読者の声 掲示板 障がいのある社員の自立に向けて 新幹線メンテナンス東海株式会社 品川ファシリティ事業所 野呂(のろ)学石(がくせき)  当事業所は、東海道新幹線品川駅に隣接し、駅舎、ビル、設備の三つの職場で構成し、駅やビルを整備しています。  今回、ご紹介するのは、知的障がいのあるSさん(26歳、女性)の自立に向けた取組みです。Sさんは、2017(平成29)年4月にパートタイマーとして入社し、ビル整備に従事しています。当初は一人の社員がサポート役となり、二人で一つの担務に就いていました。  当社では、Sさんを自立(一人で作業)させることはできないか、体制づくりを進めてきました。まず、障害者職業生活相談員の資格を取得した社員が、Sさんと幾度となく面談を重ね、一人作業への不安や必要な配慮を確認し合いました。次に、何を基準に自立を判断するのか検討を重ね、「習熟度確認チェックシート」を作成しました。このシートでサポート役の社員が安全に作業ダイヤ通りできるかを判断し記録します。この試みには、総勢19人の職場の仲間全員が理解と協力を惜しみませんでした。当初は一つの担務から始め、1年をかけ担務数を徐々に増やし職域を拡大しました。  その結果、自立を果たして準社員として必要な作業を行えることが確認でき、2025(令和7)年4月1日、Sさんはパートタイマーから準社員へ雇用形態を変更するに至りました。  いまは、よりいっそうの責任感と仕事へ生きがいを感じながら日々の作業に就いています。私たちは、Sさんが活き活きと働く姿から、いつも元気をもらっています。 読者アンケートにご協力をお願いします! ※カメラで読み取ったリンク先が「https://krs.bz/jeed/m/hiroba_enquete」であることをご確認ください。 回答はこちらから→ 次号予告 ●私のひとこと  福井大学工学系部門工学領域知能システム工学講座教授の小越康宏さんに、IoTの活用による発達障害者の就労支援など、IoTを活用した障害者の就労支援の将来像についてご執筆いただきます。 ●職場ルポ  北陸三県と長野県を販売地域とする北陸コカ・コーラボトリング株式会社(富山県)とグループ会社のベネフレックス株式会社能登営業所(石川県)を取材。同社およびグループ会社の障害者雇用に対する取組みのほか、障害のある従業員の声などをお伝えします。 ●グラビア  秋田協同印刷株式会社( 秋田県) を訪問。製本の工程で活躍する障害のあるベテラン従業員2人と入社7年目の若手従業員の働く姿や、だれもが働きやすい職場づくりなどをご紹介します。 ●編集委員が行く  大野聡士編集委員が、楽天グループ株式会社の特例子会社、楽天ソシオビジネス株式会社(東京都)を訪問。同社のビジョンである「Make a Challenge挑み・成長し続ける会社」に基づくチャレンジや、「自立」、「共生」、「挑戦」、「成長」のサイクル目標について取材しました。 メールマガジン 好評配信中! 詳しくは JEED メールマガジン 検索 公式X(旧Twitter)はこちら! @JEED_hiroba 最新号発行のお知らせやコーナー紹介などをお届けします。 あなたの原稿をお待ちしています ■声−−障害者雇用にかかわるお考えやご意見、行事やできごとなどを500字以内で編集部(企画部情報公開広報課)まで。 ●発行−−独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) 発行人−−企画部長 鈴井秀彦 編集人−−企画部次長 綱川香代子 〒261-8558 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-2 電話 043-213-6200(企画部情報公開広報課) ホームページ https://www.jeed.go.jp メールアドレス hiroba@jeed.go.jp ●編集委託−株式会社労働調査会 〒170-0004 東京都豊島区北大塚2-4-5 電話 03-3915-6415 FAX 03-3915-9041 11月号 令和7年10月25日発行 無断転載を禁ずる ・本誌に掲載した論文等で意見にわたる部分は、それぞれ筆者の個人的見解であることをお断りします。また、本誌では「障害」という表記を基本としていますが、執筆者・取材先の方針などから、ほかの表記とすることがあります。 編集委員 (五十音順) 株式会社FVP 代表取締役 大塚由紀子 トヨタループス株式会社 取締役 大野聡士 NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク 副理事・統括施設長 金塚たかし 弘前大学教職大学院 教授 菊地一文 サントリービバレッジソリューション株式会社 人事本部 副部長 平岡典子 武庫川女子大学 准教授 増田和高 神奈川県立保健福祉大学 名誉教授 松爲信雄 有限会社まるみ 取締役社長 三鴨岐子 筑波大学大学院 教授 八重田 淳 国際医療福祉大学 准教授 若林 功