益財団法人スペシャルオリンピックス日本 理事長 有森裕子さん 職場ルポ 地域でつながり、「普通に一緒に」働く工場 株式会社マルハ物産(徳島県) グラビア 高い木工技術力でアビリンピック入賞を目ざす 社会福祉法人アバンセ カサ・チコ(熊本県) 編集委員が行く 特例子会社の設立・誘致で働く場づくり 〜農園芸で越後の特産品を商品化し就農へ〜 株式会社夢ガーデン、特定非営利活動法人UNE(新潟県) 「恐竜のおそうじ」岐阜県・片桐(かたぎり)綾希(りょうき)さん 読者アンケートにご協力をお願いします! 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 誰もが職業をとおして社会参加できる「共生社会」を目指しています 7月号 【前頁】 心のアート 走る犬 渡辺 茂(特定非営利活動法人アートキャンプ新潟) 画材:画用紙、シール/サイズ:287mm×202mm  飼っていた犬が死んだときの悲しい気持ちを絵にぶつけて10年以上が経ちました。休みの日に自分の気持ちがのったとき、創作活動に励んでいます。普段はクーピーやボールペンで絵を描くことが多いです。最近、インターネットでシールアートを目にしたとき、以前、自分でシールアートをやっていたことを思い出し、またチャレンジしてみました。最初にシールを細かく切るのがたいへんで、一つの作品を仕上げるのに3時間ぐらいかかります。今回は走っている犬を表現しました。  上から「頭」、「足」、「足」と見ます。どうぞ、ご覧ください。 渡辺 茂(わたなべ しげる) 1974(昭和49)年7月31日生まれ。新潟市在住。 心臓に障害があるため、ペースメーカーを使用し生活をしています。 現在は、印刷・製本工場を持つアルバムを中心とした情報生産企業である、株式会社博進堂に勤務しています。 文:渡辺 茂 【もくじ】 障害者と雇用 目次 2019年7月号 NO.502 心のアート−−前頁 走る犬 作者:渡辺 茂(特定非営利活動法人アートキャンプ新潟) この人を訪ねて−−2 「ユニファイドスポーツ」が共生社会のきっかけに 公益財団法人スペシャルオリンピックス日本 理事長 有森裕子さん 職場ルポ−−4 地域でつながり、「普通に一緒に」働く工場 株式会社マルハ物産(徳島県)文:豊浦美紀/写真:官野 貴 NOTE−−10 働く障害者の高齢化 中高年齢層の障害者の雇用継続について Vol.1 インフォメーション−−12 2019年度 就業支援実践研修のご案内/2019年度「地方アビリンピック」開催地一覧/障害者職業総合センター職業センターで実施している職業リハビリテーション技法開発に関する報告書・マニュアルのご紹介 グラビア−−15 高い木工技術力でアビリンピック入賞を目ざす 社会福祉法人アバンセ カサ・チコ(熊本県) 写真:小山博孝・官野 貴/文:小山博孝 エッセイ−−19 最終回『障がい者の就活ガイド』を出版して 『障がい者の就活ガイド』著者 紺野 大輝 編集委員が行く−−20 特例子会社の設立・誘致で働く場づくり 〜農園芸で越後の特産品を商品化し就農へ〜 株式会社夢ガーデン、特定非営利活動法人UNE(新潟県) 編集委員 阪本文雄 研究開発レポート−−26 気分障害等の精神疾患で休職中の方の職場復帰支援における事業主との調整 障害者職業総合センター職業センター 霞が関だより−−28 平成30年版 障害者雇用状況の集計結果(平成30年6月1日) 厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課 掲示板−−32 表紙絵の説明 「将来、好きな恐竜にかかわる仕事がしたいと思って描きました。家族で福井県立恐竜博物館へ出かけたときに展示してあったティラノサウルスが、いつまでもかっこいい姿でいられるように、ピカピカにしてあげたいと思いました。何度も形を描きなおして、強そうで怖そうに描けたのでうれしいです」 (平成30年度障害者雇用支援月間ポスター原画募集 小学校の部 高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長奨励賞) ★本号では、「読者アンケート」を同封してお届けしています。本誌に対するご意見をアンケート用紙にご記入のうえ、当機構までお寄せください。当機構ホームページからの回答も可能となっています。よりいっそうの誌面の充実に向け、みなさまからのご意見をお待ちしています。 ◎本誌掲載記事はホームページでもご覧いただけます。(http://www.jeed.or.jp) 【P2-3】 この人を訪ねて 「ユニファイドスポーツ」が共生社会のきっかけに 公益財団法人スペシャルオリンピックス日本 理事長 有森裕子さん ありもり ゆうこ 1966(昭和41)年、岡山県生まれ。日本体育大学卒業後、リクルート入社。女子マラソン選手として1992年バルセロナ五輪で銀メダル、1996 年アトランタ五輪では銅メダル獲得。2007 年にプロマラソンランナー引退。国際オリンピック委員会(IOC)スポーツと活動的社会委員会委員、スペシャルオリンピックス(※)日本理事長、日本陸上競技連盟理事。 2010年IOC女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞。 (写真提供:スペシャルオリンピックス日本) 知的障害のある人の可能性を引き出すスペシャルオリンピックス ――有森さんが理事長をつとめる「スペシャルオリンピックス」(以下、「SO」)日本は、2019(平成31)年3月にアブダビで開催されたSO夏季世界大会に、アスリートら日本選手団を100人以上派遣しましたね。  アブダビ大会には190カ国からアスリート7,500人、コーチやボランティアを含め約3万人超が参加しました。規模はオリンピック、パラリンピックと変わりません。ちなみに今大会で日本選手団はメダルが金16・銀18・銅10で入賞数は15という結果でした。 ――SOにかかわるようになった経緯を教えてください。  2002年に東京で行われた、夏季ナショナルゲーム(全国大会)の大会サポーターをお願いされたのが始まりです。私は当時「知的障害のある人たちは、こうした組織がなければスポーツをする機会がない」という話を聞いて驚きました。一方で彼らがこの大会を経て世界大会への出場を目ざしていることを知り、そんなアスリートたちを応援したいと思いました。  その後、理事・副理事長を経て2008年に理事長に就任してから変えたことがあります。大会でのメダル数の公表です。それまでは「オリンピックとは違うのだから勝つ必要はない」、「ナンバーワンじゃなくて、オンリーワンでいい」といった声もありました。そういう時代を経なければいけなかったのはたしかです。記録が最も重要視されるオリンピックだって、そもそもの目的がスポーツを通じた平和の祭典なのですから。  ただ、時代は変わりました。私がSOの世界大会で観戦したバスケットボールの決勝では、負けたチームがすごく悔しがっていました。そして相手チームを称え、応援してくれた人たちに感謝の気持ちを伝えていました。その光景に私は「ああ、オリンピックと同じだ」と感じたのです。そして「オンリーワンでいいかどうか」は、周りが判断することではなくアスリート本人が決めることだと確信しました。  私自身は勝負にこだわりますが、それだけじゃない人もいる。勝ちさえすればいいのではなく、勝つことによって生きていく糧になりうることが大事。負けてもその経験を活かしていける。なにより必要なのは、チャレンジできる機会があることです。「スポーツを通し、彼らのさまざまな可能性を引き出せる」、「経験によって人それぞれ、いろんな価値観や思いを持って、成長していける」、これこそSOが存在する最大の意義だと思っています。 SOがきっかけで正社員に ――SOをきっかけに、社会生活が変化したアスリートも少なくないでしょうね。  SOで冬季競技にチャレンジした方が、アルバイトから正社員になったという話を聞きました。もともとコミュニケーションが取れる方でしたが、SOの大会でメダルを取るようになって、それを機に社内でもどんどん成長したのでしょう。「正社員になれました」との連絡があり、ご家族も大喜びされていたそうです。スポーツを通して、できることが少しずつ増えたり、記録が伸びて自信がついたのかも知れませんね。  また、私自身がかかわった陸上競技の女性選手は当初、コミュニケーションを取るのが困難でした。例えば、目の前にお菓子が置いてあるとそれしか考えられないようで、私の話をまったく聞かないのです(笑)。でもSOの世界大会への出場によって、次に会ったときにはきちんと会話ができるようになっていて驚きました。勝負事の経験、応援される高揚感、感情を揺るがされるさまざまな体験によって彼女自身が変化を起こし、周りの人たちもそれに気づいて新たな場を切り開いていく。こうしたケースが私の知らないところでもたくさんあるのではないかと思っています。 ともに働くための役立つモデル ――近年はユニファイドスポーツにも力を入れていますね。  ユニファイドスポーツは、知的障害のあるアスリートと、知的障害のないパートナーが混合チームをつくって、練習や試合を行うSOの取組みです。障害のない人が、障害のある人と一緒にプレーしながら、コミュニケーションを取ることでいろいろな気づきを得る。同時に障害のある人も「どんなふうに伝えたらいいか」を知ることができます。双方の可能性を引き出せるため、これは社会でともに働いていく際の、非常に役立つモデルにもなると思います。  「障害者雇用」といわなければいけないこと自体、まだまだ日本の社会が未熟な証拠だと自戒を込めていいますが、知的障害のある人も普通に一緒に活動できる、自分たちと何も変わらない姿を見せてくれるのがユニファイドスポーツです。  私たちの社会は基本的に「ユニファイド」のはずですが、働く場や特別な場になると分けられることがあります。システムやルールの基準が一方に偏っているからです。でも障害のない人に合わせたルールをつくり、障害のある人を「受け入れますよ」というのはおかしいですよね。そんなとき私は「逆の世界を思い浮かべてください」といいます。車いすに乗った人たちが大半を占める社会では、2本足で立つ人のほうが障害者になるかもしれない。そうでなくても明日、自分や家族が障害を持つようになるかもしれない。だからこそ「障害者=自分の将来のことかもしれない」と考えてみることが大事。このように発想を転換し、想像力を働かせることで理解が進みます。SOは、共生社会をつくっていける大きなきっかけになると思います。  今回の世界大会では、ほぼ全種目にユニファイドスポーツが導入されていました。どの競技でも障害を超えて一緒にプレーできることを証明していたのです。国内では、SO日本のスポンサーであるトヨタ自動車株式会社の後援もあり、名古屋グランパスエイトのみなさんにサポートしていただき、2018年にシカゴで開催されたユニファイドサッカーの世界大会に、日本選手団を派遣することができました。日本でもいつかユニファイドサッカーの世界大会を開催したいですね。また今年は、全国ユニファイドバスケットボール大会を10月に開催する予定です。  今後は、子どもの教育の場にもユニファイドスポーツを積極的に広げていきたいですね。特別支援学校などの施設を回って、連携・参加を呼びかけていきたいです。 「理解したい」という気持ちで歩み寄りを ――SOの広がりで、日本の社会も大きく変わっていくかもしれませんね。  私は、極端ないい方をすれば「SOそのものが必要ではなくなる時代」になることを目ざしていきたいと思っています。  そのためにはアスリート本人だけでなく、家族も含めて意識を変える必要があります。障害のある方やその家族から、「私たちの気持ちは、わからないでしょう」といわれても、私たちは「わかりません」と答えるしかありません。障害の有無にかかわらず、どんな人もお互いにわからないことがたくさんありますから。大切なのは「お互いを理解したいよね、ここで一緒に生きていきたいよね」という気持ちであり、そこからお互いがどう歩み寄れるかだと思うのです。  私たちの社会では「知らないこと、知らせていないこと、見ようとしないこと、見せようとしないこと」も障害です。むずかしい部分を抱えながらも、互いに一歩ずつ前に出ていかなければ、いつまでも障害という壁を超えることができないでしょう。 ※スペシャルオリンピックス(SO):知的障害のある人たちに、さまざまなスポーツトレーニングと、その発表の場である競技会を提供している国際的なスポーツ組織。日本では1980年から活動が広がり1994年にSO日本が設立された。地区組織は全都道府県にあり、8,480人(2018年度末時点)のアスリートが参加している 【P4-9】 職場ルポ 地域でつながり、「普通に一緒に」働く工場 ― 株式会社マルハ物産(徳島県)― 人口1万5千人ほどの町に、障害者雇用率17%超の食品加工工場がある。30年以上前から続く地域のつながりが、ともに働く企業風土もはぐくんでいる。 (文)豊浦美紀 (写真)官野 貴 取材先データ 株式会社マルハ物産 〒771-0218 徳島県板野郡松茂町(まつしげちょう)住吉(すみよし)4−3 TEL 088-699-2345 FAX 088-699-2757 Keyword:知的障害、就労移行支援、製造ライン、資格取得 POINT 1 その人の適性に合わせ、各製造ラインに障害のある従業員を配置 2 経験によって資格取得をうながし、組織全体の底上げへ 3 地元の知的障害者施設と連携し、業務委託も行う 障害者雇用率17%超の食品加工工場  レンコン生産量が茨城県に次いで全国2位の徳島県。ここにレンコン加工業界で国内最大手といわれる「株式会社マルハ物産」がある。創業は1958(昭和33)年で、1964年から松茂町で操業している。工場と事業所は徳島県・茨城県のほか中国にもあり、レンコン取扱量は年間計6千t以上にのぼるという。キノコ・サツマイモ・タケノコ・ゴボウなどの農産物も含めた加工食品(水煮・酢漬け・味つけ・冷凍など)700種以上を業務用や市販用に製造している。  本社工場は、徳島阿波おどり空港から車で約7分。従業員59人のうち、知的障害のある男性従業員10人が在籍している。障害者雇用率は17・22%(2019年3月末時点)と、非常に高い。障害の程度は軽度から重度まで、年齢も20〜50代と幅広い。  具体的な仕事内容は、加工品の原料となる農産物の洗浄・選別をはじめ、加工品の袋詰め・梱包や機械洗浄など、多岐にわたる。  管理部部長で工場長もつとめる大鋸(おおが)史郎(しろう)さんは「障害のある従業員は各製造ラインにまんべんなく配属され、ほかの従業員と一緒に業務を行っています。人員的にも作業内容的にも、なくてはならない存在です」と話す。 30年以上前から施設とつながり  マルハ物産では、30年以上前の1980年代から知的障害者を実習生として受け入れてきた経緯がある。工場がある松茂町内に1958年に開所した障害者支援施設「吉野川育成園」(以下、「育成園」)から依頼を受けたのが始まりだという。  「特にレンコン加工は、秋から春先にかけての繁忙期にはどうしても人手不足になるため、皮むき作業などを近所の人たちに手伝ってもらっていました。気軽に『ちょっと来てや』と声をかけ合う近所づきあいのなかで、育成園ともつながっていったようです」と大鋸さん。  しっかりとした雇用記録が残っているのは約30年前からだそうだが、職場実習を続けるなかで、一定程度の適性と意欲のある人が雇用契約に結びついていった。工場の製造ラインは共同で取り組む作業が多いため、ほかの従業員に混じって作業をしながら、適性に合わせて少しずつ作業量や時間を増やしていったという。  こうして工場内で障害者が一緒に働く職場環境が除々につくられ、従業員の出入りがあっても自然になじめるような企業風土が受け継がれてきたようだ。  「職場では、障害者のみなさんも当たり前のように一緒にいるので、だれも違和感がないと思います。もちろん時折、業務上の言葉のやり取りのむずかしさが出てくることもありますが、特別扱いはせず、しっかり伝え合うことを心がけています」  ちなみに新しく入ってきた社員から「障害のある従業員と、どのように接したらいいか」といった相談を受けると、大鋸さんは「普通の人として、ふだん通りにやり取りしてください。会話での多少の不自由さはあるかもしれませんが、ふだん通りわかりやすく語りかければ大丈夫」と伝えている。その一方で不要なトラブルが生まれないよう、前もってベテラン社員にも一緒に入ってもらいながら見守ってもらう細やかな体制づくりも欠かさない。  「現場でうまくいかなくなるとすれば、原因は、お互いの情報・理解不足に尽きると思います。障害のあるなしは、仕事をするうえで壁にはならず、あくまで“役割の違い”であると思えるような職場環境を、いかにつくるかが大切だと思っています」  いまも育成園の関連施設や特別支援学校などから実習生を受け入れたり、トライアル雇用を経るなどして採用につなげている。基本的にはフルタイムの立ち仕事なので、ある程度の体力・集中力が基本条件だ。もちろん長く勤められるよう、お互いにマッチできるかどうか見極めることも大事だという。  それでも入社直後や繁忙期には、精神的・体力的な疲れなどから私生活に支障が生じることもある。  「朝晩の生活リズムが乱れてくると、施設や通勤寮の職員らから『朝起きにくくなっている』、『トイレがうまくできなくなっている』といった不調を知らせる連絡が入るので、作業負担を減らしたり配置を変えたりして調整しています」 各ラインで適性を活かし活躍  さっそく、工場内を見学させてもらった。学校の給食室を巨大化したようなイメージだ。  ステンレス製の大きな水槽のなかのカット済みのレンコンをザルですくいあげ、隣の大きな機械のなかに投入していたのは稲葉(いなば)和彰(かずあき)さん(50歳)。1989(平成元)年入社で勤続30年の最古参(さいこさん)だ。主に、選別ライン(原料の異物除去・規格選別工程)の原料投入と選別業務を担当している。この日は2人の女性従業員が一緒に作業をしていた。  水槽のなかのレンコンがなくなると、いったん機械を洗浄する。手際よく機械の各部を水洗いしながら、次の原料を投入する準備を始めていた。一日の終了時には設備の分解洗浄、翌日スタート時の部品の組立て作業も行う。大鋸さんによると「機械洗浄では、特に見えにくいところに、原料が詰まっていたり、水垢(みずあか)などがついていたりするのですが、稲葉さんは一度ポイントを教えると、細かいところにも気づいて、ていねいに洗浄してくれています」  作業の合間に稲葉さんに声をかけて、仕事について聞かせてもらった。  「この作業は力が必要で、しんどいときもあります。量が多いときは少し休みを入れています。汚れがないよう気をつけています。工場長さんは、よく話を聞いてくれて、機械の洗浄がきれいにできたら褒(ほ)めてくれるのでうれしいです。がんばって定年まで働きたいと思います」  同じ選別ラインで別の機械の部品洗浄を行っていた金山(かなやま)洋介(ようすけ)さん(31歳)は、2009年入社の10年選手。金山さんも一人でホースの水を使いながらテキパキと部品の洗浄を行っていた。金山さんは  「最初のころはレンコンをザルですくう作業が体力的にたいへんでしたが、いまはいろいろな作業を担当しています」と笑顔で話してくれた。  金山さんは、ほかにも包装ライン(原料のパック詰め工程)の作業全般や、溶液調合の添加物配合など商品製造の要となる業務にもたずさわっている。  「ここでは、みんなが親切にしてくれるので、入社できてよかったです。もっといろいろな仕事ができるようになって、現場を任せてもらえるようにがんばりたいです」と笑顔で話してくれた。  カット済みのレンコンなどと溶液が一緒に詰められた袋を検品・包装するラインでは、明るく照らされた台の上で数人が手を使って袋を軽くたたいていた。大鋸さんによると、「袋のなかに異物などが混入していた場合、たたくと上側に浮かんでくるので下側からの照明で発見できるのです」という。  熱心に検品作業をしていた楠本(くすもと)正二(しょうじ)さん(54歳)は入社して7年。障害の程度は重度だそうだが、働き続けるなかで社会性がどんどん身につき、いまでは後輩の従業員にも作業のアドバイスをするほどになった。プライベートでは知的障害者ソフトボール競技の徳島県チームに所属し、ピッチャーを任されているという。10月に開催される全国障害者スポーツ大会で、自分が所属しているチームが中国四国ブロックの代表に選ばれるのが目標で、「1回戦も2回戦も勝ちたい」と抱負を語ってくれた。  現場リーダーの枝澤(えだざわ)和廣(かずひろ)さんは、「障害のある人と一緒に働いていて、これまで特に困ったことはありません」と話す。枝澤さんは2年前にマルハ物産に転職してきたとき、大鋸さんから「少しこだわりが強い従業員さんがいるので、そこだけ気をつけて見守ってほしい」とアドバイスを受けた。日ごろから世間話やちょっとした声かけをするなど、コミュニケーションを心がけているそうだ。  そして、「任せた作業に一生懸命取り組んだり、効率を考えて工夫しようとしてくれるなど、私よりもエキスパートな熟練さんもいます。今後もみんなが新しいことにチャレンジできるよう協力し合っていきたいですね」と話してくれた。 技能を身につけ、職域拡大とボトムアップ  マルハ物産では、今年から新しい取組みとして、障害のある従業員に、業務上の資格取得をうながすことにした。資格とはクレーン技能講習(学科1日・実技1日)と玉掛け技能講習(学科2日・実技1日)の二つ。その挑戦者第1号が氏家(うじけ)覽敬(ただひろ)さん(26歳)だ。  「資格取得はハードルが高かったですが、氏家さんは日ごろの仕事でフットワークや判断能力が優れているので、チャレンジできるのではと声をかけてみたところ、本人も意欲を見せてくれました。この資格があれば工場内のクレーンを操作できるようになるので、障害のない従業員と同じ仕事も任せられるようになります」  氏家さんは漢字が苦手なため、学科の予習がスムーズにできるよう、大鋸さんが前もって資格を取得し、内容についてアドバイスしたという。氏家さん自身も、マニュアルの項目などを覚えられるよう「陰でとても努力していたようです」と大鋸さん。取材日はちょうどクレーンの実技講習日で会うことができなかったが、後日、二つの資格を見事取得できたそうだ。  資格取得をうながすことを検討するきっかけは、全体的な人手不足だと大鋸さんは話す。  「いまいる従業員のなかで、少しでも仕事の幅を広げたいと思いました。障害のある従業員のみなさんには、これまで安全に仕事をしてもらうために役割を制限していた部分があります。例えば、刃物がついた機械を扱う担当にならないようにしていました。しかし経験が積み重なるにしたがって、自ら安全管理ができるところまで成長している人もいます。一緒に働くなかで適性や能力・経験も見極めながらステップアップをうながすことで、本人のモチベーションも上がることがわかりました。資格取得などにより専門的な作業ができるようになった従業員のために、待遇に反映できる新たな制度環境を検討しているところです」  実際にクレーン操作の工程は、90度という熱湯でレンコンをゆでて引き揚げるのだが「商品の良し悪しを決めるといってもいいほど、とても重要な部分」だという。氏家さんのような従業員が、クレーン操作を行えるようになることで、それまで担当していた従業員が、さらに別の仕事にかかわることができるため、工場内全体の人員体制が流動化し、ボトムアップを図ることができる。  氏家さんが資格を取ったことを知って「今度は自分も挑戦したい」と意欲を見せている従業員もいるようだ。  「社内の新しい動きのなかで、彼らの活躍の場や成長の機会を増やしていけたらいいなと思っています。全従業員を含めて配置転換や応援し合える体制もつくっていきたいですね」 高齢の障害者が働ける機会を提供  マルハ物産では2年ほど前から、育成園の施設である指定障害福祉サービス事業所「なごみ」に、職場実習の場として職場共用スペースの清掃業務を委託している。もともと委託していたシルバー人材センターで人員確保がむずかしくなっていたところに、「なごみ」側から「実習でできる仕事がないだろうか」と相談があったのがきっかけだ。  平日午前中に「なごみ」の就労継続支援B型事業所の利用者が清掃作業を行っている。実習生のなかには当初、音に敏感で感情の起伏が激しい特性を持つ人もいたが、仕事を続けるなかで症状もしだいに落ち着き、「就職したい」という意欲も強くなっているそうだ。  「なごみ」の職業指導員を務める川崎(かわさき)弘法(ひろのり)さんに話を聞いた。  「清掃作業はハードルが高いので、最初は不安もあったのですが、シルバー人材センターの方や私たちが指導しながら取り組みました。その後、仕事内容が合っていた2人が続けることになり、『ここまでできるようになるとは』と驚いています」  同じく2年前からマルハ物産は、「なごみ」に泥つきレンコンを運び入れて、皮むき作業も委託している。きっかけは、70代の足の不自由な男性利用者だった。  「若い人は外に出て作業ができるのですが、高齢の方は体力的にもむずかしい。本人は少しでも働きたいという思いを持っていらっしゃったので、思い切ってマルハ物産さんに相談してみたのです」  初年度は作業をやりたがる人がおらず、この男性を含めて3人ぐらいだったそうだが、実際に作業をしている様子を見て興味を持つ利用者が増え、いまでは10人ほどにまで増えた。70代の男性は作業リーダーをつとめている。ピーラーを使うので慎重に指導し、できあがりは職員が確認している。扱うレンコンも1日200s、1カ月3tぐらいになるという。  「最初は『むずかしいかな』と思っていたような人も、どんどん作業能力が上がり、達成感とともに働く意欲もぐんと上がりました。いまでは一定の工賃を支払えるほどになり、本当にありがたいです」  「なごみ」が運営しているパン工房「ぱんぱかぱん」の移動販売も月1回、マルハ物産の事務所前で行われている。従業員も楽しみにしているようで、毎回売り切れているそうだ。大鋸さんは「直接雇用をこれ以上増やすことはむずかしくても、業務委託などにより、少しでも働く障害者を応援できればと思っています」と話す。  ちなみに大鋸さんは、奥さまが福祉施設で働いており、互いに勉強になることも少なくないそうだ。最後に大鋸さんは、障害者雇用をすすめる地域社会のあり方についても話してくれた。  「私が、この松茂町がよいと思っている点は、長年にわたって小・中学生が授業の一環として知的障害者施設を訪問していることです。子どものうちから、障害のある人を身近な存在として当たり前のように感じられるような経験と機会を、社会でたくさんつくっていくことも大事だなと思います」 管理部部長と工場長を兼務する大鋸史郎さん 一日あたり約455tの農作物を加工している 「定年までこの会社でがんばりたい」と語る稲葉さん 選別ラインで活躍している、ベテランの稲葉和彰さん。異物除去機の洗浄作業も真剣に行う 機械の部品洗浄作業をする金山洋介さん 検品ラインに製品を補充する楠本正二さん 楠本さんはソフトボールの選手としても活躍している 現場リーダーの枝澤和廣さん 資格を取得して、ホイストクレーンを操作する氏家覽敬さん(写真提供:株式会社マルハ物産) 指定障害福祉サービス事業所「なごみ」でのレンコン皮むき作業(写真提供:株式会社マルハ物産) パン工房「ぱんぱかぱん」の移動販売車。マルハ物産の従業員にも人気がある(写真提供:株式会社マルハ物産) 【P10-11】 NOTE 働く障害者の高齢化 中高年齢層の障害者の雇用継続について Vol.1  障害者雇用に長年取り組み続けてきた企業では、障害のある従業員の高齢化にともなう課題への対応をはじめています。今号からのNOTEでは、働く障害者の高齢化をめぐる状況と対応について、事例をとりあげていきます。  第1回目は、厚生労働省の2018(平成30)年「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」(以下、「研究会」)の報告書(※)「中高年齢層の障害者が希望により長く安定的に働ける環境の整備」からの抜粋をご紹介します。 中高年齢層の障害者の雇用の現状  まずは、「年齢別・障害種別による雇用状況」について、研究会の報告と(表)をあわせて見てみましょう。 ●最近の障害者雇用の動向について、年齢別の状況等を整理すると、身体障害者については、社会全体の高齢化や、中途で身体障害になるケースも多く見られること等から高齢化の傾向が見られるものの、60歳以降については身体障害者手帳の所持者数に比べて雇用者数が目減りする傾向がある。ハローワークにおける新規求職申込件数については、身体障害の場合には60歳以上64歳以下が最も多く、次に55歳以上59歳以下、50歳以上54歳以下と続いているものの、就職率については、60歳以上で急激に落ち込む状況にある。 ●知的障害者については、全体として若年層の雇用が大きく進展していることに比べて、依然として、中高年齢層での雇用は限定的となっている。平成20年と平成25年の雇用状況の比較による推計においても、40歳代後半から50歳代前半にかけて多くの者が引退している様子が見られたところである。ハローワークにおける職業紹介状況についても、求職者の就職率は、若年層から50歳代までほぼ同水準となっているものの、新規求職者数自体が40歳代後半あたりから急激に低下する傾向がある。 ●精神障害者についても、全体として若年層の雇用が大きく進展しているのに比べて、中高年齢層での雇用は限定的となっている。ハローワークにおける職業紹介状況については、40歳以上44歳以下が最も多くなっており、壮年層の雇用は徐々に増加していくことが考えられるが、就職率は他の障害と同様に60歳以上で低下する傾向にある。 ●しかしながら、以前から障害者雇用に積極的に取り組んできた企業においては、中高年齢層の障害者雇用が増加しており、将来的には現在のボリュームゾーンに当たる若年層が高年齢化していくことも勘案すると、今後、いずれの企業にとっても、中高年齢層の障害者が希望により長く安定的に働ける環境の整備は重要な課題となっていくものと考えられる。 * * *  これらの傾向から、研究会では求職中の中高年齢層の障害者を対象に、前職で離職した理由についてのアンケート調査も実施しました。概要は以下の通りです。 ●中高年齢層の障害者において、比較的引退時期が早くなっている背景としては、加齢に伴い就労能力や体力に課題が出るケースも多いとされていること等が考えられる。求職中の中高年齢層の障害者に対して、前職において離職した理由のアンケート調査を実施したところ、「職場の環境が働く上で整っていない」との回答が多かったが、実際、その具体的内容としては、病気や障害への社内の認識・理解の促進や、体力の低下や体調の変化、業務スピードの変化などへの理解・配慮等、就労能力や体力に関係すると思われる回答が多く見られたところである。そのほか、障害者からの声としては、仕事の内容を簡易・軽易なものにしてもらいたいという声やノルマを減らしてもらいたいという声も一定程度聞かれたところである。 中高年齢層の障害者に対する雇用継続支援のあり方  研究会では、これらの現状をふまえて、今後の雇用継続支援のあり方について、以下の意見が出ました。 ●障害者の長期的な雇用継続を図るためには、加齢による体力等の低下が見られる中で、できる限り事前の段階から本人の希望や適性等を踏まえ、体力等の制約の下でできる仕事への移行を目指していくとともに、中途障害の場合を含め、配置転換も視野に入れた職業訓練の促進等によるキャリア形成の促進を図ることが重要である。 ●雇用する障害者に対する適切な雇用管理や合理的配慮の提供を行うことはもちろん、例えば、グループホームにおける日常生活や健康上の管理の支援、地域活動における余暇活動の支援といった福祉との連携も重要である。加えて、障害者本人の体力が低下してくること等を踏まえると、企業がキャリア形成や配置転換等の環境整備を行った上でも、本人が希望する場合等には、福祉的就労への移行が円滑に進むような支援体制を整備しておくことも、障害者本人の就業・生活支援の観点から重要である。 ●中高年齢層の障害者については、体力等の低下や家族構成等も変化していく中にあって、当面の職務内容や配置転換、就業時間の設定等から、退職までの間の働き方全般、働くための土台となる地域での安定的な住まいや居場所づくりの確保等、職業生活全体を再設計していくことで、障害者本人、使用者側の双方にとって、長く安定的に働き続けることができるとともに、円満な定年退職等の時期を迎えられ、その後の人生も含めて、できる限り本人が自ら選択できる環境が整えられていくものと言える。 ●このため、中高年齢層の障害者本人が希望する場合には、企業にとって可能な範囲で、狭義の雇用管理の枠を超えて、その家族や自治体、地域の支援機関等の協力も得つつ、雇用している障害者本人との間で職業生活全般の再設計を丁寧に話し合う場を企業が整えていくような取組を拡げていくことが望ましいと言える。 * * *  こうした研究会の意見をふまえ、今後、働く障害者の高齢化が課題となる企業においては、中長期的に中高年齢層の雇用支援に関する取組みを推進していくことが重要となるでしょう。  次回から、高齢化した障害者従業員への対応を課題として取り組む企業の事例を紹介していきます。 ※厚生労働省 平成30年「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」報告書:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00679.html 表 障害者の年齢別表雇用者割合について(障害種別) 身体障害 〜24歳 4.1% 25〜34歳 10.7% 35〜44歳 16.2% 45〜54歳 26.6% 55〜64歳 33.8% 65歳以上 8.6% 知的障害 〜24歳 25.9% 25〜34歳 35.5% 35〜44歳 23.6% 45〜54歳 12.1% 55〜64歳 2.6% 65歳以上 0.2% 精神障害 〜24歳 6.1% 25〜34歳 16.4% 35〜44歳 40.2% 45〜54歳 28.8% 55〜64歳 8.3% 参照:「平成25年障害者雇用実態調査」(厚生労働省調査) 【P12-14】 インフォメーション 全国12エリアで開催します! 2019年度 就業支援実践研修のご案内  当機構では、医療・福祉などの関係機関で障害のある方の就業支援を担当している方を対象に、就業支援の実践力を高めるための「就業支援実践研修」を全国12エリアで開催します。  みなさまの受講を心よりお待ちしています。 対象者 労働、福祉、医療、教育などの関係機関の職員であって、2年以上の実務経験のある就業支援担当者 内容 【障害別コース:3コース】 ■精神障害コース ■発達障害コース ■高次脳機能障害コース 【各コースのカリキュラム:1日間】 ■企業へのアプローチ(講義、演習)  障害者雇用の取組み、就業支援者に求めること、企業の視点・ニーズをふまえたアプローチ方法など ■就業支援の実際(講義、演習)  職業生活上の課題に関する相談やアセスメント場面における障害特性に応じた支援技法・ツールの活用方法など ■ケーススタディ  支援事例をもとにしたグループでの事例検討 エリア・時期・定員など ■開催エリア  @北海道 A北東北 B南東北 C関東・甲信越 D北陸 E東海 F近畿 G中国 H四国 I北九州 J南九州 K沖縄 ■開催時期  2019年10月〜12月 ■日程・会場・定員など  各エリアで設定しています。  詳細は当機構ホームページをご確認ください。 お申込み ◎申込方法:申込用紙は、当機構ホームページからダウンロードできます。申込用紙に入力のうえ、希望するエリアおよび障害別コースの申込先の地域障害者職業センターに、メールでお申し込みください。 ◎受講決定:申込締切後、メールで順次連絡いたします。 ◎申込受付期間・申込先:各エリアで設定しています。  当機構ホームページをご確認ください。 ※定員を超えた場合は人数の調整をさせていただくことがあります。 〜参加者の声〜 ●実際に使える支援ツールを学ぶことができて、大変満足している ●具体的な支援方法や事例検討など、幅広く勉強できた ●グループワークが多く、さまざまな視点、意見を知ることができてよかった 講義風景 演習風景 ステップアップ方式の研修体制となっています! ステップ1 初めて担当する方 全国の地域障害者職業センター 就業支援基礎研修 就業支援の基礎づくり ステップ2 2年以上実務経験のある方 全国12エリアの地域障害者職業センター 就業支援実践研修 アセスメント力と課題解決力の向上 精神障害/発達障害/高次脳機能障害コース ステップ3 3年以上実務経験のある方 障害者職業総合センター 就業支援スキル向上研修 障害特性に応じた 支援スキルの向上 精神障害/発達障害/高次脳機能障害コース 障害者職業総合センター 就業支援 課題別セミナー 新たな課題やニーズに対応した知識・技術の向上 お問合せ先 職業リハビリテーション部 研修課 TEL:043-297-9095 E-mail:stgrp@jeed.or.jp URL:http://www.jeed.or.jp/ 就業支援実践研修 検索 ◆2019年度「地方アビリンピック」開催地一覧◆ 各都道府県における障害者の技能競技大会「地方アビリンピック」が下記の日程で開催されます。 詳細は、「地方アビリンピック」ホームページをご覧ください。 都道府県 開催日 会場 北海道 10月5日(土) 北海道職業能力開発促進センター 青森 9月下旬 @青森職業能力開発促進センター Aホテル青森 岩手 7月7日(日) 岩手県立産業技術短期大学校 宮城 7月13日(土) 宮城職業能力開発促進センター 秋田 7月12日(金) 秋田市にぎわい交流館AU(あう)(エリアなかいち) 山形 7月9日(火) 山形ビッグウイング 福島 11月9日(土) 福島職業能力開発促進センター 茨城 12月7日(土) 12月8日(日) 茨城県職業人材育成センター 栃木 7月6日(土) @栃木職業能力開発促進センター A文星芸術大学 Bとちぎ福祉プラザ 群馬 7月6日(土) 群馬職業能力開発促進センター 埼玉 7月13日(土) 国立職業リハビリテーションセンター 千葉 11月頃 未定 東京 2月中 @東京障害者職業能力開発校 A職業能力開発総合大学校 神奈川 10月24日(木) 10月26日(土) 国立県営神奈川障害者職業能力開発校 新潟 9月7日(土) 新潟市総合福祉会館 富山 7月27日(土) @富山市職業訓練センター A富山県技術専門学院 石川 10月6日(日) 石川職業能力開発促進センター 福井 7月7日(日) 福井県立福井産業技術専門学院 山梨 10月6日(日) 山梨職業能力開発促進センター 長野 7月20日(土) 7月21日(日) ポリテクセンター長野 岐阜 7月13日(土) 東海職業能力開発大学校 静岡 @AB7月6日(土) C7月13日(土) @静岡市清水文化会館マリナート A静岡市東部勤労者福祉センター清水テルサ B清水社会福祉会館はーとぴあ清水 C学校法人静岡理工科大学 静岡デザイン専門学校 愛知 @6月16日(日) A6月22日(土) B6月23日(日) C6月29日(土) @愛知県立名古屋聾学校 A大成今池研修センター B学校法人 珪山学園 専門学校 日本聴能言語福祉学院 C中部職業能力開発促進センター 三重 11月30日(土) 三重職業能力開発促進センター 滋賀 @10月5日(土) A10月12日(土) @滋賀職業能力開発短期大学校 A草津市立まちづくりセンター 京都 2月1日(土) @京都府立京都高等技術専門校 A京都府立京都障害者高等技術専門校 大阪 @AB6月22日(土) @7月6日(土) @関西職業能力開発促進センター A(社福)日本ライトハウス視覚 障害リハビリテーションセンター B(社福)大阪市障害者福祉・スポーツ協会 大阪市職業リハビリテーションセンター 兵庫 6月22日(土) 7月6日(土) 兵庫職業能力開発促進センター 奈良 @6月23日(日) A6月28日(金) @奈良県立盲学校(パソコン操作のみ) A奈良県立高等技術専門校 和歌山 6月15日(土) 和歌山職業能力開発促進センター 鳥取 6月27日(木) 鳥取県立福祉人材研修センター 島根 7月13日(土) 島根職業能力開発促進センター 岡山 6月29日(土) 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 広島 12月または1月 広島障害者職業能力開発校 山口 10月19日(土) 山口職業能力開発促進センター 徳島 9月21日(土) @徳島職業能力開発促進センター A徳島ビルメンテナンス会館 香川 1月下旬または2月上旬 @かがわ総合リハビリテーションセンター A香川県立高松養護学校 B香川県立香川中部養護学校 愛媛 7月13日(土) 愛媛職業能力開発促進センター 高知 7月6日(土) 高知職業能力開発促進センター 福岡 @6月8日(土) A6月15日(土) @福岡県立福岡高等技術専門校 A国立県営福岡障害者職業能力開発校 佐賀 1月頃 @村岡屋大和店 Wa cafe さかしめ A佐賀職業能力開発促進センター 長崎 7月6日(土) 長崎県立長崎高等技術専門校または長崎職業能力開発促進センター 熊本 @6月29日(土) A6月30日(日) @熊本職業能力開発促進センター A熊本県立技術短期大学校 大分 11月30日(土) 社会福祉法人太陽の家 宮崎 7月6日(土) 宮崎職業能力開発促進センター 鹿児島 7月21日(日) @鹿児島職業能力開発促進センター A国立・県営鹿児島障害者職業 能力開発校 沖縄 7月20日(土) 沖縄職業能力開発大学校 地方アビリンピック 検索 ※2019年6月13日現在 青森、千葉、東京、神奈川、広島、香川、佐賀、大分については、予定または未定になります 開催地によっては、開催日や種目などで会場が異なります 参加選手数の増減などにより、変更される場合があります 障害者職業総合センター職業センターで実施している職業リハビリテーション技法開発に関する報告書・マニュアルのご紹介  障害者職業総合センター職業センターは、これまでの支援技法では効果が現れにくい発達障害、精神障害、高次脳機能障害のある方に対する新たな職業リハビリテーション技法の開発と改良を行い、幅広く支援技法の普及を行っています。毎年その成果物を発行しています。 ◎当機構研究部門ホームページに、開発の成果をまとめた実践報告書および支援マニュアルを掲載しております。  全文や、すぐに使える資料などがありますので、ダウンロードしてご活用ください。  URL http://www.nivr.jeed.or.jp/center/center.html 発達障害のある方への支援技法開発の成果 「発達障害者のアセスメント」 支援マニュアルNo.18(平成31年3月発行)  発達障害者の就労支援において支援当初の基礎情報収集や個別相談場面、各種支援場面などで使用するアセスメントシートを一部改良するとともに、新たに作成し、実際の支援現場で日常的に活用していただくことを念頭に、その目的、内容、実施方法、留意点、支援事例などをまとめました。  巻末にはこれらアセスメントシートを収録したCD-Rを添付しています。 精神障害のある方への支援技法開発の成果 気分障害等の精神疾患で休職中の方の「職場復帰支援における事業主との調整」 支援マニュアルNo.19(平成31年3月発行)  うつ病などによる休職者の円滑な職場復帰を図るため、休職や復職に関する社内制度や職場復帰可否の判断基準など、職場復帰において必要な情報を事業主、休職者、支援者が共有するための「情報共有シート」、職場復帰に向けて取り組む目標を支援内容に反映させるための「目標チェックリスト」など、事業主との調整に関する支援ツールの使用方法および活用事例をまとめました。 高次脳機能障害のある方への支援技法開発の成果 「感情コントロールに課題を抱える高次脳機能障害者への支援」 〜認知と行動に焦点をあてたグループワークの試行〜 実践報告書No.33(平成31年3月発行)  高次脳機能障害者の支援課題の一つである「感情のコントロール」の支援として、「感情のバランスを保ち安定して働くための知識付与や、障害への自己認識を深め、対処手段の習得を図ること」を目的としたグループワークを実施し、その内容や支援事例などをまとめました。  巻末には、グループワークで使用した資料を収録したCD-Rを添付しています。 【P15-18】 グラビア 高い木工技術力でアビリンピック入賞を目ざす 社会福祉法人アバンセ カサ・チコ(熊本県) 取材先データ 社会福祉法人アバンセ カサ・チコ 〒861-4171 熊本県熊本市南区御幸(みゆき)西2丁目659-3 TEL:096-223-8710 写真:小山博孝・官野 貴/文:小山博孝  アビリンピック世界大会に、連続3回(日本、韓国、フランス)、全国大会に8回、「木工」競技の代表選手を送り出している事業所が熊本市にある。社会福祉法人アバンセが運営する就労継続支援B型事業所「カサ・チコ」だ。  2000(平成12)年、前身である共同作業所「手づくり工房カサ・チコ」が、保護者と有志らで立ち上げられた。スタート時の利用者に森本(もりもと)常公(つねひろ)さん(44歳)がおり、その後、本田(ほんだ)哲郎(てつろう)さん(35歳)が加わったという。2002年、2人はアビリンピック地方大会の木工競技に出場し、森本さんが金賞を、本田さんが銀賞を獲得した。2人は、「初めての競技会でハラハラドキドキの経験でした」、「入賞できてうれしかったです」と振り返る。  「これが私たちのアビリンピックとの出会いでした。それからは全国大会出場を目ざして夢中でやってきました」と話すのは、木工技術の指導にあたる所長の三山哲也さん。熊本県立高等訓練校で木工技術を学んだ三山さんは、特注家具を製作する企業に入社。その後、別の企業で技術指導員として海外へ赴任したり、社会福祉施設での勤務などを経て、木工の指導者としてカサ・チコに加わった。三山さんの指導のもと、次回、愛知県で行われる全国大会に向けて、若手たちも練習に力が入る。  取材の日、熊本市の中心街で開催された“おとなりマルシェ”では、アビリンピックの受賞者たちが製作した木工製品が並んだ。その高い技術力から、カサ・チコの木工製品は人気を呼んでいる。 週1回、アビリンピックに向けた練習をしている松内(まつうち)宏幸(ひろゆき)さん(24歳、左)と、指導にあたる三山(みつやま)哲也(てつや)さん(右) フランスのボルドー市で開催された国際アビリンピック・フランス大会(2016年)に出場した二宮(にのみや)裕(ゆたか)さん(28歳、右)と、会場で指導、激励する三山さん(左) 利用者24人、朝9時のラジオ体操からカサ・チコの一日が始まる カサ・チコで製作されている木工製品 「木工」の課題の説明を受ける宮崎(みやざき)裕史(ゆうじ)さん(32歳、左)と松内さん(右) アビリンピック出場者のみなさん フランス・ボルドー市での世界大会(2016年)で、日本代表として活躍した二宮さん 韓国・ソウル市での世界大会(2011年)に、日本代表として出場した森本さん 日本・静岡県での世界大会(2007年)に出場、銀賞に輝いた本田さん 先輩たちに続けと、若手の一番手として技術向上に励み、アビリンピック出場を目ざす松内さん 沖縄県での全国大会(2018年)に熊本県代表として出場した宮崎さん。9年かけて代表に選考された努力家だ 利用者の活動の様子 ていねいに商品の色つけ作業を行う 数字パズルの仕上げ作業 木工パズルの色つけ作業 月1回の誕生会。みんなで一緒に食事会 二宮さん(中央)も祝ってもらった 熊本市の中心街での“おとなりマルシェ”。本田さんらアビリンピックの受賞者たちが製作した木工製品も人気だ 【P19】 エッセイ 最終回 『障がい者の就活ガイド』を出版して 『障がい者の就活ガイド』著者 紺野大輝 紺野大輝(こんのたいき) 1976(昭和51)年、札幌市生まれ。「脳性麻痺による脳原性運動機能障害(両上肢機能障害)2級」という障害を持って生まれる。2000(平成12)年法政大学卒業後、一般採用で都内老舗ホテルに入社、購買部で5年間勤務する。2006年、障害者採用で転職。2016 年、『障がい者の就活ガイド』(左右社)を出版。2018年8月22日、朝日新聞「天声人語」で紹介される。 公式ホームページ:http://konnotaiki.net/ ◎『就活ガイド』出版  障害者雇用の啓発活動を始めるようになって、「障害者向けの就職活動本を出版したい」と思うようになりました。  それにはいくつか理由があります。一つめは、私自身が障害者として就職活動をした当時、情報が少なく苦労した経験があったからです。  二つめは、それから10年が過ぎ、情報化社会が進み、寝たきりの障害者でもさまざまな情報に触れられる現代でもなお、障害者が就職活動をするうえで必要な情報はかぎられているためです。就労支援にかかわり就職を希望する障害者の方々と接するなかで、痛感しました。  三つめは、障害者採用の仕事にたずさわり、応募書類の書き方、面接の機会に伝えるべきことなど、就職活動のコツや要点が見えてきて、それを伝えたいと強く思うようになったためです。  すでに講演などを通じて情報発信をはじめていましたが、もっといろいろな方にメッセージを伝えたいと思い、そのためには書籍にまとめることが有効であると感じました。ご縁に恵まれ2016(平成28)年12月に『障がい者の就活ガイド』を左右社より出版しました。 ◎予期せぬうれしいこと  出版直後から大きな反響がありました。新聞や雑誌で紹介されたり、講演の依頼が増えたりしました。そして、予期せぬうれしいこともありました。  それは、高校や大学のキャリア授業への登壇(とうだん)です。最初はなぜ私なのかと思いましたが、「紺野さんが悩んだり苦しんだりしたこと、そしてそれを乗り越えた話は、これから社会に出る学生にきっと役に立つはずです」というのが依頼理由でした。  「できないことがあっても落ち込む必要はない。なんでもできるスーパーマンのような完璧な人はいないのだから」、「強みを活かしてどのような貢献ができるのか考えるのが大切」、「悩みや課題はなくならない。それから逃げるのではなく成長に結びつけるのが重要」。私が伝えているメッセージは、障害があってもなくても同じです。働くことにおいては一緒です。  また、講演のなかには障害者雇用の話を織り交ぜます。「企業には障害者を雇用する義務があります。みなさんも社会に出たら障害者と働く可能性があります。そのとき、どうしたらよいと思いますか」と問いかけます。そうすると、みんな真剣に考えます。  最初は「知らなかった」という驚きが中心ですが、そのうち「法律で決まっているから仕方なく雇うという企業はカッコ悪い」、「できないことがあっても『お互いさまだよね』といって支え合って働きたい」など、大人顔負けの意見が出てきます。  学生のころから障害者雇用について知っていれば、社会に出て一緒に働くようになっても抵抗はないはずです。少しでも身近に感じてもらえるよう、現在は積極的に学校にうかがっています。 ◎これからの働き方  私が新卒で働き始めた2000年ごろは、障害者に対する差別や偏見は当たり前のようにありました。その後、さまざまな法改正があり障害者の働く環境は格段に改善されました。  近年は、在宅勤務やテレワークなど場所を問わない働き方や、週1日勤務からの短時間雇用など、新たな取組みをする企業も増えてきました。テクノロジーの進化により、働き方はますます多様化していくでしょう。就労を希望する障害者が、自らの能力を活かして働ける社会になることを願っています。私もその支援を今後も継続していきます。  全5回にわたりお読みくださりありがとうございました。このような機会をいただけましたことに心より感謝いたします。 キャリア授業の様子 【P20-25】 編集委員が行く 特例子会社の設立・誘致で働く場づくり 〜農園芸で越後の特産品を商品化し就農へ〜 株式会社夢ガーデン、特定非営利活動法人UNE(ウネ)(新潟県) 山陽新聞社会事業団専務理事 阪本文雄 取材先データ 株式会社夢ガーデン 〒940-0241 新潟県長岡市北荷頃(きたにごろ)1517-2 TEL 0258-51-1150  2012(平成24)年1月に設立。肥料「かんとりースーパー緑水」を製造、出荷。木工品の製造、販売、野菜や山菜の生産、採取も行っている。社員数は11人(知的障害2人、精神障害2人、聴覚障害3人、その他身体障害1人、健常者3人)。代表取締役社長は野口邦夫氏。  親会社は緑水工業株式会社。新潟県内で上下水道施設の運転維持管理をコア事業とし、下水道管の清掃、調査、補修、更生工事、太陽光パネル洗浄作業、汚泥を肥料化するバイオマス事業などを展開している。社員数420人。代表取締役は家老俊一氏。 特定非営利活動法人UNE 〒940-0242 新潟県長岡市一之貝(いちのかい)869 TEL 0258-86-8121  長岡市議会議員だった家老洋氏が2011年4月に設立し、代表理事に就任。障害者、高齢者が人間らしく、誇りを持って自立することを支援するのが目的。モットーは「施しよりは仕事」。中山間地域で、農園芸による就労、特例子会社を誘致しての就労の場づくりに取り組む。 編集委員から  越後の過疎地に山里の特性を活かして特産品を発掘し、くろもじ茶の製造、棚田で栽培した酒米を使ったどぶろく醸造、山菜を使った農家レストランの経営、民泊営業を展開している元気のよいNPO法人を訪ねた。この10年は試行錯誤の連続だったそうだが、特産品の商品化は着実に前進。むずかしい農園芸での就労に明かりが見えてきていた。過疎地への特例子会社の誘致、設立というユニークな取組みも成果をあげていた。 写真:小山博孝・官野 貴 Keyword:地域活性化、特例子会社、農福連携、農産品の製造・販売 POINT 1 障害者の就労の場として、特例子会社の設立・誘致に取り組む 2 中山間(ちゅうさんかん)地域にある特産品を発掘し商品化。その生産・販売を地域活性化へつなぐ 3 障害者や受入れ市民のための「就農訓練カリキュラム」を作成、就農・就労をマニュアル化  上越新幹線の長岡駅から車で20分、長いトンネルを抜けると、4月というのにまだ辺りの山には雪が残っていた。豪雪地帯なのだ。その里山の麓(ふもと)に緑水工業株式会社(以下、「緑水工業」)の「緑水工業コンポストセンター」の看板があり、下水処理の過程で発生する汚泥を高温発酵して肥料をつくるバイオマス事業所があった。その敷地内に鉄骨2階建ての、特例子会社「株式会社夢ガーデン」の社屋がある。  「遠路ようこそ」と、作業服姿の代表取締役社長、野口(のぐち)邦夫(くにお)さんが迎えてくれた。会社の概要を聞く。  「障害者の雇用機会の拡大、ノーマライゼーションを企業内で実現するため、ともに働くことの幸せを実感できる環境を目ざして特例子会社を設立しました。ここで働く障害のある人たちの当初の業務は、肥料の袋詰めと配達でしたが、地域に高齢者が多く、耕作放棄地が増えたため、それを活用して農業に参入しました。ワラビや行者(ぎょうじゃ)ニンニクなどの植えつけ、ウド、キノメ、ミズナ、ウワバミソウ、ネマガリタケなど山菜の採取、そして雪の降る冬は、木工製品の制作を行っています」  いつしか郷土色豊かな、地域に根ざした仕事内容になっていた。「社員の体力、根気、特性、適性や、季節、働きやすさなどを配慮し、この7年間の経験により、業務内容はこのようになりました」と話す。  さっそく木工作業室へ。聴覚障害のある武藤(むとう)哲夫(てつお)さん(66歳)が杉の木を用い、草花を植えこむプランターをつくっていた。  「木工が一番好きです。長岡聾(ろう)学校にいたとき、大工コースで6年間習っていました。休みの日はスキーをします。スキー大会運営のボランティアにも行きます」  筆談と、同僚の手話を交えての取材。スキー歴は40年の上級者だった。  コンポストセンターで肥料の袋詰め作業を中心に働く小浦(こうら)英幸(ひでゆき)さん(39歳)は「袋一つが15s、結構重いんです。夏は暑くて汗が出ます。休みの日は彼女とドライブを楽しみます」と笑顔で話した。  障害のある8人の年齢は21歳から68歳まで。平均年齢は30代だ。9時から16時まで勤務している。山菜と大根、白菜、スイカなどは長岡市街地にあるJA直売所で販売している。  「山菜、野菜の売り上げ、親会社からの肥料の生産委託費などが会社の収入源になっています。発足時にはコミュニケーション不足からトラブルもありましたが、最近は落ち着きました。個性を把握することが大事です」と野口さんはいう。  実は、特例子会社設立を提案したのは「特定非営利活動法人UNE(ウネ)」(以下、「UNE」)代表理事の家老(かろう)洋(ひろし)さんだった。 特例子会社設立のきっかけ  2004(平成16)年、中越地震が長岡市を襲った。山古志(やまこし)地区などは被害が大きく、全国へ報道された。当時、長岡市議会議員だった家老さんは被災者支援に東奔西走(とうほんせいそう)したが、自力で避難所に行けない障害者や介護の必要な高齢者が、救援物資も届かず、停電のため暖房もない自宅に取り残されている様子を目の当たりにした。このことがきっかけとなり、障害者が地域のなかで安心して暮らしていけるよう、2008年、信濃川の河川敷を借りて障害者、その家族とともに畑を耕し野菜づくりを始め、2011年、市議会議員の任期切れとともにUNEを中山間地区にある長岡市一之貝(いちのかい)に立ち上げた。その最初の仕事として取り組んだのが特例子会社の設立と誘致であった。  「過疎地に誘致すれば一気に障害者雇用は前進するし、地域活性化の拠点になる」と考え、緑水工業に働きかけた。ちょうど緑水工業も業務を拡張しようとしていたことなどから、特例子会社の設立は会社の方針として決定された。先進地の視察などを行い、「株式会社夢ガーデン」を設立登記した。その後、障害者就職面接会への参加、特例子会社としての認定と、2012年3月まで家老さんと緑水工業の担当者は走り続け、1年がかりで特例子会社発足へ漕ぎ着けた。県内で2番目、全国的には数少ない中小企業の特例子会社だった。  当時を振り返り、家老さんは、「就労を目ざす障害者にとって、『一般企業に就労する』という目標ができた。武藤さんはUNEで働いていましたが、当法人からの推薦で就職説明会に参加し採用されました」という。設立に際し、さまざまな助成制度があることを知り、活用した。「障害者雇用納付金制度に基づく助成金、トライアル雇用奨励金などの申請、障害者の受入れ後のジョブコーチ支援、生活支援などを活用しました。また、新潟労働局、新潟県、長岡市、新潟障害者職業センター、障がい者就業・生活支援センターこしじ、ハローワーク、特別支援学校などとの連携が欠かせなかったし、お世話になりました」と感謝する。  家老さんは夢ガーデンの設立出資者の一人になり、いまもUNE と連携しながら障害者や高齢者の就労に同一歩調で取り組んでいる。  2015年、夢ガーデンは地元の大光(だいこう)銀行から「地方創生大賞」を贈られた。障害者雇用、耕作放棄地の活用、山菜栽培の三つが過疎地の地域活性化へつながったことが評価された。  夢ガーデンの応接室には2017年、当機構から緑水工業へ贈られた、「障害者雇用優良事業所表彰」の「理事長努力賞」の表彰状が額に入れてあった。  緑水工業の社是(しゃぜ)である「何等(なんら)報いらるるを期待しない献身的な努力」が実を結んだ、一つのあらわれである。 就労につながる特産品づくり  夢ガーデンから車で5分ほど、谷あいの傾斜地に水田、畑、農家が点在する一之貝地区に「UNEHAUS(ウネハウス)」というドイツ語表記の看板がかかる木造2階建ての民家がある。ここがUNE の本拠地、地域活動支援センターUNEHAUSである。Uはユニバーサル、つまり「普遍的、全体」ということで、年齢、障害の有無に関係なく広くみんなに共通する、という意味を持つ。Nは農園芸、Eは越後を意味する。  「越後で農園芸を通して国も性別も年齢も障害の有無も超えてみんなが働き、自立する地域づくりを、という思いを三つのアルファベットに込めた」と家老さんは語る。  家老さんの実家は長岡市の米作農家である。1981(昭和56)年に宇都宮大学農学部を卒業し、1983年に農業実習生海外派遣事業でドイツ・ケンペンの野菜栽培農家にて、ジャガイモ、白菜づくりに1年間従事。ドイツ語で日常会話もこなせるようになった。帰国後は国際農業者交流協会に勤務し、1991年から同協会欧州支部長としてドイツ・ボンに7年間駐在。海外派遣の農業実習生を受け入れ、世話をするコーディネーター役を果たした。帰国した1999年から2011年まで長岡市議会議員として農業振興、地域の活性化、国際交流などに尽力した。  家老さんが歩んだ人生から得た、国際性、越後にこだわる地域性、そこに根ざした農園芸、市議会議員の政治活動から知った障害者就労の必要性、そういったものがバックグラウンドになりUNEの活動が展開されている。法人設立から7年、地域の農園芸のなかから就労につながる特産品づくりが具体化していた。  棚田を利用した米づくりは29歳のスタッフ、田中(たなか)大地(だいち)さんの担当。1・7ヘクタール、傾斜地にある28枚の棚田にイモチ病(※)への耐性のある改良されたコシヒカリ、従来のコシヒカリ、酒米「亀の尾」、もち米「大正餅」、「農林22号」と、5種類のコメを生産している。5月初めに行う田植えでは、山の湧水を田に引く。これが最大の滋養となり、越後の風土と気温、日照がおいしい米に育ててくれる。9月から11月にかけて稲刈り。その間、あぜの草刈、病害虫の防除を、障害のあるスタッフとともに行っている。  実は田中さんは4年前までは食品会社のサラリーマンで、農業の経験はなかった。ハローワークの求人でUNEを知り、自然が好きで趣味は山登りとあって、UNEの活動に興味を持って転身、米づくりの先輩スタッフ、齋藤(さいとう)喜一(きいち)さん(66歳)の実地指導を受け、地域の農家の人たちに助けられて、米づくりを学んだ。「『コメづくりが自分に合っている』と思いはじめ、3年目からやっと自分が思う米づくりができるようになりました」と田中さん。そのお米を使っているUNEHAUS内の食堂が、長岡保健所の営業許可を取って農家レストランになり、「お客さんが『おいしい』といってくれるのが何よりうれしい。励みになります」と語る。 どぶろくで優秀賞  今年3月、地元紙長岡新聞に「全国どぶろく研究大会 雪中壱乃界(せっちゅういちのかい)が優秀賞」、「市内初の蔵元 NPO法人UNE」という大きな見出しのトップ記事で紹介され、どぶろくの仕込みをする齋藤さんの写真も掲載された。記事には2013年、長岡市がどぶろく特区になり、UNEがその他の醸造酒製造許可を長岡税務署から取得、同市内初の蔵元になり、齋藤さんが担当することになったと紹介されている。  齋藤さんはもともと、地元の織物会社の研究開発担当の取締役だったが会社が倒産。職を失った人たちに申し訳ない気持ちがあり「福祉で恩返しを」とUNEに入った。半年後、どぶろくづくりの話が持ち上がり、翌年から酒米「亀の尾」を田植えした。どぶろくづくりには、自家産米を使う。亀の尾を蒸し、酵母と麹を入れ水と合わせ仕込む。亀の尾は寒さと水の冷たさに耐える特性があり、濃い芳醇(ほうじゅん)な味に仕上がる。2015年11月、最初のどぶろくが瓶詰めされた。家老さんは新潟の銘酒にちなみ「雪中」、地名の一之貝から広く世界に思いを込め「壱乃界」とし、ラベルに「雪中壱乃界」と刷り込み、障害のあるスタッフとともにラベルを貼った。720mlで販売価格2160円。年間1000〜1500本売れている。「素人ががんばって国内2位の賞をいただいた。うれしかった。全国の人に飲んでほしい。採算ベースは2000本なので、もう少し。通信販売もしています」と66歳の齋藤さんの言葉に力が入った。  また、UNEではクロモジを使った商品の開発・販売にも力を入れている。2016年、家老さんは薬用酒メーカーの人と知り合い「原料になるクロモジを探している」といわれた。クロモジは漢方では整腸作用があるとされ、香りがよく、リラックス効果も期待される。家老さんはUNEHAUSの周辺の山に自生していることを思い出し、現地へ行ってみると、棚田の上の山で発見。メーカーに連絡し納入への具体的な条件を確認して出荷が始まった。クロモジは高さ2mほどの落葉樹だ。秋口に山へ採取に行き、昨年度は3t出荷できた。その後、以前からの知り合いとの協働でお茶の商品化に取り組み、2017年より販売を開始した。枝と葉を採取、洗浄した後、乾燥し、お茶になる。枝をはさみで短く切る作業は手間がいるが、障害者には向いていた。山中でクロモジを見分ける作業も、覚えると早くなった。商品も好評で長岡市の道の駅、そしてJR長岡駅、新潟駅の土産物屋で販売している。商品化はさらに進み、今年3月には搾油(さくゆ)を行い、そのエッセンシャルオイルが「ピローミスト」という商品名でスプレーになった。寝る前、枕に吹きかけるとリラックス効果から睡眠導入が期待できるという。試してみたが、たしかによい香りだった。 就農訓練カリキュラム  特産品づくりや農家レストランを営業するUNEHAUSでは、身体障害、精神障害のある方など10人が、パートタイマーやボランティアとして活動している。  米づくりからどぶろくづくりを行い、クロモジは薬用酒の原材料、お茶、ピローミストと展開。どぶろくはプロに負けない品質評価を得ることができ、クロモジは香りが商品力を発揮している。UNEHAUS を訪れる人たちへの直接販売、長岡市のJA直売所、新潟県内の土産物屋での委託販売、通信販売をしているが、まだ広がりに欠けるという。「全国で売れる商品となる素地はあるのですが、知名度をあげるには宣伝など企業のノウハウと資金力が必要で、パートナーとの連携などでこの壁を超えたい」と家老さん。越後のNPO法人が発掘し育てた商品の全国展開へ意欲を見せる。  UNEHAUSの活動が注目されている点として、特例子会社誘致、特産品づくりのほか、就農訓練カリキュラムがある。就農訓練は市民ボランティア、障害者、生活困窮者ら、社会参加、就業、就農を目ざす人たちが、農園芸の基本的な知識と技能を習得し、地域社会で働き、生活する習慣を身につけることを目的としている。就農訓練カリキュラムに参加する人たちは、チェックリストにより、社会生活を営む基本的能力として、あいさつの励行など15項目、就業に必要なこととして、報告や時間厳守など15項目を認識するようにできている。学科では土壌と肥料、病虫害防除、栽培計画、流通・販売などを学び、実技・実習では農機具の取扱い、施肥(せひ)・播種(はしゅ)、栽培を行う。このほか、稲刈り、地区の農業祭などにも参加。JA、農業改良普及センターなどから講師派遣を受けて、農家の人たちと一緒に作業をして話しながら教えてもらう。家老さんは「専門的、実践的な内容とし、立派な就農者を育成したい。農家の側から就農者へアプローチしようという数少ない試みです。農業の魅力、楽しさを体感し、自分に合った仕事だと思えるよう、詰め込み教育は避け、日程も余裕を持たせつつ、学んだことを振り返るなど、農業分野における働き方改革も一緒に考えたい」という。 特例子会社の誘致活動  夢ガーデンに続く特例子会社誘致も継続している。最近では「障害者雇用に特化した特例子会社企業誘致のご案内」というパンフレットを作成した。「障害者雇用の義務化」、「特例子会社の定義」、「長岡市の立地」を紹介し、受入れNPO法人として「UNEの概要」を記載。特例子会社の運営プラン、農地の利用方法、障害者の募集方法などをもりこみ、具体的でわかりやすい内容とした。この1年間では京セラ株式会社、中国電力株式会社などを訪問し、長岡市での設立を働きかけた。  家老さんはUNEHAUSと夢ガーデンを核にして北荷頃(きたにごろ)、一之貝、軽井沢の3地区にて農園芸で活性化する地域づくりをテーマに考え、北荷頃・一之貝・軽井沢集落連携促進協議会を組織し、事務局をUNEHAUSに置いた。UNEHAUSの活動に共感した、長岡市地域おこし協力隊の南(みなみ)博之(ひろゆき)さんは、UNEHAUSに常駐して北荷頃地区の地域おこしに奔走する。「UNEの活動が地域へ大きな輪になって広がっている」と南さんはいう。  これら、UNEによる特例子会社の誘致活動などが、今後この地域の人口増や活性化の推進力になるよう期待している。  小山カメラマンとともに私たちはUNEHAUSに泊まった。農家レストランのメニューは長岡市栃尾(とちお)名物のジャンボ油揚げ、車麩・ぜんまい・ふきのとうの煮つけ、山菜のてんぷら、れんこん・こんにゃくなどの入った「のっぺ」、白菜の漬物、大根キムチなどがお膳に並んだ。料理してくれたのは、近くに住むパートの中野ケイ子さん。孫8人、ひ孫6人、79歳の主婦が腕を振るった越後の家庭料理。おいしかった。アルコール度12%のどぶろくの生もいけた。 ※イモチ病:イネに発生する主要な病気の一つで、感染すると十分な成長ができなくなる 稲刈り 田植え クロモジ採取 雪おろし 雪かき どぶろくづくり (当ページの写真提供:特定非営利活動法人UNE) 夢ガーデン代表取締役社長の野口邦夫さん 特例子会社「株式会社夢ガーデン」 木製プランターを製作中の武藤哲夫さん 完成した木製プランター 肥料の袋詰め作業をする小浦英幸さん(右)たち UNE代表理事の家老洋さん シイタケなどキノコの原木の整理をするスタッフ 長岡市の山間地、一之貝地区 棚田を見回る米づくり担当の田中大地さん UNEHAUS(上)と農家レストラン(下) どぶろくの仕込み作業をする齋藤喜一さん くろもじ工房では、クロモジからお茶やエッセンシャルオイルがつくられる 瓶詰めされたどぶろく「雪中壱乃界」 料理担当の中野ケイ子さん 長岡市地域おこし協力隊の南博之さん クロモジを使った「ピローミスト」と「くろもじ茶」 【P26-27】 研究開発レポート 気分障害等の精神疾患で休職中の方の職場復帰支援における事業主との調整 障害者職業総合センター職業センター  障害者職業総合センター職業センターでは、気分障害等の精神疾患により休職中の方々に対し、職場への再適応を支援し、離職の防止と雇用の安定を図るため「ジョブデザイン・サポートプログラム」(以下、「JDSP」)を実施し、ストレス対処、アンガーコントロール、対人技能、作業遂行等、復職に向けて必要となる各種スキルの付与に取り組んできています。  こうしたなか、気分障害等を有する休職者の復職に向けて行う職務、勤務条件、職場環境等にかかわる事業主との協議・調整においては、判断根拠とする情報の整理や共有が図られていないことにより、事業主と休職者の意思や意図に隔たりが生じ、支援が不調に終わる場合があります。このような状況をふまえ、2017(平成29)年度から復職調整に関するさまざまな情報を確認、整理し、共有するための支援ツールの開発に取り組み、平成30年度末に支援マニュアルNo.19「気分障害等の精神疾患で休職中の方の職場復帰支援における事業主との調整」(図1)として取りまとめました。  本マニュアルでは、開発した支援ツールの内容や活用方法を紹介するとともに、JDSPでの活用事例を通して、実際の支援での活用イメージや、復職調整を行う際のポイントについても、わかりやすく取りまとめています。 1 支援ツールの内容 (1)情報共有シート  復職調整における情報共有を円滑に進めるため、休職、復職に関する社内規程や制度、職場復帰可否の判断基準等を可視化し整理するツールとして「情報共有シート」(図2)を作成しました。  「情報共有シート」は、休職者と事業主、そして支援者が、職場復帰に関する基本情報をずれなく共有し、復職調整を円滑に進めることを目的としています。復職に向けた準備を始める段階で、必要な情報を正確に整理し共有することで、復職時に目ざす状態像についての共通認識が持て、休職者が休職期間中に取り組む目標や必要な手続、時間的な見通しを具体化していくことができます。 (2)職場復帰に向けての目標チェックリスト  休職者が職場復帰に向けて取り組む目標を明確にし、その達成度を確認するためのツールとして「職場復帰に向けての目標チェックリスト」(以下、「目標チェックリスト」)(図3)を作成しました。  「目標チェックリスト」は、復職調整において重要なポイントである、職場復帰に向けた目標についての関係者の認識のすり合わせや調整を行う際に活用するツールで、@職場復帰可否の判断基準の内容を具体的な目標として落とし込み、すり合わせることと、A目標に対しての達成度を確認することを主な使用目的としています。加えて、確認した結果をもとに、復職に向けて重点的に取り組む必要がある項目を休職者が自覚し、これをふまえた効果的な取組みにつなげていくことも活用のねらいとしています。 (3)行程整理シート  休職者が、職場復帰に向けたスケジュールについて、各段階における活動や必要な手続を記入し整理するために活用できるツールとして、「行程整理シート」(図4)を作成しました。行程を時系列で視覚化することで、職場復帰までの流れがイメージしやすくなり、見通しを持って準備を進められるという効果が期待できます。「行程整理シート」を活用することを通じて、休職者本人が主体的かつ計画的に、職場復帰に向けた動きを進めていくことをねらいとしています。 2 ツールの活用事例や効果について (1)制度や流れの正確な理解につながった事例  JDSP利用前に複数回休職をくり返してきた休職者が、曖昧(あいまい)に認識していた復職に関する制度や休職中の所得補償について、「情報共有シート」の活用を通じ、一つずつ事業主に確認を行うことで、実際の制度や復職時に得られる配慮について、正確な情報を把握することができました。これにより、経済面の不安が軽減し、現実的な復職目標時期を考えられるようになったとともに、JDSP通所段階、慣らし出勤段階、正式復職段階といった、各ステップでの目標を具体的にイメージすることができ、達成に向けた行動に反映させていくことができました。 (2)事業主と支援目標を共有できた事例  「休まずJDSPに通所できさえすれば復職できる」と考えていた休職者に対して、「目標チェックリスト」を活用し、目標やその達成度について事業主とすり合わせを行ったところ、突発的な休みや週初めの欠勤の多さが課題であること、改善のために不調の原因を理解し対処法を習得する必要があることが示されました。その結果、休職者自身が、休日の活動量の多さが欠勤に影響していることに気づき、「生活リズムを整え、翌週に支障のない休日の過ごし方を身につけ、具体的なストレス対処法を習得する」という、明確な目標を再設定することができました。支援開始時点で具体的な目標を確認、事業主と共有できたことで、休職者自身も意識して改善に取り組むことができました。 3 まとめ  円滑な復職を目ざすためには、復職に向けた準備を始める段階で、休職者、事業主、支援者が必要な情報を整理し共有することによって、復職時に目ざす状態像についての共通認識を持つことがとても大切です。休職者や事業主の状況はそれぞれ異なり、復職に向けた取組みはさまざまであり、順調に進むケースばかりではありませんが、円滑な復職を目ざすための手立ての一つとして、今回ご紹介させていただいた本マニュアル・支援ツールをご活用いただけると幸いです。  今後も多くの事例を積み重ね、ツールの開発・改良をしていきたいと考えています。  支援マニュアルNo.19「職場復帰支援における事業主との調整」は、障害者職業総合センター研究部門のホームページ(※1)に掲載しています。また、冊子の配付を希望される場合は、当職業センター(※2)に直接ご連絡ください。 ※1障害者職業総合センター研究部門http://www.nivr.jeed.or.jp/center/center.html   支援マニュアルNo.19 http://www.nivr.jeed.or.jp/center/report/support19.html ※2障害者職業総合センター職業センター TEL:043-297-9043 図1 図2 (裏) (表) 図3 図4 【P28-29】 霞が関だより 平成30年版 障害者雇用状況の集計結果 (平成30年6月1日) 厚生労働省 職業安定局 障害者雇用対策課  厚生労働省では、障害者雇用促進法に基づいて、障害者の雇用義務がある事業主などから、毎年6月1日現在の身体障害者、知的障害者及び精神障害者の雇用状況について報告を求めています。  平成30年6月1日現在における同報告を集計し、その結果をとりまとめました。 1 ポイント ■民間企業(法定雇用率2・2%) ○雇用障害者数53万4769・5人と過去最高を更新 ○実雇用率2・05%、法定雇用率達成企業の割合は45・9% ■公的機関(同2・5%、都道府県などの教育委員会は2・4%) ○国:雇用障害者数3902・5人、実雇用率1・22% ○都道府県:雇用障害者数8244・5人、実雇用率2・44% ○市町村:雇用障害者数2万7145・5人、実雇用率2・38% ○教育委員会:雇用障害者数1万2607・5人、実雇用率1・90% ■独立行政法人など(同2・5%) ○雇用障害者数1万1010・0人、実雇用率2・54% 2 民間企業における雇用状況 ◎雇用されている障害者の数、実雇用率  民間企業(45・5人以上規模の企業:法定雇用率2・2%)に雇用されている障害者の数は53万4769・5人で、過去最高となった。  雇用者のうち、身体障害者は34万6208・0人、知的障害者は12万1166・5人、精神障害者は6万7395・0人であった。  実雇用率は2・05%、法定雇用率達成企業の割合は45・9%であった(第1表)。 ◎企業規模別の状況  企業規模別にみると、雇用されている障害者の数は、45・5〜50人未満規模企業で4252・5人、50〜100人未満規模企業で5万674・5人、100〜300人未満で10万6521・5人、300〜500人未満で4万6877・0人、500〜1000人未満で6万2408・0人、1000人以上で26万4036・0人と、すべての企業規模で前年より増加した。  実雇用率は、民間企業全体の実雇用率2・05%と比較すると、 *500〜1000人未満規模企業(2・05%)、1000人以上規模企業(2・25%)については実雇用率以上となった。 *45・5〜50人未満規模企業(1・69%)、50〜100人未満規模企業(1・68%)、100〜300人未満規模企業(1・91%)、300〜500人未満規模企業(1・90%)は下回った。  なお、法定雇用率達成企業の割合は、45・5〜50人未満規模企業で34・0%、50〜100人未満規模企業で45・4%、100〜300人未満規模企業で50・1%、300〜500人未満規模企業で40・1%、500〜1000人未満規模企業で40・1%、1000人以上規模企業で47・8%であった(第2表)。 ◎産業別の状況  産業別にみると、雇用されている障害者の数は、すべての業種で前年よりも増加した。  産業別の実雇用率では、「農、林、漁業」(2・42%)、「医療、福祉」(2・68%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(2・26%)、が法定雇用率を上回っている(第4表)。 3 国、地方公共団体における在職状況 (1)国の機関  国の機関に在職している障害者の数は3902・5人、実雇用率は1・22%であった。国の機関は43機関中8機関で達成している(第3表)。 (2)都道府県の機関  都道府県の機関に在職している障害者の数は8244・5人、実雇用率は2・44%であった。知事部局は47機関中24機関で達成しており、知事部局以外は114機関中75機関が達成している(第3表)。 (3)市町村の機関  市町村の機関に在職している障害者の数は2万7145・5人、実雇用率は2・38%であった。2470機関中1718機関が達成している(第3表)。 (4)都道府県等の教育委員会  2・4%の法定雇用率が適用される都道府県等の教育委員会に在職している障害者の数は1万2607・5人、実雇用率は1・90%(都道府県教育委員会は1・87%、市町村教育委員会は2・10%)であった。都道府県教育委員会は47機関中5機関が、市町村教育委員会は53機関中34機関が達成している(第3表)。 4 独立行政法人等における雇用状況  独立行政法人等(法定雇用率2・5%)に雇用されている障害者の数は1万1010・0人、実雇用率は2・54%であった。独立行政法人等(国立大学法人等を除く)は92法人中69法人が達成、国立大学法人等は90法人中58法人が、地方独立行政法人等は166法人中113法人が達成している(第3表)。 【第1表】民間企業における雇用状況(法定雇用率2.2%) 区分 @企業数 A法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数 B障害者の数 A.重度身体障害者及び重度知的障害者 B.重度身体障害者及び重度知的障害者である短時間労働者 C.重度以外の身体障害者、知的障害者及び精神障害者 D.重度以外の身体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間労働者 E.計A×2+B+C+D×0.5 F.うち新規雇用分 C実雇用率E÷A×100 D法定雇用率達成企業の数 E法定雇用率達成企業の割合 民間企業 @ 企業 100,586 (91,024) A 人 26,104,834.5 (25,204,720) BA 人 117,892 (112,860) BB 人 16,026 (14,842) BC 人 262,305 (231,187) BD 人 41,309 (48,092) BE 人 534,769.5 (495,795.0) F 人 60,491.5 (50,940.0) C % 2.05 (1.97) D 企業 46,217 (45,553) E % 45.9 (50.0) 注1 A欄の「法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数」とは、常用労働者総数から除外率相当数(身体障害者、知的障害者及び精神障害者が就業することが困難であると認められる職種が相当の割合を占める業種について定められた率を乗じて得た数)を除いた労働者数である。 注2 BA欄の「重度身体障害者及び重度知的障害者」については法律上、1人を2人に相当するものとしており、E欄の計を算出するに当たりダブルカウントを行い、D欄の「重度以外の身体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間労働者」については法律上、1人を0.5人に相当するものとしており、E欄の計を算出するに当たり0.5カウントとしている。  ただし、精神障害者である短時間労働者であっても、以下の注4に該当するものについては、1人分とカウントしている。 注3 A、C欄は1週間の所定労働時間が30時間以上の労働者であり、B、D欄は1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者である。 注4 C欄の精神障害者には、精神障害者である短時間労働者であって、次のいずれかに該当する者を含む。  @ 平成27年6月2日以降に採用された者であること。  A 平成27年6月2日より前に採用された者で、同日以後に精神障害者保健福祉手帳を取得した者であること。 注5 D欄の精神障害者である短時間労働者とは、精神障害者である短時間労働者のうち、注4に該当しない者である。 注6 F欄の「うち新規雇用分」は、平成29年6月2日から平成30年6月1日までの1年間に新規に雇い入れられた障害者数である。 注7 ( )内は平成29年6月1日現在の数値である。  なお、精神障害者は平成18年4月1日から実雇用率に算定されることとなった。 【第2表】民間企業における企業規模別の障害者の雇用状況 区分 @企業数 A法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数 B障害者の数 A.重度身体障害者及び重度知的障害者 B.重度身体障害者及び重度知的障害者である短時間労働者 C.重度以外の身体障害者、知的障害者及び精神障害者 D.重度以外の身体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間労働者 E.計A×2+B+C+D×0.5 F.うち新規雇用分 C実雇用率E÷A×100 D法定雇用率達成企業の数 E法定雇用率達成企業の割合 規模計 @ 企業 100,586 (91,024) A 人 26,104,834.5 (25,204,720.0) BA 人 117,892 (112,860) BB 人 16,026 (14,842) BC 人 262,305 (231,187) BD 人 41,309 (48,092) E 人 534,769.5 (495,795.0) F 人 60,491.5 (50,940.0) C % 2.05 (1.97) D 企業 46,218 (45,553) E % 45.9 (50.0) 45.5〜100人未満 @ 49,370 (40,842) A 3,275,003.0 (2,850,910.0) BA 9,985 (8,717) BB 2,864 (2,466) BC 28,006 (21,274) BD 8,174 (9,031) E 54,927.0 (45,689.5) F 6,838.0 (5,306.5) C 1.68 (1.60) D 21,795 (18,983) E 44.1 (46.5) 100〜300人未満 @ 36,173 (35,359) A 5,582,387.5 (5,463,540.5) BA 21,207 (20,523) BB 4,496 (4,202) BC 54,188 (47,247) BD 10,847 (13,066) BE 106,521.5 (99,028.0) BF 13,696.5 (12,183.5) C 1.91 (1.81) D 18,127 (19,112) E 50.1 (54.1) 300〜500人未満 @ 6,965 (6,881) A 2,469,779.5 (2,437,935.5) BA 10,226 (9,867) BB 1,538 (1,499) BC 23,052 (21,096) BD 3,670 (4,306) BE 46,877.0 (44,482.0) BF 5,307.5 (4,504.0) C 1.90 (1.82) D 2,795 (3,154) E 40.1 (45.8) 500〜1,000人未満 @ 4,720 (4,639) A 3,036,954.5 (2,988,052.5) BA 13,852 (13,615) BB 1,792 (1,676) BC 30,719 (27,385) BD 4,386 (5,242) BE 62,408.0 (58,912.0) BF 7,339.5 (6,166.0) C 2.05 (1.97) D 1,895 (2,256) E 40.1 (48.6) 1,000人以上 @ 3,358 (3,303) A 11,740,710.0 (11,464,281.5) BA 62,622 (60,138) BB 5,336 (4,999) BC 126,340 (114,185) BD 14,232 (16,447) BE 264,036.0 (247,683.5) BF 27,310.0 (22,780.0) C 2.25 (2.16) D 1,606 (2,048) E 47.8 (62.0) 注 第1表と同じ 【第3表】 国、地方公共団体等における在職状況 (1) 国、地方公共団体の機関(法定雇用率2.5%) @法定雇用障害者数の算定の基礎となる職員数 A障害者の数 B実雇用率 C法定雇用率達成機関の数/機関数 D達成割合 国の機関 @ 320,654.0 人 (318,467.0 人) A 3,902.5 人 [2,959 人] (3,711.0 人) B 1.22% (1.17%) C 8/43 (8/43) D 18.6% (18.6%) 都道府県の機関 @ 337,872.0 人 (336,880.0 人) A 8,244.5 人 [6,163 人] (7,951.5 人) B 2.44% (2.36%) C 99/161 (108 /158) D 61.5% (68.4%) 市町村の機関 @ 1,140,348.5 人 (1,130,049.5 人) A 27,145.5 人 [20,452 人] (25,859.0 人) B 2.38% (2.29%) C 1,718/2,470 (1,838/2,367) D 69.6% (77.7%) (2) 都道府県等の教育委員会(法定雇用率2.4%) @法定雇用障害者数の算定の基礎となる職員数 A障害者の数 B実雇用率 C法定雇用率達成機関の数/機関数 D達成割合 都道府県等教育委員会 @ 662,641.5 人 (668,289.5 人) A 12,607.5 人 [9,335 人] (12,337.5 人) B 1.90% (1.85%) C 39/100 (66/115) D 39.0% (57.4%) (3) 独立行政法人等における雇用状況(法定雇用率2.5%) @法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数 A障害者の数 B実雇用率 C法定雇用率達成機関の数/機関数 D達成割合 独立行政法人等 @ 432,729.0 人 (429,408.5 人) A 11,010.0 人 [8,407 人] (10,225.0 人) B 2.54% (2.38%) C 240/348 (258/337) D 69.0% (76.6%) 注1 (1)(2)の各表の@欄の「法定雇用障害者数の算定の基礎となる職員数」とは、職員総数から除外職員数及び除外率相当職員数(旧除外職員が職員総数に占める割合を元に設定した除外率を乗じて得た数)を除いた職員数である。 注2 (3)の表の@欄の「法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数」とは、常用労働者総数から除外率相当数(身体障害者、知的障害者及び精神障害者が就業することが困難であると認められる職種が相当の割合を占める業種について定められた率を乗じて得た数)を除いた労働者数である。 注3 各表のA欄の「障害者の数」とは、身体障害者、知的障害者及び精神障害者の計であり、短時間労働者以外の重度身体障害者及び重度知的障害者については法律上、1人を2人に相当するものとしてダブルカウントを行い、重度以外の身体障害者及び知的障害者並びに精神障害者である短時間勤務職員については法律上、1人を0.5人に相当するものとして0.5カウントとしている。  ただし、精神障害者である短時間勤務職員であっても、次のいずれかに該当する者については、1人とカウントしている。 @平成27年6月2日以降に採用された者であること A平成27年6月2日より前に採用された者で、同日以後に精神障害者保健福祉手帳を取得した者であること 注4 法定雇用率2.4%が適用される機関とは、都道府県の教育委員会及び一定の市町村の教育委員会である。 注5 [ ]内は、実人員である。 注6 ( )内は、平成29年6月1日現在の数値(本年10月22日公表の再点検結果及びその後の訂正を反映したもの)である。  なお、精神障害者は平成18年4月1日から実雇用率に算定されることとなった。 注7 この集計は、平成31年4月3日時点の集計結果に基づき作成した。 注8 「独立行政法人等」とは、障害者の雇用の促進等に関する法律施行令別表第2の第1号から第8号まで、「地方独立行政法人等」とは、同令別表第2の第9号及び第10号の法人を指す。 【第4表】 民間企業における産業別の雇用状況 区分 @企業数 A法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数 B障害者の数 A.重度身体障害者および重度知的障害者 B.重度身体障害者および重度知的障害者である短時間労働者 C.重度以外の身体障害者、知的障害者および精神障害者 D.重度以外の身体障害者および知的障害者ならびに精神障害者である短時間労働者 E.計A×2+B+C+D×0.5 F.うち新規雇用分 C実雇用率E÷A×100 D法定雇用率達成企業の数 E法定雇用率達成企業の割合 産業計 @ 企業 100,586 (91,024) A 人 26,104,834.5 (25,204,720.0) BA 人 117,892 (112,860) BB 人 16,026 (14,842) BC 人 262,305 (231,187) BD 人 41,309 (48,092) BE 人 534,769.5 (495,795.0) BF 人 60,491.5 (50,940.0) C % 2.05 (1.97) D 企業 46,217 (45,553) E % 45.9 (50.0) 農、林、漁業 @ 359 (293) A 40,690.5 (36,156.5) BA 172 (121) BB 25 (16) BC 548 (404) BD 132 (151) BE 983.0 (737.5) BF 93.0 (70.0) C 2.42 (2.04) D 212 (176) E 59.1 (60.1) 鉱業、採石業砂利採取業 @ 73 (59) A 10,463.5 (9,884.0) BA 52 (49) BB 3 (1) BC 99 (88) BD 5 (4) BE 208.5 (189.0) BF 13.0 (26.5) C 1.99 (1.91) D 44 (39) E 60.3 (66.1) 建設業 @ 4,157 (3,530) A 785,272.0 (741,289.0) BA 3,855 (3,586) BB 197 (144) BC 6,349 (5,622) BD 246 (255) BE 14,379.0 (13,065.5) BF 1,469.5 (1,066.5) C 1.83 (1.76) D 1,890 (1,746) E 45.5 (49.5) 製造業 @ 24,979 (22,807) A 6,990,815.0 (6,799,796.5) BA 36,147 (35,148) BB 1,572 (1,543) BC 68,944 (63,758) BD 3,231 (3,559) BE 144,425.5 (137,376.5) BF 11,113.5 (9,676.0) C2.07 (2.02) D 13,025 (13,083) E 52.1 (57.4) 電気・ガス・熱供給・水道業 @ 248 (218) A 215,413.0 (212,013.0) BA 1,231 (1,195) BB 37 (30) BC 2,182 (2,037) BD 41 (43) BE 4,701.5 (4,478.5) BF 296.0 (220.0) C 2.18 (2.11) D 112 (113) E 45.2 (51.8) 情報通信業 @ 5,263 (4,702) A 1,514,800.5 (1,442,252.5) BA 6,890 (6,563) BB 272 (255) BC 11,574 (10,265) BD 337 (454) BE 25,794.5 (23,873.0) BF 3,188.5 (2,656.0) C 1.70 (1.66) D 1,335 (1,356) E 25.4 (28.8) 運輸業、郵便業 @ 7,188 (6,530) A 1,586,010.5 (1,530,255.5) BA 7,269 (6,799) BB 810 (788) BC 17,505 (15,883) BD 1,841 (1,967) BE 33,773.5 (31,252.5) BF 3,377.5 (2,831.5) C 2.13 (2.04) D 3,732 (3,646) E 51.9 (55.8) 卸売業、小売業 @ 15,955 (14,611) A 4,300,319.0 (4,215,206.0) BA 15,330 (14,803) BB 3,026 (2,875) BC 42,312 (37,007) BD 9,085 (10,683) BE 80,540.5 (74,829.5) BF 9,695.0 (8,093.0) C 1.87 (1.78) D 5,771 (5,779) E 36.2 (39.6) 金融業、保険業 @ 1,405 (1,346) A 1,201,221.0 (1,197,632.5) BA 6,464 (6,281) BB 256 (253) BC 11,050 (10,534) BD 394 (435) BE 24,431.0 (23,566.5) BF 2,452.0 (2,253.5) C 2.03 (1.97) D 498 (576) E 35.4 (42.8) 不動産業、物品賃貸業 @ 1,897 (1,658) A 447,970.5 (428,728.5) BA 1,647 (1,550) BB 209 (210) BC 3,853 (3,466) BD 375 (484) BE 7,543.5 (7,018.0) BF 1,151.0 (967.0) C 1.68 (1.64) D 598 (595) E 31.5 (35.9) 学術研究、専門・技術サービス業 @ 3,065 (2,632) A 914,498.0 (852,547.0) BA 3,685 (3,459) BB 475 (421) BC 7,863 (6,741) BD 1,401 (1,523) BE 16,408.5 (14,841.5) BF 1,832.0 (1,561.0) C 1.79 (1.74) D 961 (927) E 31.4 (35.2) 宿泊業、飲食サービス業 @3,143 (2,818) A 870,400.0 (848,219.5) BA 2,813 (2,716) BB 1,176 (1,042) BC 8,763 (7,745) BD 3,311 (3,490) BE 17,220.5 (15,964.0) BF 2,362.0 (1,979.5) C 1.98 (1.88) D 1,359 (1,301) E 43.2 (46.2) 生活関連サービス業、娯楽業 @ 3,010 (2,724) A 530,465.0 (507,780.5) BA 2,322 (2,157) BB 530 (478) BC 6,180 (5,333) BD 1,288 (1,554) BE 11,998.0 (10,902.0) BF 1,419.5 (1,272.5) C 2.26 (2.15) D 1,228 (1,171) E 40.8 (43.0) 教育、学習支援業 @ 2,116 (1,922) A 478,716.0 (461,957.0) BA 1,954 (1,871) BB 201 (193) BC 3,590 (3,216) BD 333 (422) BE 7,865.5 (7,362.0) BF 928.5 (827.5) C 1.64 (1.59) D 744 (775) E 35.2 (40.3) 医療、福祉 @ 16,601 (15,209) A 2,858,196.5 (2,731,592.5) BA 13,430 (12,962) BB 4,946 (4,489) BC 37,737 (29,265) BD 14,189 (17,434) BE 76,637.5 (68,395.0) BF 11,883.5 (9,553.5) C 2.68 (2.50) D 9,876 (9,586) E 59.5 (63.0) 複合サービス事業 @ 956 (922) A 306,252.0 (307,747.5) BA 1,393 (1,380) BB 152 (137) BC 2,768 (2,704) BD 316 (343) BE 5,864.0 (5,772.5) BF 456.5 (434.0) C 1.91 (1.88) D 383 (428) E 40.1 (46.4) サービス業 @ 10,171 (9,043) A 3,053,331.5 (2,881,662.0) BA 13,238 (12,220) BB 2,139 (1,967) BC 30,988 (27,119) BD 4,784 (5,291) BE 61,995.0 (56,171.5) BF 8,760.5 (7,452.0) C 2.03 (1.95) D 4,449 (4,256) E 43.7 (47.1) 注 第1表と同じ 【P32】 掲示板 「働く広場」広告募集のお知らせ 広告掲載を希望される企業の方は、栢A済堂までご連絡ください。 広告の掲載位置・規格 表3 (裏表紙の裏) カラー A4フルサイズ 掲載料金(円、税抜) 150,000 A4の2分の1 掲載料金(円、税抜) 75,000 本文 (P.31) 2色 A4フルサイズ 掲載料金(円、税抜) 100,000 A4の2分の1 掲載料金(円、税抜) 50,000 【判型】A4判、中綴  【頁数】カラー8頁(表紙含む)、2色28頁 【定価】本体価格129円+税  【発行部数】5万2千部  【発行形態】月刊(毎月25日発行) 【問合せ】株式会社 廣済堂「働く広場」編集担当 (TEL:03-5484-8821 FAX:03-5484-8822 E-mail:hatarakuhiroba@kosaido.co.jp) 「働く広場」読者アンケートにご協力ください。  本号に同封した「読者アンケート」用紙にご記入のうえ、当機構までFAX にてお寄せください。当機構ホームページからの回答も可能です。 ※カメラで読み取ったリンク先が、https://krs.bz/jeed/m/hiroba_enqueteであることをご確認のうえアクセスしてください。 EDITORS, NOTES 次号予告 ●私のひとこと  『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本』の著者であり、さら就労塾(東京都)で職業訓練を担当している對馬(つしま)陽一郎さんに、ご執筆いただきます。 ●職場ルポ  SB C&S株式会社の子会社、SBフレームワークス株式会社の柏事業所(千葉県)を訪問。近隣の特別支援学校から積極的に体験実習を受け入れる現場を取材します。 ●グラビア  生活協同組合コープかごしま(鹿児島県)の産直センターを訪問。精神障害のある職員の受入れ体制を整備し、安定的な勤務につなげた現場に密着します。 ●編集委員が行く  箕輪優子編集委員が、法政大学(東京都)と早稲田大学(東京都)を訪問。大学での障害のある学生への就学支援、キャリア支援の取組みを取材します。 本誌購入方法  定期購読のほか、最新号やバックナンバーのご購入は、下記へお申し込みください。  1冊からのご購入も受けつけています。 ◆インターネットでのお申し込み 富士山マガジンサービス 検索 ◆お電話、FAXでのお申し込み 株式会社廣済堂までご連絡ください。 TEL 03-5484-8821 FAX 03-5484-8822 編集委員 (五十音順) 埼玉県立大学教授 朝日雅也 株式会社FVP 代表取締役 大塚由紀子 山陽新聞社会事業団専務理事 阪本文雄 武庫川女子大学 准教授 諏訪田克彦 一般社団法人Shanti 武田牧子 あきる野市障がい者就労・生活支援センターあすく センター長 原 智彦 株式会社ダイナン 経営補佐 樋口克己 東京通信大学教授 松爲信雄 有限会社まるみ 取締役社長 三鴨岐子 横河電機株式会社 箕輪優子 訂正とお詫び  2019年5月号「『働く広場』の歩みと障害者雇用の流れ」(2ページ)の記事において、表記に誤りがありました。「1977年には、特例子会社第1号のシャープ特選工業株式会社、次いでオムロン太陽株式会社が設立された」と記載しておりましたが、正しくは「1977年には、特例子会社第1号としてシャープ特選工業株式会社、次いでオムロン太陽株式会社が認定された」です。  関係者のみなさまにはご迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。 ●発行−−独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 発行人−−企画部長 片淵仁文/編集人−−企画部次長 中村雅子 〒261−8558 千葉県千葉市美浜区若葉3−1−2 電話 043−213−6216(企画部情報公開広報課) ホームページ http://www.jeed.or.jp  メールアドレス hiroba@jeed.or.jp ●発売所−−株式会社 廣済堂 〒105−8318 港区芝浦1−2−3 シーバンスS館13階 電話 03−5484−8821  FAX 03−5484−8822 7月号 定価(本体価格129円+税)送料別 令和元年6月25日発行 無断転載を禁ずる ・本誌に掲載した論文等で意見にわたる部分は、それぞれ筆者の個人的見解であることをお断りします。本誌では「障害」という表記を基本としていますが、執筆者・取材先の方針などから、ほかの表記とすることがあります。 【P33】  独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構では、当機構が全国で実施する高齢者や障害者の雇用支援、従業員の人材育成(職業能力開発)などの情報を、毎月月末に、みなさまに配信しています。 雇用管理や人材育成の「いま」・「これから」を考える 人事労務担当者のみなさま 必読! 高齢 超高齢社会の人材確保 障害 障害特性に応じた配慮の方法 求職 ものづくり技術伝承や人材育成 みなさまの「どうする?」に応えるヒントが、見つかります! 障害者雇用の月刊誌「働く広場」がホームページでいつでもお読みいただけます!  当機構では、障害者に対する雇用支援などを実施しており、その一環として障害者雇用の月刊誌「働く広場」を発行しています。  本誌は当機構ホームページで、デジタルブックでも公開しており、スマートフォンやパソコンでいつでも無料でお読みいただけます(※)。ぜひ、ご利用ください。  また、最新号は毎月5日ごろに当機構ホームページに掲載されます。掲載をお知らせするメール配信サービスもございますのであわせてご利用ください。 自由に拡大できて便利! 読みたいページにすぐ飛べる! JEED 働く広場 検索 お問合せ 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 企画部 情報公開広報課 〒261-8558 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-2 電話:043-213-6216 FAX:043-213-6556 http://www.jeed.or.jp e-mail:hiroba@jeed.or.jp ※2015年4月号〜現在まで掲載しています 【裏表紙】 7月号 令和元年6月25日発行 通巻502号 毎月1回25日発行 定価(本体価格129円+税)