ミニコラム 第45回 編集委員のひとこと ※今号の「編集委員が行く」(20〜25ページ)は八重田委員が執筆しています。ご一読ください。 なぜ働くのか 筑波大学大学院 教授 八重田淳  なぜ働くのかをさまざまな大学生に聞いたところ、「お金のため、生活のため、国民としての義務だから」といった答えが返ってきた。もちろんなかには、自分の夢を実現するため、その先にある目標を達成するための手段として、という未来に向けた回答もあった。  自分が大学生だったころ、同じ質問をされていたら、なんと答えただろう。「何かを成し遂げたい。その何かがまだ見つからないけど」と思っていたような気がしないでもない。みなさんはどうだろうか。  あなたはなぜ働くのですか?誰のために?何のために?  「その質問自体が愚問だ、働きたいけど働けないんだよ。働くチャンスもないし。そんななかで、食べるため、家族を養うため、生きるためには働くしかないだろう? 労働は手段であって、目的じゃない。」そんな声も頭の中で聴こえてくる。  どうせ働くなら、楽しく、愉快に、健康に、幸せに笑いながら、長時間ではなく、サラッと気分よく働きたいものである。その結果としてたくさんお金を貰えたり、褒められたり、自由な時間を獲得できたらいうことなしだ。「よし、もっとがんばろう、世のため、人のために」となるかもしれない。  好きな仕事を、マイペースで自由に進めていけたら人はどれほど幸せになるのだろうか。「なぜ働くのか」という設問に対する自分らしい答えを探しながら、今日も生きている。