JEED インフォメーション 〜高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)からのお知らせ〜 「障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金」の活用事例  「障害者雇用納付金制度に基づく助成金」は、事業主が障害者を雇用するにあたって、施設・設備の整備や適切な雇用管理を図るための特別な措置を行う場合に、その費用の一部を助成することにより、事業主の一時的な経済的負担を軽減し、障害者の雇用の促進や継続を図ることを目的としています。  今回は、これらの助成金を効果的に活用している事例をご紹介します。 事例1 〜進行性難病による身体障害者の加齢にともなう運動機能の低下を克服するための階段昇降機の設置〜 【障害者作業施設設置等助成金(第1種中高年齢等障害者作業施設設置等助成金)】  A社で運行管理をしていたBさんは、筋ジストロフィーによる両上肢の機能障害および体幹機能障害があり、これまでは杖でかろうじて移動することができていましたが、加齢により症状が進行したことで、最近では段差があっても足が上がらなくなり階段などを利用できない状況にありました。  Bさんの就労場所である2階の執務スペースへの移動ができないことにより、就労の継続が困難となったことから、助成金を活用し、既存の階段にいす式階段昇降機を設置する改修工事を実施しました。いす式階段昇降機を設置したことにより、Bさんは一人で安全に階段を昇降することが可能となり、これまで通り業務を遂行できるようになりました。 事例2 〜加齢にともなう障害状況の変化により就労上の困難性が増した視覚障害者のための介助者の配置〜 【障害者介助等助成金(職場介助者の配置の中高年齢等措置に係る助成金)】  C社で経営企画の業務を行うDさんは、網膜色素変性症を発症し4年前に障害者手帳を取得しました。これまでは眼鏡型の拡大鏡を使用するなど自分なりに工夫して業務を行っていましたが、加齢にともない障害の状況が変化し、手帳の取得時よりも色の違いや濃淡を認識することがむずかしくなり、明朝体の印刷物や鉛筆書きの文字を判別できなくなったり、タイピングのミスが増えたりするなど、自身の工夫だけでは対処しきれず、業務に支障が出るようになりました。そこで、助成金を活用して職場介助者を配置し、判読が困難な文字・文書の代読や文書作成時のタイピング補助を行うことで、業務が円滑に行えるようになりました。 事例3 〜職場支援員の資質向上のために研修を受講〜 【障害者介助等助成金(介助者等資質向上措置に係る助成金)】  精神障害のあるEさんは、事務職に従事しています。F社は、Eさんに必要な支援ができるようGさんを職場支援員として配置しています。  F社は、Gさんの職場支援員としての資質向上のため、JEEDの職場適応援助者支援スキル向上研修の修了者を対象としたサポート研修(無料)を受講させました。研修受講後、Gさんは研修でつちかったノウハウなどを活かしながら、職場支援員としての業務を遂行しています。  研修受講の有効性を確認したF社は、以後も研修の受講料や研修受講者の受講中の賃金の一部を助成するこの助成金を活用しながら従業員の研修受講を推奨しています。Eさんも、職場支援員Gさんのよりよいサポートを受けながら業務に従事しています。 事例4 〜雇用率未達成事業主に対する雇用相談援助事業の実施〜 【障害者雇用相談援助助成金】  H社は、障害者雇用に課題を抱える事業主等に対して、障害者の雇用管理に関する相談援助事業を行う事業者として都道府県労働局長の認定を受けています。  H社は、I社が障害者を雇用しているものの新たな雇入れが進まず、法定雇用率が未達成となっている状況をふまえて、助成金を活用して、I社の障害者雇用に関する社内体制づくりの支援に取り組みました。  H社の支援により、I社では、合理的配慮についての理解促進が図られ、障害者雇用担当者の選任をはじめとした障害者雇用推進体制が構築されたことで、精神障害のあるJさんの採用につながりました。  採用後についても、H社が実施した職場定着のアドバイスをもとに、I社が定期面談等に取り組んだ結果、Jさんは現在もI社で活躍しています。 事例5 〜職場に適応していくための企業在籍型職場適応援助者の支援〜 【企業在籍型職場適応援助者助成金】  精神障害のあるKさんは、特例子会社L社に勤務しています。勤務するなかで、コミュニケーション面で相手の気持ちを考えた行動や単純作業の持続に課題を抱えていました。  その課題を克服するためにL社は、必要な支援を常時できるよう企業在籍型職場適応援助者(企業在籍型ジョブコーチ)の資格を有するMさんを配置し、計画に基づきKさんの支援を始めました。  Mさんは、Kさんに対し、職場におけるコミュニケーションについてのアドバイスや、よくあるミスをチェックリスト形式で整理するといった支援を行うとともに、Kさんの業務担当者に対し、勤務に必要な支援などを随時共有しました。  Kさんは、Mさんの支援を受けながら自身の課題と向き合うことで業務に対する理解と習熟が進み、さらに生産性の向上が図られたことで、チームの一員として活躍しています。 事例6 〜聴覚障害者のための手話通訳者の委嘱〜 【障害者介助等助成金(手話通訳・要約筆記等担当者の委嘱助成金)】  機械器具製造業のN社では社員の入社時に、安全衛生、品質管理、防災管理、コンプライアンスなどについての研修を行っています。しかし、聴覚障害のあるPさんに対しては口頭による説明だけでは内容が十分に伝わらず、かといって筆談を交えると情報伝達に時間を要するという課題がありました。そこで、助成金を活用して手話通訳者を委嘱し、説明内容を通訳してもらうことで、Pさんは内容を理解し、その後の業務が円滑にできるようになりました。  また、業務以外でも、社外で行う定期健康診断受診の際、手話通訳者に同行してもらうなど、必要に応じて手話通訳者を委嘱し、雇用管理を行っています。 ●以下の助成金があります。詳細は、ホームページでご確認ください。 @障害者作業施設設置等助成金 A障害者福祉施設設置等助成金 B障害者介助等助成金 C職場適応援助者助成金 D重度障害者等通勤対策助成金 E重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金 F障害者能力開発助成金 G障害者雇用相談援助助成金 https://www.jeed.go.jp/disability/subsidy/index.html ●助成金に関する申請手続き等については、JEED都道府県支部高齢・障害者業務課(東京、大阪は高齢・障害者窓口サービス課)にお問い合わせください。 https://www.jeed.go.jp/location/shibu/index.html ●e-Gov電子申請を利用して申請できるようになりました。 https://www.jeed.go.jp/disability/subsidy/e-shinsei/index.html 国立職業リハビリテーションセンター 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 訓練生募集のお知らせ 〜障害のある方々の就職に向けた職業訓練や就職支援を実施しています〜 募集訓練コース、募集日程 国立職業リハビリテーションセンター 訓練系 訓練コース 訓練期間 メカトロ系 機械CADコース 電子技術・CADコース FAシステムコース 組立・検査コース 1年 建築系 建築CADコース 情報系 DTPコース Webコース ソフトウェア開発コース システム活用コース 視覚障害者情報アクセスコース ビジネス系 会計ビジネスコース OAビジネスコース オフィスワークコース 物流系 物流・資材管理コース 職域開発系 オフィスアシスタントコース 販売・物流ワークコース サービスワークコース 入所期 ハローワークへの申請書提出締切日 入所日 2026年1月入所期 2025年10月23日(木) 2026年1月14日(水) 2026年3月入所期 2025年12月19日(金) 2026年3月11日(水) 2026年4月入所期 2026年1月22日(木) 2026年4月16日(木) 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 訓練系 訓練コース 訓練期間 メカトロ系 機械CADコース 電気・電子技術・CADコース 組立・検査コース 製造ワークコース 1年 ビジネス情報系 システム設計・管理コース※ 【視覚障害者対象】ITビジネスコース 2年 会計ビジネスコース OAビジネスコース オフィスワークコース 1年 アシスタント系 販売・物流ワークコース サービスワークコース ※令和7年度内入所の募集は終了しました。次回の募集は、下表の4月入所期となります。 入所期 ハローワークへの申請書提出締切日 入所日 2026年1月入所期 2025年10月30日(木) 2026年1月8日(木) 2026年2月入所期 2025年11月25日(火) 2026年2月5日(木) 2026年4月入所期 2026年2月5日(木) 2026年4月7日(火) ●遠方の方については……  国立吉備高原職業リハビリテーションセンターでは、併設の宿舎が利用できます。また国立職業リハビリテーションセンターでは、身体障害、高次脳機能障害のある方、難病の方は、隣接する国立障害者リハビリテーションセンターの宿舎を利用することができます。 国立職業リハビリテーションセンター 〒359-0042 埼玉県所沢市並木4-2 職業評価課 TEL:04-2995-1201 https://www.nvrcd.jeed.go.jp 国立吉備高原職業リハビリテーションセンター 〒716-1241 岡山県加賀郡吉備中央町吉川7520 職業評価課 TEL:0866-56-9001 https://www.kibireha.jeed.go.jp 写真のキャプション 視覚障害者の支援機器を活用した訓練風景 3DCADを活用した訓練風景