ニュースファイル 国の動き 国土交通省 支援施設などの人材確保を支援  国土交通省は、自動車事故の被害者が介護者なき後も安心して生活を送ることができる環境を整備するため、障害者支援施設やグループホームの開設後に必要となる介護人材の確保や介護器具の導入にかかわる経費の支援をする補助対象事業所71カ所を選定した。  補助上限額および対象経費は、新設(増設)年度の人材雇用費や施設支援費、研修等経費などに上限1500万円、開設次年度以降は賃金改善費、施設支援費など上限1000万円としている。事業所リスト等詳細は、左記Webサイトへ。 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000729.html 地方の動き 埼玉 地域分散型ショップの愛称決定  埼玉県は、就労継続支援B型事業所で障害者がつくった商品を販売する地域分散型ショップの愛称を「つながるしごと・しごとびと」に決定した。愛称は事業所やそこで働く障害者がつながり、地域にも広がっていくことをイメージ。新たにステッカーも作成し、イラストには、社会福祉法人みぬま福祉会川口太陽の家・工房集(川口市)の利用者でアート活動を行う関(せき)翔平(しょうへい)さんの作品を採用した。  地域分散型ショップは県内4カ所にあり、それぞれ菓子やパン、野菜、加工品、雑貨などを販売している。県ではショップを通じて商品の販路を広げ、工賃向上につなげることを支援している。 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0605/news/page/news2025091801.html 東京 都庁展望室で分身ロボットが案内業務  東京都は、都庁展望室にスマートフォンやパソコンなどを通じ遠隔操作できる分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を設置し、重度障害などで外出困難な人が自宅から観光客向けの案内業務を行う取組みを昨年度から始め、今年度は2026(令和8)年3月13日まで実施する。展望室には案内支援員が常駐する。  実施場所は、東京都庁第一本庁舎45階の南展望室で、1階専用エレベーターから行ける。案内時間は平日13時〜17時(展望室の休館日・土日・祝日・年末年始除く)。 https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/shogai/event/orihime 静岡 パソコンリサイクルで障害者雇用  静岡県は、「リネットジャパングループ株式会社」(愛知県)と「株式会社クラ・ゼミ」(浜松市)とともに、県内における使用済みパソコンのリサイクル(環境領域)と障害者雇用の創出(福祉領域)を目的に「環福連携」の取組みを3者連携で推進する協定を締結した。  3者は、県内の企業や自治体からリネットジャパンが回収した不用パソコンを、同社が雇用した障害のある人が解体したうえで再資源化するとしている。クラ・ゼミは採用や職場定着の取組みを支援する。また、新たに「静岡環福連携促進協議会」を設立し、県内の企業や自治体と連携して推進していくという。 https://www.pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/shuroshien/shuroshien/1040127/1077753.html 働く 全国 障害福祉現場の賃上げ状況  公益財団法人日本知的障害者福祉協会(東京都)など障害福祉関係8団体が、「障害福祉現場の賃上げ状況調査」の結果を公表した。  これによると、回答があった全国1547事業所のサービス類型は、日中活動系30.1%、施設系18.7%、訓練系・就労系15.3%、相談系13.6%、居住支援系11.6%、児童系7.6%、訪問系3.1%。賃上げ額(事業者あたり平均月額)は2024(令和6)年度の9635円に対して2025年度は9643円と同程度で、事業者が着実に処遇改善を実施しているものの、賃上げ率は、全産業(春闘ベース)が前年度比0.15%増に対し、障害福祉分野は0.12%減となっている。  回答した事業所の95.6%が経営上の課題を「感じている」とし、おもな課題(複数回答)の92.2%が「物価高騰の影響により支出が増加している」、76.0%が「サービス提供に必要な人材が確保できない」としている。詳細は同協会のホームページなどで公開中。 http://www.aigo.or.jp/archives/2025/post-724.html 熊本 西日本で農福コンソーシアム  西日本の13県23団体が、農福連携の推進を目指す「ノウフクコンソーシアム西日本」(NCN)を設立し、東海大学熊本キャンパス(熊本市)で設立総会とシンポジウムを開催した。広域で連携を図り、農業の人材不足や障害者雇用といった地域社会が抱えるさまざまな課題解決を目ざす。  NCNのメンバーは、東海大学などが参加する熊本県農福連携協議会や福祉団体、自治体、研究者など23の個人・団体。会長には安芸市(あきし)農福連携研究会(高知県)の公文(くもん)一也(かずや)さんが就いた。  農福連携を広めるために、農業だけでなく水産業や林業などに範囲を広げたり、商業や教育など異分野とも組み合わせたりすることを検討する。今後は、連携事例の情報共有や農産物の販路開拓、行政への政策提言なども推進していく予定。事務局はNPO法人熊本福祉会(熊本市)内の熊本県農福連携協議会。電話:096−353−7700 長崎 新聞社がeスポーツで就労支援  株式会社長崎新聞社(長崎市)は、eスポーツを通じて障害者らの就労を後押しする就労継続支援B型事業所ONEGAME(ワンゲーム)長崎を、本社内に新設した。全国でワンゲームを展開する株式会社ワンライフ(群馬県)と業務提携し、長崎新聞文化ホールが運営する。  ONEGAME長崎では、ゲームを通じて基本となるパソコンスキル、動画制作スキル、インターネット理解などを身につけた新たな人材育成を支援する。コースは、プロ選手やデバイス開発者などを目ざし、必要なスキルを学ぶ「選手コース」、照明・音響や映像配信、設営などを学ぶ「イベントコース」、MCや声優などに必要な表現力を学ぶ「実況解説MCコース」の三つ。連携してイベント企画やゲーム実況動画の投稿なども行う。このほか動画編集や写真のデータベース化作業などで工賃を支給する予定という。 本紹介 『発達障害×働く力―就労支援の実践ガイド』  早稲田大学教育・総合科学学術院の教授を務める梅永(うめなが)雄二(ゆうじ)さんら23人の専門家や支援者らが『発達障害×働く力―就労支援の実践ガイド』(金剛出版刊)を出版した。  専門家や支援機関からの実践報告、教育機関や企業での支援例、海外の最新情報などから、発達障害者の特性に応じた支援の重要性を訴えている。高校・大学からの就労、就労移行支援事業所における就労支援、障害者就業・生活支援センターにおける実践、特例子会社における雇用、米国における就労支援のほか、児童期から成人期に至る包括的支援や発達障害者に必要な就労活動、発達障害と医療など、幅広く網羅した内容を紹介している。A5判、300ページ、4180円(税込)。 アビリンピックマスコットキャラクター アビリス 2025年度地方アビリンピック 開催予定 2026年1月〜2月 東京都、京都府、香川県、佐賀県 *開催地によっては、開催日や種目ごとに会場が異なります *  は開催終了 地方アビリンピック 検索 ※日程や会場については、変更となる場合があります。 ※第45回全国アビリンピックは2025年10月17日(金)〜10月19日(日)に、愛知県で開催されました。本誌2026年2月号で特集します。 地図のキャプション 東京都 京都府 香川県 佐賀県