ミニコラム 第50回 編集委員のひとこと ※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は松爲委員が執筆しています。ご一読ください。 障害者雇用の進化と三位一体支援モデルの力 神奈川県立保健福祉大学 名誉教授 松爲信雄  本誌2025年1月号の新春特別対談(※)で「三位一体支援モデル」を提唱して以来、ずっとこのことを考え続けています。  このモデルは、持続可能で質の高い障害者雇用の形成について、@障害者雇用における環境(企業)の「雇用の質の向上」、A企業と個人の相互作用を促進させる支援者の「支援の質の向上」、B個人(当事者)の「キャリア意識の向上」の三者それぞれが、独立して向上すると同時に、互いに連携し、協働的な相互作用を活発化させることによってはじめて、「生活の質」や「ウェルビーイング」が進化していくと考えるものです。  その根底には、当事者は単に支援を受け入れるだけでなく、自らのキャリアを主体的に構築する能動的な存在であり、事業所も単に障害者を受け入れるだけでなく、多様な人材を活かすことで組織自身の生産性や創造性を高めて変革を遂げることができ、さらに、支援者は専門知識を一方的に提供する権威ではなく、当事者と事業所の対話を促進して両者の成長を側面から支えるファシリテーターとなることを意味します。  今回の取材では、特例子会社とそうでない企業の人事労務管理の状況を比較しながら、このモデルの主体の一つである「雇用の質」を考えてみました。 ※本誌2025年1月号、八重田淳編集委員との新春特別対談「これからの時代の障害者雇用とは」はJEEDホームページからもご覧いただけます。 https://www.jeed.go.jp/disability/data/works/book/hiroba_202501/index.html#page=22